見出し画像

鶏皮飼育日記:保存方法の検討

鶏皮飼育日記では鶏皮を長期間観察する為の保存方法を検討し、水の中に入れる事にした。
しかし実際には鶏皮の状態は大きく変化し、最後には形そのものが無くなった。
その為、再度鶏皮の保存方法について検討する。
保存方法を検討する際に、鶏皮飼育日記を経た経験により実際に手に持って触れる状態である事を重視した。
そして「なめし」という方法を採用した。
鞣しは動物の皮を保存可能、製品利用可能な「革」へと加工する技術である。
今回は植物タンニン鞣しを行い、鶏皮を革に加工した。
踏んだ手順は以下の通りである。

①脂肪を取り除く
②洗剤で洗い、脂肪を乳化させる ※①,②を複数回繰り返す
③鞣し液(飲用よりも濃く煮出したお茶)を用意する
④皮を鞣し液に数日漬ける
⑤出来上がった革に油を塗布する

2021/12/9〜・鞣しの過程
脱脂と乳化を繰り返すと、次第に皮は白く柔らかくなっていった。
弾力が失われてしんなりとし、とても薄くなり、見た目は卵の薄皮に似ていた。
鞣し液に浸けて一日程で硬く変化し、触ってみると厚みも少し増している様に感じた。
脱脂の途中で乾燥した部分があり、そこは鞣しを行っても透明なまま周りよりもさらに硬くなっていた。見た目はプラ板に似ている。
取りこぼした脂肪の球なのか、鞣し後に所々粒々と茶色っぽい斑点が表面に残っていた。引っ張ってみるとその斑点だけ千切れて剥がれた。
乾燥させると革全体から白っぽさが抜け、濃い茶色と緑を足した色に変化した。
革は表と裏で感触が異なっている。
肉と接していた面は、鞣し後もほつれの様な糸状の物が多く残っている。
触るとその面全体がザラついていて、和紙に近い感触だった。油を塗ってもあまり感触は変化しない。糸状の物は、掌全体を使って撫でる様に油を塗ると千切れていった。
反対の面は光沢があり、触るとさらさらとしていて指が滑る。
この面にも所々糸状の物があるのだが、反対の面にある物よりも白く細い為、毛の様に見える。
よく見ると革の表と裏は一枚ではなく、違う層になっている。
輪郭部分には布のほつれの様な繊維が見えるのだが、そのほつれは肉と接していた面から出てきている。
革からは今回鞣し液に用いた緑茶のにおいに加え、少し酸っぱいにおいがする。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?