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『哀れなるものたち』

初ヨルゴス・ランティモスになる。
ヘンテコな映画を撮る人というイメージだった。そのためあらすじだけだとどんな映画になるのかを想像しづらくなかなか一歩が踏み出せていなかった。
しかし今作は少しビジュアルにキャッチーさを感じたため一歩を踏み出せた。
感想を一言で言うと、ヘンテコだけど愛もあり哲学的でもあるがバカでもある、そんな映画だった。好きな映画だ。
やはりバカになれる映画は好きになってしまう。

前半は純粋エマストーンが暴れまくる。文字通り何もまとわることなく暴れ回る。やがて思春期を迎え反抗期になり家を出る。
そこからベラの大冒険が始まるのだが、一緒に旅するマークラファロ演じるダンカンが何ともダメダメでいい。遊ぶつもりでベラを連れ出したがいつしかベラの虜になってしまい。ベラが他の男と寝たと知ると嫉妬で狂ってしまう。
ベラが娼婦となってからも窓越しで求愛する。嫉妬に駆られ憎しみまで持ってしまう。その姿はキザで大人だった姿からは大違いだ。ダンカンはベラとは逆に退化してしまっている。

オチは弱い。ベラがさまざまな経験や知識を得た先に待っている展開を期待していた。しかし、現実離れした父権的な将軍の登場によって展開がチープになってしまった印象だ。
彼の銃という分かりやすすぎる暴力的な高速から自由になることがクライマックスとなってしまった。性や知識から自由になるストーリーだっただけにもったいない。

やはりエマ・ストーンの魅力に尽きる。彼女がすべてを投げ出しベラを演じている。ここまで知名度もある女優がこのような役を演じたことに驚いた。日本ではなかなか考えられない。裸が慣れすぎてだんだんエロさも感じなくなってくるのがおもろい。さらに一皮向けたエマ・ストーンは今後も楽しみだ。

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