書評 仕事と人生

この本は西川善文という、三井住友銀行で頭取を務めた方の仕事論だ。
ザ・ラストバンカーと称される西川さんの経験に裏付けされた、仕事に向き合う際の心構えなどを「評価される人」「成長する人」といった具合に分類した上で記述されてある。

早速、分類ごとに印象に残ったものをここに記述する。

評価される人編
・物事をシンプルに捉え、ポイントを2つか3つに絞る
・自分で出来ることと出来ないことをしっかりと見極め、上司からの命令を聞く時も「この部分は自分でやって、ここは◯◯支店のAさんにアドバイスを貰おう」と考える。他人を使う力は重要であり、会社の中の人的ネットワークを自由自在に駆使できる人は有能。

成長する人編
・余計なことを考えず、仕事に専念する。自分の武器や長所も仕事をやる上で見えてくるものだし磨くもの。与えられた仕事を全身全霊でこなす。
・一つ上の立場でものを考える。担当する仕事だけではなく、会社全体のことが大体見えるようになり、「自分の仕事が会社内のどの位置付けでどう役に立っているか」という見取り図を描けるようになれば強い。これは、会社全体でなくても最初は支店全体とかでもいい。とにかく一つ上の立場でものを捉える。その見取り図から、自分には何か求められているか、何をすれば組織の利益になるのかを見据え、行動する。

仕事ができる人編
・頭が良く、誠実であり、行動が伴う。行動というのは、日頃の勤勉からここぞという時の勇気ある行動のことまで。
・特別な人脈より有効な人脈を持つ。仕事をする中で有効な人脈は築ける。

成果を出す人編
・スピードは、他のどんな付加価値よりも大きい付加価値。時間をかけすぎることによるロスを考えると、早く処理した方が断然有利。これはチャットGPTとかのプロンプトエンジニアリングが活きそう。
・お客様から信頼してもらう。信頼を培うポイントは、「この人は自分たちの会社のことをよく分かってくれている」と思われること。そのために必要なのは、自分の会社のこと、あるいは自分たちが属している業界のことについて「よく勉強している」と感じてもらうこと。1.「相手の会社の属する業界の現状」、2.「そこでその会社がどういうポジションにあるのか」、3.「公開されているデータはきちんと頭に入れておく」の3つが最低ライン。
・もう一つ知っておくべきこととして、「相手は何が得意か」ということ。理由は「相手の得意をさらに伸ばしていく時に新たなニーズが発生し、そこにサービスを提供するため」。もう一つは新規事業。新規事業をする際に何かしらの新しいニーズが発生する。それを発見して提案し、サービスを提供する。こういった努力がお客様に対する信頼を高めることに繋がる。
・お客様の会社の景気が悪くなり傾き出している時こそ、「悪い状況を脱却するためにどういうお手伝いをするか」をよく考え、提案していくことが本来バンカーのやるべき仕事。つなぎ融資かもしれないし、販路のご紹介かもしれない。銀行内のネットワークをフル活用して事業の立て直しを一緒にする。

書評というより覚えておきたいことをアウトプットしたにすぎないが、、、
仕事が本格的に始まってから見れば一味も二味も違う読み取り方になるだろうから、その時が楽しみだ

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