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blenderでテクスチャをにじませる指先ツールの設定方法

blenderでテクスチャをにじませる指先ツールを作ろう!

こちらの記事は、blenderの標準のテクスチャペイント機能にある「指先ツール(にじみツール)」に関する記事です。

この記事は、Blender Advent Calendar 2021の16日目の記事でもあります。


ブラシ設定を調整して、下記のGIF動画のようにテクスチャをにじませる感じの指先ツールにする設定を紹介したいと思います。(blender3.0で設定を行っています)

設定を調整した「にじませる雰囲気の指先ツール」

主に普段Photoshopなどの2Dペイントツールで絵を描かれている方を対象に想定しています。記事の内容はもともとは私が下記の記事でPhotoshopの指先ツールで試したものを、blenderの指先ツールで応用したものになります。

おおまかに内容を言いますと、Photoshopのブラシ設定にある「散布」の機能と指先ツールの機能を組み合わせて使うと、良い感じににじませることができる、というものです。

※ツールの名称ですが、Photoshopでのブラシツールはblenderでは「ドローツール」、Photoshopでの指先ツールは「にじみツール」という名称のようです。
この記事ではPhotoshopユーザーに寄せてブラシツール、指先ツールと呼ばせていただきます。

テクスチャペイント用のツール群

散布ブラシの設定

それでは、まずはblenderのブラシツールでPhotoshopの「散布ブラシ」と似た感じになるよう設定を行ってみたいと思います。
下記画像のような手順になります。

ブラシの先端形状用の適当なマスク画像を読み込みます
テクスチャマスクにマスク画像が読み込まれました
マスクマッピングがデフォルト設定では「タイル状」になっています
マスクマッピングを「ビュー平面」にします。普通のブラシとしてストロークが描けるようになります。
Photoshopでのブラシのである「間隔」を空ける設定は、ストロークの項目にある「間隔」の数値です。数値を上げるとブラシの間隔があきます。
更にランダムに「散布」を行うには、ストロークの「ジッター」の値を上げる必要があります。ブラシ形状をランダム回転させたい場合は、「ランダム」にもチェックを入れるとできます。
また、ペンの筆圧感知によってブラシサイズと強さ(透明度)を変化させたい場合は、上の部分をクリックして筆圧感知のオンオフを切り替えられます。

以上で、Photoshopではおなじみの散布ブラシが完成です。

にじむ感じの指先ツールの設定

ここから本題の「にじむ感じの指先ツール」の設定をしていきたいと思います。
まず、標準的なブラシ設定のまま指先ツールをblenderで使用したときの挙動です。下記のように、指で絵具をひっぱったような感じになります。

通常の指先ツール。間隔設定:1だとすこし重かったです。
通常の指先ツール。間隔設定:10にすると軽くなり、この時点でもかなり良い感じです。

下記は先ほど設定を紹介したような「散布」設定を指先ツールで使用したものです。

「散布」的な設定を使用した指先ツールです。絵具がにじむような雰囲気がすこしでました。
このような設定です。やわらかめににじむ感じの設定です。

これでも良い感じですが、よりくっきり目にブラシの形状ににじむブラシ設定になるよう「減衰」の設定を調整してみます。

よりくっきりとにじむ感じに調整しました。こちらが最終的な完成版です。
「減衰」の設定を変更することで、ブラシ形状のままくっきりとにじませることができました。

おわり

以上で「にじませる感じの指先ツール」の説明は終了です。
「ブラシ形状」「筆圧感知」「間隔」「回転のランダム」「ジッター」「減衰」の設定を適度に調整することで、たんにひっぱる感じではなく、絵具をにじませるような雰囲気の指先ツールを作ることができました。

下記は別のブラシ先端形状で指先ツールを使用したものです。工夫次第で色々なにじませ方が表現できそうです。








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