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いぬとの暮らしのはじまり

ちゃっかちゃっかちゃっかちゃっか
彼女たちが家の中を走ると響いてくる。
なつかしいツメの音。
ひんやりしっとりした真っ黒な鼻と紅い鼻。
どれだけでも撫でていられるやわらかい耳と身体。
ひなたぼっこの背中にそよそよと飛んでいく毛玉。
すべてが愛おしい。

我が家には2匹の雑種が暮らしていた。
先代は平成元年11月11日生まれという犬の申し子/チャコ
新入りは2003年3月9日生まれの社交的おなご/花

チャコは柴犬と紀州犬の茶色い姉御
彼女は祖父母の家で暮らしていて、
物心つく前から自分の近くにいる先輩犬だった。
花は雑種と雑種の白いお嬢
小学校に上がり、自分も祖父母の家で暮らすようになった。たまたま出かけた先のペットショップが里親イベントを開催していて、母が唐突に「この子連れて帰るよ!」と言ったのが出会いのきっかけ。時々こういうことをやるのだ。驚くような思い切りを。
ケージに白くてもふもふでぬいぐるみみたいな子犬が2匹いた。彼女は短いうしろ足で立っていた。(のちに家のブロック塀からひょっこり顔を出すことが彼女の日課となる)
もう1匹はすやすやりとマイペースに眠っており、目がとろけ若干ぺたんとした口元から「し、しろぶたの子なの?!」と通りすがりに失礼なことを言われたりしていた。
しろくまの子どものような白餅くんはよく眠れるお家についたと願いたい。幸福に安眠してほしい守りたい寝顔だったと思う

花嬢はこうして、カートに乗せられおうちないし食料、日用品とおもちゃを買ってもらい我が家にやってきた。

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