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2020年品川区保活戦記-事前準備編-

これは保活に臨んだ果ての物語ー

2019年某日、幸運なことに子どもが生まれた。

まず我が家で必要だと考えたことは、この死ぬほど可愛いわが子にとって、最適な日中育成環境の提供であった。

つまり保育園。

子どもが生まれてから、義務教育が始まるまでの間、どういった養育環境を提供するかは各家庭それぞれあるだろう。

我が家でも、片方が家庭に入り養育する案、幼稚園案、どちらかの親の手を借りる案、それにより引越をする案などなど、ありとあらゆるパターンを考案、実現性についての議論を重ねた。

最終的に現段階での結果論として残ったのは

今の居住区(品川区)から変更せずに0歳で子どもを保育園に入れること、だった。

ここに至った理由は様々あるが、言えることとしては、収入がハーフ&ハーフのダブルインカムである我が家にとって育休による収入減が大打撃であったこと。子ども誕生タイミングで引っ越すことが難しかったこと。そして品川区、特に我が家が位置するエリアの状況をリサーチした結果、我が家において第1子の1歳児入園は苦難の道であることが分かったことが大きい。

2020年2月、2020年0歳児入園の結果が出るまでと、その過程を記録したいと思う。

1.事前準備編

・区役所でリアルな声を聞き、自分たちの立ち位置を認識する

ネットで検索すると品川区は保育園に入りやすい、という声もあったが、その辺実際どうなのよ?と思ったのでとりあえず区役所へ。行って分かったことは、ネットの情報を鵜呑みにすると、自分の置かれている状況が見えづらくなることと、テキスト化されることはないリアルな声はやはり大事であるということ。

(これはネットに嘘が書いてあるということではありません。視点を区全体として見る確かに書いてある通りですが、自分の視点で見ると異なる点があったということです。ネット上の情報にも多分に助けられました。)

たしかに各所に書かれているように、園さえ選ばなければ、区全体で見ると入りやすい。ただし、エリアによっては全然そんなことなく、去年(2018年)タワマンが乱立したエリアでは落選者が続出していたこと。大井町エリアにある大きな保育園の閉園が決まっていることなど、エリア別に状況は違っていることも教えてもらった。

(源泉徴収票を持参したところ、どの項目が階層計算の元になるのかまで丁寧にご教示いただけ本当に助かりました。時々他の方のブログなどでご自身の階層を教えてもらえた方も拝見しましたが、筆者の場合は計算元となる項目を指差ししてもらったのみです。当然計算すれば階層は出るけど役所側で断定/計算の代行はできない、という感じでした。後日トラブルになっても困りますしね。非常に良いオペレーションだと思います。)

・居住エリアのリサーチと過去実績の洗い出し

品川区は大きく5つのエリアに別れ、品川地区、大井地区、大崎地区、荏原地区、八潮地区となっている。ちなみに世帯分布でいうと荏原地区がぶっちぎりで突出しており、八潮地区はぶっちぎりで少ない。14歳以下の子どもの数も比例している。(出典:品川区の統計)

品川区人口

このエリア区分けと認可保育園の所在地をざっくり重ねると下記の図となる。(出典:2019年10月配布品川区保育園パンフレットより画像加工)

品川区エリア別保育園マップ

昨年度にタワマンが立った場所は品川地区と大井地区の境周辺。それに対し、受け皿となる認可保育園の数は他のエリアよりは少ない。そして認可保育園はぽいぽい簡単に増やせるものでもない。確かにこれでは人口増加に対して受け皿が用意されていないため、あぶれてしまう人が出てしまったことも理解できる。

またざっくりエリア別で照会しても、世帯数に対して大井地区の保育園数が少し少なめに見えてしまう。

品川区は区のホームページで過去数年間の認可保育園一次通過指数を公開していたり、各保育園ごとの累計申込者数を公開しているというかなりクリーン、オープンな方針で、情報収集と整理に非常に役立った。

(また、他でよく見かける熱意だとか、根回しだとかは品川区においては無意味そうなことも個人的にはプラスに感じました。)

これらの情報を元に、我が家がどういう戦略で保活に望むかを決めて行った。

・家庭内保活戦略会議

まずは仕入れた情報を元に保活戦略会議が実施された。ここで論点に上がったのが、そもそも0歳児で入れるべきか、1歳児で入れるべきかという議論だ。先の通りハーフ&ハーフダブルインカム家庭のため、最初から0歳児寄りの考え方ではあったものの、一方で我が子との時間を手放したくない葛藤もあったりした。

1歳児入園は最低指数が41点以上だった園も多く、40点が最低指数でも階層が低めな傾向があった。階層については試算している時点でほぼ収入がある程度確定してしまっているためどうしようもない。

せいぜい確定申告で控除額を増やし、わずかばかり階層を下げる努力をすることくらいしかできなかった。また、41点以上を得るためには、兄弟がいたり、両親のどちらかが保育士だったり、単身赴任をしていたりなどが必要だが、条件を満たせそうなものはなかった。1歳児4月時点で待機児童になってしまうと我が家的にアウトという家庭内デッドがあったため、1歳児4月まで保育園に預けない、という選択肢を諦めた。子どもを育てる基盤が先に崩壊しては元の木阿弥だ。

0歳児に絞った場合、待機児童になる可能性はそこまで高くはないものの、加点なしで行きたいところだけに申し込むと全滅する可能性は普通にあった。認可外に預けて加点を稼ぎ、4月入園に臨めば第3希望までにはほぼ確実に入れるだろう、という算段になった。

・戦略パターンの洗い出し

最終的に可決された基本方針は以下の通りである。

スライド1

①の予約制度は確率的には0に等しかったが、出さないのも勿体無いため出すことにした。ここについては結果を待たずして③の認可外園探しと申込を実行、時が来れば②を申し込み。③の認可外加点条件を満たすためには2019年12月1日時点で入園&育休終了をしている必要があり、11月までに見つからなかった場合は自動的に④。(1−3月頭は人口の移動が少ないため、②が空く可能性は皆無)。④で申し込む場合は、さらに安全圏に近づけるため申込園を守りの姿勢に変更、具体的にいうと小規模園、定員が比較的多い園、昨年定員割れをしている園などを含める、という結論で落ち着いた。

・希望園を決めるまで

戦略は決まった。なので後は実行あるのみ。

まずは認可、認証、認可外、無認可問わず、品川区全保育園をスプレッドシートにまとめ、我が家の情報を書き加えてソートをかけられるようにした。認可、認証の一覧はPDFでしか公開されておらず、手入力になってしまった。OCR(画像内からテキストを抽出してくれるツール)を使って見たもののあまりうまくいかず、逆に面倒になり手入力してしまったが、結構骨が折れた。とはいえ一覧化するとその後の指数などの計算や絞り込みが非常に楽になり、書き込みも自由、どこからでもアクセスできるので作ってからはとても管理が楽だった。

保活スプシキャプチャ

認可外保育園は、区のページにも載っていない園が多数あるためここはひたすらに情報収集と問い合わせ、実際に足を運んでみるしかなかった。園によって特色も受付方法も様々で、非常に興味深かった。一方で今年度末で閉園する園などもあり、品川区の保育環境が良くなっているからこそ、認可外がその役目を終えているフェーズに入っていたことも知った。

実際、どこの認可外保育園へ見学や、申込に行っても、年度途中入園をお受けできる可能性は低い、との回答をいただいた。見学に行ったのが、春をすぎていたため、どこも満員でなかなか空く見込みがないとのこと。昨年認可に入れなかった方や、早生まれで4月入園に申し込めなかった方などで0歳児枠は埋まっていた。認可外の0歳児クラスは、今年0歳児枠な人(来年4月は1歳児枠)+来年0歳児の枠で申込をする人のどちらも該当するため、実質2学年分が含まれる。見学の際に見かけた子どもたちの体格差がすごかった。

認可外の方に全リソースを割いていたため、認可保育園の見学などについては最低限に留まった。認可は結局どんなに素敵な園でも指数で決まるため、自分の中での期待値をあげすぎてしまうと、入れなかった時に比較して辛い思いをするんだろうな、という精神な理由でなかなか腰が上がらなかった、が本音だ。

戦略は決まっているものの、状況的には④まで持ち越す可能性が高かった。

居住地区周辺は、2019年度4月0歳児入園はフルタイム加点なしの40点がほとんどの園の最低指数となっているが、候補園に対し我が家が安全圏に入るための指数&階層加算を行うと、6割落選2割ボーダー2割当選、という試算になった。かなりキツイ状況だ。居住地区以外で通勤ルートに入っている園を含めても状況は変わらなかった。

見学や試算を経て最終的に認可を本命(挑戦枠)・本命(見込有枠)・準本命・すべり止め・除外の5つに分け、

攻めの申込:本命(挑戦枠)・本命(見込有枠)・準本命

守りの申込:本命(挑戦枠のうち1つのみ)・本命(見込有枠)・準本命・すべり止め+認証保育園、認可外保育園の4月入園申込

という区分で挑むことになった。このあたりもスプレッドシートに記載すればフィルタかけられるので管理が楽だった。

事前準備編としてはここで終了。

結果編に移るわけだが、個人的にどの家庭にも言える、事前準備としてやっておいた方が良いこととして、以下を記しておく。

・確定申告(医療費控除):フルタイム加点なしの40点がボリュームゾーンになるため、この中での争いは非常にシビア。100円の差で命運が決まることもあるため、少しでも階層を下げるために絶対やっておいた方が良い。保活関わらず毎年やっているのに毎年書き方を忘れる。少額でもお金返ってくると嬉しい。

・家庭内での価値観の擦り合わせ:両親自身の養育環境でかなり価値観も違うし、保育園の見るポイント、評価ポイントが違うなと感じた。(特に父親側を)ちゃんと巻き込んでいかないと、興味を失い、ろくに手伝わず、母親側に裁量権を渡すという名目で、丸投げルートが開通してしまうリスク有り。裁量権を持った側に完全服従するパートナーだったり、そもそもワンオペになることが事前に決まっていたりするケースも家庭によってはあるだろうが、1%でも分担する方針なご家庭はやっておいた方が良いと感じた。(これに限った話ではないけれど、ちゃんと話を聞いてもらえる状況作りも大事だった。テレビ見てたり、スマホタイムだったり、ジャブなしで話し出すと中々うまくいかない。)


保活に限らず、大抵のことに言えるけども、事前準備が一番疲れる。でも一番力を入れないとならないことなのだ。

結果編へ続く




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