みんなロンリーBOYS & GIRLS

つんく♂氏の尊敬するところをあげるとキリがないのだけど、その一つに身近な生活感が漂う表現から壮大なテーマに飛躍していくミクロとマクロを行き来する歌詞の世界観の凄さというのがある。

「ここにいるぜぇ!」という曲の冒頭では

「『何がしたい?』と聞くけれど、話せばビックリするじゃん」という日常にありふれているようなフレーズで始まり、一方サビでは「歌は国境を越えて どこまでも続くよ」と壮大で勇敢な歌詞が繰り出される。


そしてこの曲の最大の肝はラストにある。

「WOW WOW WOW みんなロンリーBOYS & GIRLS」

手を左右に振りながらモーニング娘。のメンバーが元気にユニゾンするパートなのだが、
このワンフレーズの深さははかり知れない。

けれども、20年間考え続けたこの歌詞の意味を、最近やっとわかったような気がした。

「人は覚悟で信頼され、弱みで愛される」

数日前にこんな言葉をSNS見かけ、自己の経験と重ねてスッと腑に落ちることがあった。

”覚悟”というと何かを背負ったり「よし、するぞ!」と力むイメージが浮かぶけれども、
実はある種の”諦め”の感情もあり、
その諦めとは、どう頑張っても自分以外の何者かになることはできないという意味で、

つまり何があっても「自分らしくしか生きられない!」という事実を受け入れ認めることに"覚悟"と同じ効果があるとのではと。

自分の話になってしまうんですが、
学生時代の私は何かと完璧主義で、勉強も習い事も目標達成のために自分が決めた目標をやりきることを徹底してきた。
でもそうするとやり切ることができない自分に対して、「自分はダメなんだ」と自信が持てなかったり孤独を感じる期間があって。

でも、ある時から人が変わったように超絶開き直るんですね。
それは、高校1年生の5月の出来事。
道内一の進学高に入学した私は、実力テストで320人中318位の成績をとるんです。
今まで何もかも一番だった自分の人生最初の挫折な訳なのですが(笑)
理由は明確にわかってて、中学までは教科書に載っている内容や授業の内容を真面目に全部覚えていたからテストで点数が良かったわけで、私はそもそも地頭はそんなに良くなくて。

そこからの私は部活と音楽に高校生活を捧げるぞ!とシフトしたわけなのですが、

「もう自分は自分でしか生きられない。だから、自分という存在を世の中に活かしてもらい、多くの人に喜んでもらう生き方をしよう」と覚悟を決めたときにはじめて、無理をしなくとも、きちんと人のためになれると実感することができたのかなと。

覚悟を決めた生き方になってると、いいところも、できていないところも含めて「この人はこういう人間なんだ」とわかってもらうことができて、人間性への理解が深まったとき、人は信頼される。(それは私自身というより周りの人を見て思っていたことかな。)

そしてもう一つ、
人は”弱み”で愛される

これについても実感することがあって
私自身、前述の通り「もっと完璧な人間になりたい、極力だれにも迷惑かけずに自立したい」と長い間思っていたわけなのですが、

だけれども一方で、ダサさや弱さを曝け出した女の子たちが(主にハロプロのアイドル)ありのままでいる姿に画面越しでありながらもものすごい憧れを抱く自分もいたんですね。

ー得意なことよりも 好きなことが良い
その場の勝利よりも 本当にすごくなろう
(モーニング娘。「愛あらばIT'S ALL ALRIGHT」より)

人は完璧ではなく、得意なこともあれば苦手なこともある。歌やダンスが完璧なメンバーだけが集まっても面白くないし、欠点を持ったメンバーこそ爆発的な人気を誇ることだってある。

そんな彼女たちに共通していえるのは
完璧ではない自らをオープンにしていること。
そうすると、本当の意味での自分を他人にも自分にも受け入れてもらえる道筋ができ、

「自分はこういう人間なんだ」と“ありのままの自分”を受け入れてから本当の意味で、自分にとってかけがえのない人との繋がりができるのかもしれない。
自分の弱みが、誰かの役に立つ余白へと繋がるから愛される、カッコつけていうとそんなことだろうか。(笑)

私自身、自分以外の誰かのために何かをしてあげたいという気持ちが強くあるタイプで、その余白を愛してしまうクセがありますね。
その精神性は

ー 愛しい人が 正直でした
全てを受け止めようと 感じました
(モーニング娘。「ザ☆ピ〜ス!」)


から影響受けてて、

・好きな人が優しかった✌️
・大事な人がわかってくれた✌️
・道行く人が親切だった✌️
・愛しい人が正直でした✌️

この四点盛りは墓に彫りたいくらい心のギャルが大事にしてますね卍

冒頭の話に戻ると、

「WOW WOW WOW みんなロンリーBOYS & GIRLS」

つまりは自分との向き合いはいつだって孤独で不完全だけれども、自分だけでなく皆がそうであり自然と互いにその欠点を補い合っているのだと。
そしてその集合体のパワーは偉大なるもの。

本当に、何年経ってもつんく♂氏に人生を教えられる日々ですね。。。

そんな日々を今を生きている以上
「ここにいるぜぇ!」と現在地をしっかり刻んで拳を高くあげて生きていきたいですね。


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