布教コーナー~みんなもっとはがきを送れ~

はがきを出そう


 旅行先よりはがきを出す趣味がある。というのを、とある集まりの飲み会に無理やり乗り込んだ際に話したところ存外に好評で、思ったよりみんなそういう選択肢を取ることがが無いのだと思った。
 それより一年ほど前に友人と旅行に行った際もはがきを出していて感心され、真似すると言われて嬉しかった。郵便はみんな常に利用しているのに、言われてみればそうであるというものなのかもしれない。

はがきを出すには

 以下簡単に説明。手順は四つ。

①切手とボールペンを持ち物に入れる 

②はがき・ポストカードを購入する

③宛名・内容を記載する

④ポストに投函する

 観光地には大概はがき、あるいはポストカードが販売されている。
 景勝地や城であればお土産物屋に100円~200円くらい、美術館・博物館・水族館などであれば物販コーナーに200円~300円が相場だろうか。
 その中で気に入ったものを購入し、表書きの上半分(横向きならば右半分)に送付先の住所を記入し、下半分(横向きならば左半分)に文章を記入する(日付と天気も記載することをおすすめする)。このとき、文面が全体の半分を越えそうな場合は、宛名との間に線を引く。料金分の切手を貼り、手近なポストに投函する。以上。

 ただこれだけで、誰かへのお土産が完成する。私は実家に送付しているが、もちろん自分へのお土産でも良い。自分宛ての手紙もそれはそれで、帰宅してから数日後に届いて余韻を味わえたりする。

 はがきは、送ったものが写真などであればどこに行ったのかが伝わりやすいし、受取り手のために時間を使って記載された手書きの文章はなんだか心がこもっているように感じる。
 あと実家に帰るタイミングが計れない場合、食べ物だと腐るけれどはがきは腐らないし、即投函のためタイムリーである。かさばらないから保管も容易だ。

 また、観光地であればあるほどそこら中に売っている。寺社仏閣でも売っていることがある。大概好きな絵柄を選ぶことができる。美術館なら印象に残った絵でも選ぶといい。
 モノによっては場所や作品の説明までついている。そして上述した通り安い。はがきの切手代は、値上げしたとは言え85円だ。鉄道やら新幹線やらを乗り継いでいくような場所からの送付料金が85円一律で可能となる。宅配便だと料金に差が出るような地域からでも一律である。
 めちゃくちゃ簡単で安上がりなのだ。

 仮にまったくはがきが無いような地域に行ったとして、スマホで写真を撮っていて、コンビニを見つければ方法はある。プリンターでの印刷だ。コンビニのプリンターにははがきがセットされているので、専用のアプリに写真を読み込ませて指示通りに操作すれば印刷ができる。60円程度だ。ネットプリントだと多少値段が上がると記憶している。
 市販のはがきよりも安っぽい印刷にはなるが、自分で撮った写真というところにはまた別の価値が生まれるともいえる。

 以上より、総じてコスパが良い趣味であるといえる。

はがきを出すハードル

 ハードルはある。少なくとも二つは考えられる。

 まず切手の用意。
 切手シートを買うといい。郵便局で85円切手が10枚1シートで売っている。時期によってかわいいイラストや写真のものがあるから、好みのものを買おう。
 ただ、初心者が使うか分からない切手シートに850円出すことはそこそこ難しいと知っている。
 だが買え。
 シールになっているので、切手の糊部分を舐めることはしなくていい。貼るだけだ。ボールペンと一緒に常に持ち歩こう。長財布を使っているならそこに忍ばせてもよい。

 切手を現地で調達することは正直難しい。窓口営業中の郵便局を見つけるか切手を取り扱うコンビニを見つけるしかない。どちらも観光しながら探すには億劫だろう。事前に郵便局に行くのが確実だ。余っても切手は腐らない。郵便料金が変わったとしても、差額の切手を貼れば使うことが出来る。なんなら旅行中に複数枚送ったっていいのだ。旅行ってのは、だいたいいくつかの場所を回るものなのだから。たくさん送ろう。

 二つ目、文章を即興で書くこと。

 書けとしか言いようがない。
 好きに書きたいものを書けばよい。私はそういった文章を一発で書くことに困らない人間なので、書けない人間のことはわからない。しかし、私が何を書いているかくらいは言えるため、参考にするといい。

 いつ、どこで、誰と、何をした。

 これを書くだけだ。国語の授業以来に目にする記載かもしれない。どう感じた、も記載してもよい。むしろその方が喜ばれる可能性はある。一日何をしたかを時系列順に書くだけで、じゅうぶんだろう。寺とかに行くと何をしたの部分が乏しくなるので、食べたものの記述が多くなったりする。でも現地の食事も旅行の醍醐味だから書くといい。

 もう一つだけ言えることがある。別に大して書かなくてもいい。ポストカードは書かなくても十分だ。なぜなら写真があるから。
 私は個人的な信条として絵柄印刷面には何も記載しないが、それは「もしかしたら受取り手が写真立てに入れたりして飾るかも」と考えるからだ。飾られるときに自分の字が晒されることは耐えられない。あと単純に、写真に文字が入ることは許容できない。そのため表面にだらだらと文字を連ねる。
 が、別に何を書くも書かないも自由だ。表面は宛名などを大きく書けばよい。そして表面あるいは裏面に、「楽しかったよ」などと一言書けばよい。自分が無理なく楽しくやれる方法で送ればよい。

 というわけで、みんな軽率にはがきを出そう。

はがきで好き作家を応援しよう

 ところで、最も触れている可能性が高いはがきと言えば、年賀状ではなかろうか。これを書いている時期は11月末のため、私はそろそろ年賀状の送り先について考えようと思っている。

 私は毎年好きな作家に年賀状を送る(そして編集部に圧をかける)ことを趣味としている。
 手紙を書こうと思うと肩肘を張ってしまうが、年賀状であれば「あけましておめでとうございます」「先生の●●という作品の△△が大好きです」「今後も作品を楽しみに応援させていただきます」「まだまだ寒さが続くため、健康にお気を付けください」あたりを記載すれば十分である。

 年賀はがき自体も豊富に販売している。創作者である作家に、あまりにもキャラクター性の強いもの(版権を感じさせるもの)を送らないように、というのが私の信条だが、年賀はがきであればそれでもなお選択肢が多くそろえられている。

 お年玉付き年賀はがきを送ってもよいが、郵便局では年賀切手も発売しているため、好きなはがきを選ぶと良い。美術館にいくとモダンでかっこいいデザインのものが売っていたりする。仮に普通のはがきに普通の切手を貼ったとしても、切手の下に赤ペンで「年賀」と記載すれば、年賀はがきあつかいとなるので心配はない。

 詳細は郵便局のHPを確認するとより安心。

https://print.shop.post.japanpost.jp/nenga/feature/article_17/

 手紙が一番連載継続に効くと聞いたのはかなり昔だが、電子が進む今こそ、わざわざ送られた紙一枚に価値があるのではなかろうか。君も編集部に圧をかけよう。
 作家が手紙を喜ぶか喜ばないかはわからないが、少なくとも編集部に熱量のあるファンの存在を知らしめることはできる。手紙が嫌な作家でも、はがきの処分は簡単なものだからこちらは気にしなくてよい(もちろん作家自身が要らないと公言しているのであれば、その限りではない)。
 送り先は、単行本の奥付などの住所に「〇〇先生宛」などを書き加えればよい。サイトやアプリで連載している場合は、どこかに宛先が記載されていることもある。がんばって探そう。

 ひとつ注意点として、返事は期待せず、あくまで自己満足で送ることを薦める。
 また、仮に返事が来てもむやみにSNSに出すことは控えた方が良いと考える。大好きな作家の負担になってはいけないからという個人的な考えなので、最終的には個人の自由だが。

 今のところ旅行に行く予定は無いというあなたは、誰かに一枚年賀状を送ることから始めてはいかがだろうか。





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