寒くなくて拍子抜けの2020ニューヨークの冬

ほぼ独り言のようなものだが、寒くない冬がこんなに嬉しくないとは。2020の冬、ニューヨークはいわゆる暖冬だった。

一昨年のクリスマスの頃、初めてのニューヨークの冬を越すために、カナダグースを手に入れた。夫に誕生日とクリスマスとあらゆるプレゼントをまとめてせがみ、カナダグースをプレゼントしてもらった。ニューヨークで流行っている?らしく、お店は行列を並ばないと入れない、そして彼らはセールをしない、でも売れる。北極探検隊のコートも、このカナダグースが手がけていることからも分かるように、厳しい冬を乗り越えるのに適した、強力なコートのメーカーだ。スタイリッシュなデザインもある。そしてお値段なんとおよそ10万円...私の中では最高の値段のコートである。

でもこのコートのおかげで、去年2019年の冬は、出かけるのが楽しかった。楽しいというか...すごく防寒性に優れていて、マイナス10度近い世界でも、外に出られることがうれしかった。コートに包まれた身体は寒くないことが嬉しくて(出ている手と顔の一部だけは寒い)、買い物もうきうきして歩いて出かけた。遠いけど家からセントラルパークを縦断するようにしてMET、メトロポリタン美術館まで1時間弱かけて、週一で歩いたりした。多少の雪は防水するし、とにかく最強のコートを毎日まとって、寒い冬を越すことが、去年の楽しみだった。

しかし今年は..東京の冬のような気温だ。最低気温、いや、最高気温が氷点下を下回る日なんて数えるほどしかなかったのではないか。最低気温が2,3℃というのは、去年の寒さを知っているとだいぶ楽に、あたたかく感じる。去年は3月がこんなではなかったっけ、というイメージの1,2月だった。

植物もこのあたたかさで反応している。去年は、3月の半ばか、終わりになる頃に、まだ街の風景は冬で寒さも感じるころに、街路樹の植わっている土や、METに向かうセントラルパークの土から、球根から緑が見えた時に、長い冬からやっと春の兆しが見えたと嬉しかったのだが。今年はそんな球根の緑すら、1月から見かけた時には、がっかり。

カナダグースは、去年は1〜3月毎日着ていたようなものの、今年はあったかいのに無理して着用したのも合わせて30回も着なかったかも...それ以外は日本で買った薄めのダウンを着てちょうどよかったかな(これでは去年の1,2月は出かけられなかったのに)。厳しい寒さを期待している自分がいた。

多分こんなに悔しいのは意を決して買ってもらったカナダグースがそれほど活躍できなかったから。じゃないか。

年明けてからは雪など降る気配もなかった。



もう3月になり、最高気温がほぼ毎日のように10℃を上回っている。8日からDay light saving(サマータイム)が始まり日の入りが遅くなり、今週なんかはすっかりあったかい、早い春が来たようだ。これは3/9のiphoneの天気表示、うそでしょう。5月のようじゃないか。
寒くない冬に、いきなり春がきて、ニューヨークの冬を越した感じがせず、拍子抜けしている。

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このあたたかさを、もう受け入れて、コートを脱ぎ捨てて出かけよう。

さてどこにお出かけしよう

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