見出し画像

オール・イン

家の近所にディスペンサリーがあるので行ってみた。「マネージャーはいる?」カウンターの後ろに座っていた男性に声をかける。「ボクだけど、なにか?」「この店で働きたいんだ。人を募集していないのはわかっているけど、よかったらインターンとして雇ってくれないかな」単刀直入に尋ねてみる。

感染予防パネル越しの男はキョトンとして聞き返してきた。「インターンって、タダで働くってこと?」「その通り」気の良さそうな若者は、「素晴しい心がけだけど、そういうことは本社の人事部が決めるんだ」と、ビジネスカードを渡してきた。「このサイトをチェックしてごらん、求人情報は全部ここに掲載されているから」(ちぇっ、そんなことはわかっているんだよ。)礼を言い、少し小話をしてから店を出る。

医療大麻を扱うディスペンサリーはクィーンズに3軒、マンハッタンに4軒、ブルックリンに3軒ある(ブロンクスとスタッテン・アイランドにもあるが遠くて通えない)。たまに求人広告を見かけるが、コンサルタントの仕事は競争率が高い。応募者が100人いたりする。何度か履歴書を送ったが返事もこない。

NY州知事は嗜好大麻も合法にすると公言している。連邦法も改正されるだろう。その前にどうしても経験を積んでおきたい。とにかくいろんな角度からこの業界に関わりたいんだ。こうなったら他の店も全部回って、雇われるまで何度でも訪ねてやる。

ちなみに嗜好大麻が合法の州では、コンサルタントのことをバーテンダーにかけて「BUDTENDER」と呼ぶ。当座の目標は一流のバッズテンダーになることだが、いずれは「MARIJUANERY」を経営したいと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?