生放送における空気の読めないコメント

SNSや個人による生放送が大きく普及した昨今、多くの人が空気の読めないコメントに遭遇したことがあるのではないだろうか。そもそも空気の読めないコメントとはどのようなコメントなのか。長年生放送をやっている私が思いつく限り書いてみます。

1.自分語りコメント

これは自分語りの全てが悪いわけではない。会話の中である程度の経験談を交える事などは何ら問題ではない。大事なのは程度、タイミングである。悪い例を挙げるならば、唐突に誰も聞いていない身の上話を始め、その話を延々とコメントしてしまうパターン。こうなってしまえば配信者とその視聴者以外割って入ることさえ出来ず、コメント欄はその空気の読めない視聴者のツイッター状態。多くの配信者は無視するわけにもいかず、このタイプの視聴者に悪意がない場合がほとんどで対処に困る。かといってこれを放置しようものなら他のリスナーは離れていくばかりだ。多くの配信で無関係な話題を禁止しているのはこの対策であると言えよう。

2.過度なアドバイス

ゲームプレイにおいて配信者が躓いたり、謎解きに苦労している様はゲーム実況の醍醐味だろう。長時間躓いていれば、あるいは配信者が求めればアドバイスのコメントも何ら問題はないと思う。私の言う過度なアドバイスとはすぐさま攻略情報をコメントする人達の事だ。現地に着くなり、あれをあぁしてこれはこう、次はこうだよというコメントを平気でする人達が実際に存在するのだ。酷い場合配信者がスルーしようものならそのコメントを連投したり、キレだす人もいる。もはや荒らしである。ちなみに指示厨の言いなりになっている配信者の状態をラジコンと呼ぶ。的確な表現だと思う。

3.急に饒舌

自分の好きなジャンルの話になると延々とコメントし始める人。もちろん好きな話題に食いつくのはごく自然な事だ。しかし過度なコメントは1の自分語りと同様放送の空気を大きく乱す。配信者も他の視聴者もドン引きだ。気持ちを押さえて少し冷静になって頂きたい。これは現実においても相手に距離を取られる原因になり得る。

4.何でも否定する

予め断っておくが、全肯定を望んでいるわけではない。ここでいう否定とは事あるごとに「でも~だよ」だとか、あれ面白かったと言えば「つまらない最悪」と言い出したり、楽しくやっている実況ゲームをクソゲー呼ばわりするコメントだ。どのような感想を持とうが個人の自由だが、誰かが楽しんでいる横でつまらないとわざわざ口にするほど野暮な行為があるだろうか。テーマパークを楽しんでいる人達の前で「あーつまらない!最悪だ!」と叫んでいるようなものだ。少なくとも皆の目に付くコメントでする行為ではない。

5.余計なお世話

「今日は視聴者が多いね。有名なゲームだからかな?」「最近リアクションがわざとらしいと思う。声良いんだからもっと自然にした方が人気出ると思う」「見ない間にフォロワー増えたね。前は全然いなかったのに」悪気もなければ、悪意も感じない些細なコメントだ。しかし一部の配信者はこれらのコメントを快くは思わないだろう。余計なお世話なのである。当の配信者達は視聴者が思っている以上に色々と考え、悩んだ上で活動している。相手を想ってのコメントなのかもしれないが、デリカシーが足りていない。

6.配信の流れを平気でぶった切る。私物化する

コメント欄が草で溢れようものなら「見てなかった。何があった?」と毎回聞く人。放送に遅れてきて「何か面白い事あった?」と聞く人。コメント欄で自分の悩みを視聴者に向けて書き込む人。他人の配信のコメント欄を私物化しチャットルームのように扱う人。これは多くの配信で嫌われます。放送がこのような状態になってしまえば配信者はもはや空気である。こうなると一部の視聴者だけが集まる身内配信のような状態である。

7.伝書鳩、配信の宣伝

ドッキリ企画等をしているとそれをみた視聴者がドッキリ相手の放送に「~さんが驚かそうと~しているよ」とコメントするような行為を伝書鳩(ハト)という。企画潰しも良い所である。またわざわざ配信を始めることをコメントで報告する人や、他の配信者が放送をやってるよと報告をするコメントもマナー違反である。

まとめ

全てのタイプに言えることだが、空気の読めないコメントを投稿する人達は自分本位なのだ。放送が自分だけのものではないという意識が希薄で、自らの振舞いが放送の私物化に当たる事に気付いてすらいない。空気の読めない人達は配信者の話を聞きたいというよりも、自分の話、考えを訴えたいという気持ちの方が強い。それゆえに配信者からすると、このような自己主張の強いコメントばかり返されると自分の話を膨らませることが出来ず、邪魔に感じてしまう。本当に良いコメントとは配信者の話が膨らむコメントや、放送が盛り上がる面白いコメントである。空気の読めないコメントは荒らしと違い、対策が難しい。荒らしであればさっさとブロックすればいいだけだが、空気が読めない視聴者には悪意がないため躊躇ってしまうのだ。正直な所そのような視聴者が放送に存在するだけでコメント欄の質や量、方向性は大いに変わってくる。対策方法はさまざまだが私は直接注意し、改善しなければブロックをおすすめする。その空気の読めない視聴者1人の為に何人ものリスナーが去っている現実を理解すべきだ。




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