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2020年ベストバイ・プラモ

5位 ルーデンス(コトブキヤ)

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コジプロのマスコットキャラクターを美少女化したキット。題されていませんが互換性があり実質的にFAガールです。

デザインはコジプロのデザイナーでありFAガールでもお馴染みの新川洋司が直々に担当。

複数の成型色を使い分けて緻密に描写されたチューブ周りが見どころ。リアリティを出すならここはメタリック系の塗料で塗装するのがモデラーとしては正解なのでしょうが、単色で良さげなところをきっちり色分けした企業努力を無塗装で味わうのもオツなものです。

FAガールといえば全体的な露出度の高さから敬遠されることもありますが、このルーデンスの場合、アーマー着脱でそれぞれパーツが用意されているので、自分好みの服装で楽しむことが出来ます。互換性を活かして手持ちのFAガールにアーマーを着せてみると、新しい魅力を発見できるかも。

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元のルーデンスをベースとしたスカルマスクが付いているのもウリの一つ。もちろんこれも着脱が出来るので、覆面美少女が好きな人もそうでない人も満足な仕様です。

分割が甘くラインが目立ったりアーマーの着脱がめんどくさかったりとやや上級者向けのキットですが、その分遊び応えも満点。来年はブラックバージョンのカラバリキットやルーデンスに対応しているデスストのバイクキットも出る予定なので、自分好みのルーデンスちゃんを追及してみてください。

4位  HMMアイアンコングイエティ(コトブキヤ)

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HMMアイアンコングのリデコキットとなります。

通常のアイアンコングからは成形色の変更の他、背中の巨大な武装が付属している。

初めて巨大HMMを作成したのですが、めちゃくちゃ楽しかった!

箱が超巨大で暴力的な重さで中のランナーも暴力的な量と存在自体が暴力なキットなのですが、組み上げたときの圧倒的迫力と存在感は本当に感動した。

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すごいデカいから可動はお察しなんでしょ?というイメージとは程遠く、ちゃんと二足歩行にできてドラミングも違和感なくできるし上半身の胸部装甲の可動もグリグリ出来て可動性能はめちゃくちゃ高い

ミサイルポッドなどのいろいろなところがパカパカ開くのも面白い。いろんなところが開くとみんな嬉しいよね。

デカールもどっさり入っていますが、ここに貼れという指示は特になく「お前の好きにやれ」というスタンス。一応、タカラトミー版を参考にして貼ってみましたが、何も貼らずにつや消しで仕上げても十分すぎるほどカッコよくなると思います。

ベースが結構昔のキットなので組むのは骨が折れますが、かけた苦労にしっかり応えてくれる良いキットです。ちょうど寒い時期ですし、一年の総仕上げに是非チャレンジしてみては如何でしょうか。

3位 PLAIOBOTグレンラガン(千値練)

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同社の合金玩具・RIOBOTをプラモデル化したキット。

超カッコいいけどお値段お高めなRIOBOTをリーズナブルに入手できる夢のようなプラモデル

RIOBOTのプラキット版といえばモデロイドのマジンカイザーが有名ですが、このキットもモデロイドマジンカイザーに似た感触があります。

サイズは大きめのHGガンプラくらい。小さいけれど外連味あるポージングが可能で、ブンドドしていて非常に楽しいです。

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本体の大半を占める赤と黒の成型色は箱から開けた瞬間微妙だな……と思ったのですが、クリアコートで艶を出してあげたら色気と重みある色に大化けして嬉しかったです。こういう「何もしないとオモチャ感全開だけど表面の質感を変えるだけでガラッと表情が変わる」のは成型色仕上げの醍醐味でしょう。

プラモ初参入だけあって勘合の甘さなども目立ち、大半がABSの上金色を補うシールがかなり多いため塗装派にとってはやさしくないのが難点。塗装するならサーフェイサーやシタデルカラーあるいはファレホは必須でしょう。

でも、適当にザクザク組み立てただけでもお釣りがくるくらいカッコいい。2弾となるラゼンガンもとても楽しみです。

2位 RGエヴァンゲリオン初号機(バンダイスピリッツ)

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リアルグレード初となるガンダム以外の作品からのキットが登場。

基本HGサイズだったリアルグレードですが、エヴァはかなりデカくMGに匹敵する大きさです。その上パーツが超絶細かいので組み立てに時間がかかることこの上ないのですが、その代わり偏執的ともいえる「絶対色分けシールを貼らせない」気概がものすごく、説明書に従って組み立てるだけで肩のマークとか膝のグリーンとかがなんか出来てるのは本当に衝撃だった。

RGエヴァシリーズの最大のハイライトはなんといっても胴体部分。何層にも分けられた背骨の組み立てはガンプラとは違った新鮮さと味わいがあって、とにかく楽しい。

あと、初号機で一番脳がバグったのは角の緑のシマシマがなんかランナーのまま付いているところで、改めてバンダイの技術力を実感させられる。

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可動は正直言ってかなりクセのあるほうだが、慣れればパレットライフルを撃たせたりクラウチングスタートさせたりできる可動性能を秘めている。リード線を用いたアンビリカブルケーブルを付ければ、スタンドなしでも容易に自立できる。ちなみに、ケーブルは別売りのカスタマイズシーンベースにも対応しているので、ベースに付けて電源ビルごっこも楽しいぞ。

股関節がプラプラしやすいところや腕の装甲連動ギミックがあまり活きていないところ、水転写デカールがないところが難点だが、それらを差し引いても、エヴァ好きなら是非入手しておきたいキット。

1位 HMMワイルドライガー(コトブキヤ)

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待ちに待ったHMMゾイド完全新作は、従来のHMMより格段に組み立てやすく、タカラトミー版を最大限にリスペクトした「プラモのプラモ」。

HMMはタカラトミー版ゾイドを大人向けにアレンジした無動力キットで、ガンプラにおけるMGに近い。

その特性上「プラモデルをプラモデル化したもの」といえるのだが、元ネタのタカラトミー版の方が入手しづらい従来のHMMと違って、店頭で容易に元ネタを買える状況にある中でのリリースとなった。

なので、タカラトミー版を組んでからHMMを組むと「ここはこう解釈したのか!」とか「逆にここは元ネタを最大限遵守しているんだなあ」というような感動が容易に味わえるだろう。

タカラトミー版はパーツがランナーから切り出された状態で袋に入っていて、「組み立て」ではなく「復元」と称されている。

HMM版はさすがにランナーから切り出す必要があるが、インストではタカラトミー版同様もっぱら復元という言葉が使われている。細かいことだが、こういうところまでリスペクトしてくれたのがとても嬉しかった。

また、本体各所には3mm穴が空いているのだが、ここに付属のジョイントを差し込むことでタカラトミー版ワイルドライガーと同じ見た目となり、MSGや武器セットを付けられるのもイキなところ。

流石にタカラトミー版までとはいかないが、勘合がピッタリでHMM名物の面倒な足の組み立てもやりやすくなっており、非常に組みやすいキットに仕上がっているのでHMM初心者にもオススメできます。

アラシのパイロットフィギュアが緻密に塗装されているのも素晴らしい。

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タカラトミー版と同じく1/35スケールなのでもちろん一緒に並べられるほか、同スケールのミリタリーモデルとの相性は抜群。特に1/35スケールのフィギュアと並べてみると格段に迫力が出るので、是非試してみて欲しいです。

難点としては、エッジがあまりに鋭すぎて取り扱いに細心の注意を払わなければならないところ。ただこれはタカラトミー版では対象年齢の都合で出来なかったディテールやシャープさを実現し、攻撃的な見た目を演出している意図があるので良点でもある。

それ以外はほぼ気になるところもなく、万人に手に取って組んでもらいたい今年ベストのキットだと思います。


というわけで、今年のプラモベスト5でした。

あれほどガンプラを組んだのにガンプラが全然入ってないとは何事かと思ったが、惜しくも選外になったRGインパルスもMGゼロカスもHGバウンドドックも素晴らしいキットだからみんな組んで欲しい。

来年はヘキサギアのウィアードテイルズとメガミデバイスエヴァ、ラゼンガン、MGヴァーチェ、そしてワンダーウーマンが楽しみですね。

この記事が皆様の「次に何を作ろうか?」という思索の一助となれば幸いです。

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