VHLS解説-1_サムネ

結局VHLSってどうなの

吾輩は絶滅危惧種VHLSerである

いきなりふざけたタイトルでどうしたNyanyanと思われたかもしれませんが今回はこんな変なテンションで書いていこうと思います。

記事のアイキャッチ画像はVHLSの解説動画集のサムネイルですのでこの記事にvol.2があるかは知りません。

VHLSとは、F2L#4がIT化された状態からスロットインするときについでにEOを処理してしまおう(出くわすOLLを十字が揃っている7種類だけにしてしまおう)というsubstepです。

プログラマの三大美徳に怠慢さというものがありましたね。もう少し具体的に話すと、最終的に楽をするためにはどんな初期的な努力も惜しまないということです(だと思っています)。ちなみに残りの2つの美徳は短期と傲慢です。

ん、待てよ、最終的に楽をするための初期的な努力がOLLなんじゃないのか、と書いていて思いました。全くそのとおりで、私はVHLSで初期的な努力を怠っていたのです。なんともプログラマにあるまじき行為!

でもこうやって記事を書いたり動画を作ったりして、後の人にとってVHLSという迷宮に迷い込むかどうかの判断材料となるものを書く努力を怠っていない、逆に言うと後の人の怠慢さを手助けしているという点でこの美徳を達成しているということにしてください。

さてさて、前置きはこんなところにして本題に入りますか。

VHLSに関しての記事公開後の意見

記事公開後の議論で、以下の2つの動画(特に後者)の意見を持ちました。

なぜVHLSerになったのか

いや、そりゃ、OLL57種類覚えるのが面倒だったからにほかなりません。こんなことを言うと多方面から批判されるとは思いますが、素直にそうなんです。スピードキューブの沼に片足を突っ込んでいた頃の私には美徳的でない怠慢の心がありました。初心者の誰もが持つ気持ちではないでしょうか?

「お、VHLS覚えればOLL7種類だけしか来ないじゃん!しかもVHLS32手順?らっくしょー」とか言いつつそれ以上に工夫(努力?)をして結局VHLSは実質7種類の手順を覚えて、あとはその応用で全パターン網羅できるようにしました。これこそ美徳としての怠慢ですね(?)

それからかれこれ1年半はVHLSと付き合ってきています。そろそろ結婚してもいいんじゃないかというくらい毎日のように出会っています。

VHLSの手順表と動画集とbot

手順表はこちら、

画像1

解説動画集はこちらをご覧ください。

最新手順をつぶやくVHLSbotもあります。

で、VHLSってどうなの

ここでやっと本題です。

結論から言うと、人によります。

私はVHLSからのOLLスキップ(実質VLS)で公式単発sub10できましたし、平均でも遅くはないタイムが出せていると思っています。

じゃあなんで「VHLSはいいぞー」って言わないかという話ですが、まあちょっと微妙なところもありまして…

ここからメリットとデメリット、そしてデメリットの個人的な解消法までを整理して書いていきますので、さーっとご覧ください!

その後に数字でのVHLSの評価、2Look OLLとの比較を書いて、最後にVHLSに向いている人について考察します

メリット

・OLL7種類しか覚えなくていいので楽

・OLL7種類しか来ないのでOLLの先読みが楽

・OLL7種類は比較的回しやすい

・OLLスキップの確率アップ

・VHLSのパターン判断が比較的簡単

・COLLやZBLLとの相性抜群!(私は一部のCOLLしか覚えていませんが)

デメリット

・OLLを覚えた時よりも手数が若干増える確率がまあまあ高い

・VHLSの判断とOLLの判断と両方やらなくてはいけないので判断時間でロスしやすい

・裏VHLS等が発達していないのでVHLSのための持ち替えが必要な場合がある

デメリットの個人的解消法

・手数が多い->tpsでカバー

・判断->VHLSも7種類のOLLも比較的先読みしやすいので先読みでカバー

・持ち替え->いや、あの、もともとF2Lがド下手なので持ち替えによる不利益は残念ながらあまりありません…ですがこれについては良い手順が考案されていないこともあり、VHLSの現時点での最大の弱点です。

さて、ここで少し余談ですが、これらのデメリットはそれぞれがかなり大きいもので、そのためにVHLSは批判されがちです。そのため私はVLSとWVLSを覚えることでOLLを100%スキップするようにしようかとも思っています。

OLLスキップの確率

OLLのみ: 0.46%

VHLS: 3.7%

この3.7%という値は、大会で5回試技をすれば17%くらいの確率でOLLスキップが1回以上来るということです。つまり、9ラウンド試技した場合1回以上OLLがスキップする確率は80%を超えます。

手数の期待値

私の使っている手順では、手数の期待値は以下の通りです。

画像2

tps=10とするとVHLSを使う場合とつかわない場合では約0.3秒の差ができます(もちろんVHLSを使うほうが遅い)。これはVHLS+EO処理済みOLLをほぼ無判断で回せる場合にかかる時間とOLLの判断時間+OLLを回す時間が大体同じくらいになります。様々な人のソルブを見るとOLLの判断は速い人でもそれなりの時間がかかっているように見えるため、この分析が妥当だと思います。

2Look OLLとの比較

2Look OLLとVHLSを比較します。

手数の期待値はF2L#4スロットイン時からOLL終了までで、

VHLS: 15.9

2Look OLL: 17.4

ということで、VHLSをつかった場合のほうが若干(1.4手ほど)手数が短くなります。しかし、2Look OLLであればAUFをすることで持ち替えなしで回せますが、VHLSでは持ち替えをしないといけない場面があります。

つまりVHLSに向いている人とは?

・OLLを意地でも覚えたくない

・大会で単発でも良い記録を残したい!(OLLスキップ)

・指が速い(手順を回すtps=10以上が目安)

・回しながらの先読みが得意(2x2のOrtegaで必要な力でもあると思っています)

・持ち替えがエレガント(この技能必要か?)

ということでこちら、VHLS適正チェックリストにもなり得ます。もしあなたが今VHLSをやろうか迷っていらっしゃるのであれば一度このチェックリストと向き合ってみてはいかがでしょう。

最後に

F2L-OLL-PLLという道が踏みならされた舗装道路であれば、VHLSという脇道はまだまだ獣道レベルの発達具合だと思います。まあどんな道を通ったとしてもワープはできないんで距離は一緒です(※道のりは一緒とは限りません)が、この際そんな迷宮にも思える道を進んでみるのもどうでしょうか。好奇心があってちょっと怠慢?な方はぜひ一度VHLSを試してみては?

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