映画『ブラックソウル』

ブラックソウル

【映画】
JERICO(原題)
2016年 アメリカ
アクション(?)/コメディ


全くあらすじを読まずにパッと見で面白そう!と思って観てみた!


最初から言っちゃうと想像してたよりは笑えて面白かった。冒頭はちょっとシリアスなのかな?って思ったけど勘違い!!

基本的には二人の黒人青年の話。コメディ。でもユーモアを交えながら面白おかしく展開しながらも内容的には、人種差別だったり人権問題のことだったりする。それらをきちんと伝えてる作品だと思う。友情が主。

ただし、サブタイトルにあるような大袈裟な感じでもないし、物凄く感動してダラダラ涙を流すっていう映画でもないです。
そこを期待しちゃうと残念に思うかも。

ただ、公民権っていう制度が出来て受け入れられない人たち(白人)と「差別はあってはならない!」と思っている人たち(黒人)の人間模様。移り変わり。とかのお話。なので公民権ってなんぞや?って思ってる人とか子供とか観れちゃうから外国(アメリカ)のことを知るにはいい内容だと思う。楽しく観れると思う。




で、ここからネタバレありますので読みたくない方はここまでにしておきましょう!!




謎の黒人の紳士、不自然なほどに綺麗な水色のアメ車(車種は分からん…)で展示会に現る。そして、ある写真を見つけウゥ…っと唸り出す。

そこに写っていたのは二人の黒人。

「我慢ができん!」と叫び出す。

「これは忍耐と希望の物語だ!!」
「ジェリコの物語だ!!」


ババーン!!
JERICO(原題)の幕開け。


時は1944年に遡る。

少年ジャービスの家のベッドの上でジェリコはいつものごとくラジオから流れてくる車屋のコマーシャルの声真似をして遊んで笑わす。

ジェリコもジャービス家族と一緒にディナーを囲もうとしてた矢先に突然ガラスが割れ、何かが投げつけられる。

それを手に取るジェリコ。

“うるさい黒人には死を”

外に出るとジャービス兄が木に吊るされてグッタリしているという衝撃シーン。崩れ落ちる家族たち。

皆んなが演技っぽい演技で衝撃シーンなのに実はあんまり内容が入ってこなかった…。


そしてそこから20年後にワープ。

ライブバーで公民権法のことや女の子の話で盛り上がる男4人組。その中にはジャービスとジェリコもいる。

ジェリコが目を付けたのは製紙工場の娘。
ちなみにその製紙工場はジャービスの仕事先。

その娘とダンスしてるシーンとか超笑えるし、ジェリコがその娘に糖蜜を体にかけてる妄想がヤバイ。爆笑。そこ一番笑った!


ジャービスが働いている製紙工場のボスは白人。でもかなり自分は評価されていると感じているジャービス。

公民権法が成立したその日、新しい管理者を決めるための面接をするとボスからジャービスに電話が。

ジェリコに工場まで車で送ってくれと頼む。
家に迎えに行くジェリコ。
ブルルルン。
すぐ車を止める。
ジャービスの家、向かいだったんかーい!!笑

少し進んでポンコツ車が完全に壊れた!!
その場に放置するジェリコ笑
なぜかポンコツ車の横でハーモニカ吹いてるジャービス。笑える。

歩いて行こうとなるが、このままでは管理者面接には間に合わない。

そこでジェリコが選んだのは、ある白人の金持ちの私有地を通ってショートカットする作戦。でもそいつらは迷い込んだ黒人を吊し上げて殺しちゃう残虐な奴ら。

見ると、奴らのトラックの荷台に積まれてたのは行方不明になっていた少年だった。
その子を逃し、自分たちも逃げる!!

黒人を逃してショックでクラッときた悪どいお母さん(いやお婆さん??)それを支える黒人の家政婦(と思っていたが実は違かった!!)。その時、家政婦らしき女の人が笑ってたからそれに私は驚いたんだけど…。同じ黒人が逃げられたことで万々歳したのか、ジェリコの背中の猫型に笑ってたのかそこは謎。

川泳いだり、ズボン破けたり笑
特に白塗りジェリコが一番の見どころ(?)
白塗りにしたらお目々クリクリでなんだか可愛い笑
それでなんとか脱出(?!)

面接には結局間に合わなかったけどジェリコの友情を感じ自分を納得させるジャービス。

終わったと思いきや、屋敷の敷地に落としてきてしまった社員証でジャービスの仕事先がバレて悪い奴らが工場まで追っかけてきた!

囲まれ殴られるジャービス。

ところが教会に集う黒人たちによって皆んなの命は守られ、悪い奴らは警察へ。

その時に、製紙工場でかつて働いていた優秀な人材がジャービスの父だったと初めて知ったボスはその場でジャービスを新管理者に任命した。

引退を考えていたボス。
ジャービスに車をあげると言ったが見せてくれた車はかつて兄が殺された時に使われた車と同じものだった!
ボスのまさかの色々な事実も判明して、結局車は綺麗なマスタングのほうを貰えることになり、さらに工場の格安売買契約書もゲットし、ジェリコは工場の娘と結ばれハッピーエンド♫

そ、し、て、冒頭に出てきた黒人紳士はなんと!!!
あの時の〇〇だった!!

観てくだされ♫
(言わんのかーーい!!)



この映画はいわゆるB級映画と呼ばれるのかも知れない。


でもこんなことは実際にかつては普通に起きてたことだし、いまだに完全には消えていない。

だってこのコロナ禍でさらに浮き彫りになった感じもしませんでしたか?

痛感したんですよ。

アジア人を見て「(こんなことになったのは)お前らのせいだ!」なんて言って殴りかかってきたり、蹴られたりって映像観ませんでしたか?

この映画に出てくるレストランの張り紙に「White’s Only(白人のみ)!!」って書いてある場面が出てくるけど、それを見て私自身2020年の夏に東北に行った時のこと思い出したんです。

お店の張り紙に「東北地方の方以外は入店お断り」みたいなことが書いてあった時は、この映画と同じような感覚になったんです。

良くはなってはいるものの、まだまだ現代でも色んな差別はなくなっていない。アメリカに限ったことでもなくて。

そう考えると、世界平和まではほど遠い。
果て。

優秀な人材は肌の色も男女も何もかも関係なくどんどん活躍して欲しいと思うし、そんな世の中になって欲しい。

果て…かもしれないけど、少しずつでも世の中がいい方向に進んでくれますようにと私は願います。

そんなことを感じられたし、評価はあんまり高くない映画ですが笑いどころ満載で面白いし、個人的には観ても損はない映画だと思いますよ。

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