セブン銀行(8410)ー日本最強クラスの高配当バリュー株

セブン銀行は株価が低PBR高配当利回りであれば、日本でトップクラスの安定感の会社である。


2020年12月4日現在で
株価219円
PBR1.13
配当利回り5.02%


配当利回り4%もあれば安いと考えていた会社なので、気がつくのが早過ぎて高値つかみしなかったのは運がよかった。


ー銀行とは名ばかりのATM屋


セブン銀行は銀行と名前がつくとおり、メガバンクのように顧客から預金を預かることもしている。
しかし一般的な銀行のような貸し出しはごくわずかなので、不良債権などのリスクが低い。
利益のほとんどはセブンイレブンに設置されたATMの手数料である。
私はコンビニでお金の出し入れはしないし、ATM手数料を払った記憶は一度もないが、これがものすごい利益をあげている。


セブンイレブンの買い物客が、メガバンクの口座からセブンイレブンのATMで手数料無料でお金を引き出した場合でも、メガバンクからセブン銀行へ手数料が入るため利益になるのだ。


ーセブン&アイグループのおいしいとこだけ切り取った独占事業
このおいしい商売は日本一のコンビニチェーンセブンイレブンあってのことであり、他社が簡単にマネすることはできない。

ーファンダメンタルズの教科書のようなキャッシュフローと、自己資本の右肩上がりの増加


2007年の上場以来赤字なし。
無理な借金もせず、確実に利益を稼ぎ、キャッシュフローを稼ぎ、株主に配当し、残ったお金は会社の自己資本となって積み上がる
2007年に738億だった自己資本は2020年には2212億に。
なんと理想的な会社でしょう。
2020年9月30日時点のバランスシートを見ると、現金8940億、有価証券770億で合計9710億に対して負債合計は9144億。
無借金な上に毎日ATMからお金が入るなんて。

ー天災による損害やビジネスモデルの崩壊のリスクが低い


東日本大震災による東京電力の原発事故、リーマンショック、金融危機、バブル崩壊。
メガバンクは大赤字を出し、リーマンショック時には増資を繰り返して株価下落に加えて株は大幅な希薄化。
今後南海トラフや関東大震災がいつかは起こるかも知れない。
そんなときでも全国に分散されたATMはお金を稼ぎ続けるのです。
東京でさえもSuicaも使えない人がたくさんいるのが現実。
キャッシュレスなど幻想。
ATMがなくなることなどないでしょう。

ー株価下落の要因は何なのか


配当利回り4%超えの会社はなんらかの問題あり、5%超えはほぼ難有りの会社しかないと考えるべきである。
そのため配当利回りが高いというだけで株を買ってはいけない。
一体何が利回り5%までの下落要因なのだろうか。


2020年3月のコロナショックで安値235円を一瞬つけているが、このときは歴史的なショックなのだから単にいきすぎただけだろう。
実際その後315円までリバウンドしている。
315円は配当利回り3.49%である。
利回り4%ライン275円。
利回り5%ライン220円。


しかしその後株価は下落基調になり、直近安値をつけた12月4日現在で配当利回り5.02%で配当利回りランキング72位。
PBR1.13倍
PER11.2倍
配当利回り5.02%


資産内容は現金が多く、JTのようにのれんが2兆円などということはない。
JTのように配当性向が100%近いなどという無理な配当政策ではなく、50%前後である

同じく安定感のある高配当株であるNTT、KDDIは2020年9月に携帯料金値下げ観測をきっかけに下落したが、配当利回り4%台後半で下げ止まって利回り4%の株価まで上昇した。


近年成長は頭打ちであるものの、成長が止まるなら株主還元強化の可能性もある。
新型コロナによるATM利用の減少があったというが、航空会社は倒産危機、JRでさえ赤字になっている中で、4-9月はわずか一桁%の減益で余裕の黒字。
ファンダメンタルズに大きな問題はなさそうだ。

ー需給要因が重なっての下落


セブン銀行の配当権利日は3月9月のため、その中間の6月12月あたりは高配当株は安くなりやすい。
歴史的なグロースバブル&バリュー株歴史的安値が重なり、バリュー株が大きく売り込まれた時期でもある。
さらに2020年11月末でMSCIという株価指数から除外されることになり、MSCIリバランスの機械的な売りが11月末まで出ていたものと思われる。
その売りにより日足チャートは移動平均線が株価の上に短期から順に並ぶ逆パーフェクトオーダー。
新型コロナショック後の高値315円から短期で3割も下落してしまい、耐えきれなくなっての投げが出たのだろう。
元々短期トレーダーが買うような会社ではないので、新興と違って2,3割程度の下落に慣れていない投資家も多いことだろう。

ー他の高配当株との比較


PBRが高く資産が少ない、PBRは低いが借金が多い、資産の内容が2兆円ののれんだったり、業績が不安定で時々大赤字を出す、衰退産業で黒字の維持が難しい、配当性向が100%近くて配当が維持されるか不安、一時的に配当を増やして利回りが高いだけなどというものが多い。


・豊富な資産で低PBR
・資産内容が現金や有価証券
・配当性向50%程度までの無理のない配当政策での高配当
・安定的な黒字見通し
・営業キャッシュフローの安定黒字
・ビジネスモデル崩壊や天災のリスクが低い


これだけの好条件下での配当利回り5%は、コロナショックのようにすべてが大暴落したときを除いてめったにない。


JTのような微妙な高配当株とは違うのだ。


株価が下げ止まっていないのでまだ下落する可能性はあるが、要監視としたい。



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