ファンダメンタルズ簡易判定法

私はそこまでファンダメンタルズを重視しないのだが、全く見ないというわけではない。


そこで、長期で保有する可能性のある場合のチェック項目として重要だと考えている点をまとめた。
これらすべてを詳しく調べているわけではなく、大きな問題がないかをチェックするためのものなので、ざっと見るだけでもいい。




ー資産バリュー性、安定性


1,PBRが低いか
2倍以下を目安として低ければ合格、高い場合は他の項目を精査して問題がないかをチェック


2,同業他社のPBRと比較する
PBRは業種によって0.5倍が平均の業種もあれば、資産をもたないネット企業のように5倍以上が当たり前の会社も多い。
PBR3倍でも、本来10倍以上の業種で現金を多く保有している会社がなんらかの理由で下落した場合などは割安となる


3,ネットキャッシュいくらか、有利子負債が多くないかを売上、時価総額と比較
時価総額<ネットキャッシュ
となる会社を狙う手法が資産バリュー投資の基本となる。
バリュー投資でなくともネットキャッシュがどれだけあるか、有利子負債が売上や時価総額に比べて多すぎないかを見る。


ー収益性


指標で言えばPERやEVITDA倍率


PERは実績PERと来期予想PERがあるが、来期を中心に今期と直近5年程度のPERをざっと見て、PERが機能している会社かを判断してから使う


株価が利益の何倍かを表す指標なので、赤字だと0になり使えない
利益の赤字を頻繁に出していたり、利益のブレが年によって大きい会社、業種などはPERは使い物にならないので参考程度に。


あくまである程度利益が安定している、右肩上がりで成長している、利益が想定可能な場合に目安として使う。
PERは高ければ割高、低ければ割安というわけではなく、他の会社や市場平均と比較するために使う。
日経平均は15倍程度、アメリカは17倍程度と覚えておく。
この数字も2021年現在はバブルであまり参考にならなくなっているので参考数字である。


EVITDAはEarnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortizationの頭文字をとった略字でイービットダーまたはイービットディーエーと読む。
減価償却を除いた利益のこと。


実際にはお金がでていかない経費を除いて利益を計算するという意味合いになる。


外食産業など売上の現金がすぐに手元に入るが、内装や大型冷蔵庫を買ったお金など、最初に一括で払って何年も使うものを除いて比較することができる。
PERが機能しない業種でこっちが使いやすいものも多い。


外食の例だと、赤字でも営業キャッシュフローは黒字を確保できている場合などは経費削減でなんとかなっている状態だが、減価償却を除いた利益も赤字だと、完全に詰んでいると判断できる。


PERが機能しない会社同士を比較できる。


ー営業キャッシュフロー


EVITDAの項目でも出てきたが、営業利益、純利益とは別に、営業キャッシュフローを稼いでいるかが重要なポイントになる。
黒字でも営業キャッシュフローが赤字だと、何か問題が隠れている場合がある。


見方としては


1,営業キャッシュフローが黒字か
2,(営業キャッシュフロー)ー(投資キャッシュフロー)が黒字か
3,自己資本が十分か


これらを売上、時価総額、同業他社、その会社の過去の実績と比較するのが基本的な考え方となる。


営業キャッシュフローマージン=売上高÷営業キャッシュフローも見る。

ー成長性


売上高利益率、売上高成長率、ROEなど。
同業他社、過去の実績、伸びる余地があるかなどを見る。


ービジネスモデル


・独自性があってマネされにくいか
・価格競争力があるか
・限界利益率、損益分岐点、固定費、変動費などの構成。売上の増加とともに経費も増えるのか、一定の売上を超えたら丸儲けになるのか

ーリスク


グーグルの検索アルゴ変更で壊滅したり、ゲームの一過性のブームなど、ビジネスモデルに安定感はあるのか。


ー同業他社比較、投資対象間比較


・単に景気がいいから他の会社もみんな儲かってるだけではないのか
・JTが高配当だからといって、JTだけ調べるのではなく、他の高配当株はどうなのか
・過去の実績と来期以降の将来性を比較
・過去のPBRと現在のPBRを比較


投資対象として調べる場合は必ず他と比較する。



簡易的にはこれらをざっと見ればいいだろう。
調査の前半で魅力的でなければ詳しく調べる必要はない。




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