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猫50匹は多かった



猫が増えすぎてしまって右も左も無くなってしまった(過去形)お話。



何故そんなにも猫が増えてしまったのか


20年前の当時、先住猫は去勢手術をしてないオス一匹だった。


末の妹が夏休みの部活の帰りに、メスの子猫を拾ってきた。


今でこそ猫二匹以上飼っているのは珍しくはないけど、あの頃は二匹いるだけで驚くような事で私も驚かれる側の人間になったと漠然と思っていた。


子猫だったメスはすくすく成長し半年が過ぎた頃には大人メス猫フェロモンを出す程になり、うちに来て一年も経過しない間に5匹の子猫を出産した。


父親が捨ててくると騒ぐ中、私はその子猫5匹も自分が飼うことにしたのだ。


5匹の子猫の両親は外に遊びに行く猫だったのもあり、メス猫は更に子猫を身ごもり5匹の子猫は大人になって、、、。


去勢避妊をすべきであったとは思うが、今のようにインターネットが普及していたわけではないので去勢手術に5万くらいかかるんじゃないかという親の意見を鵜吞みにして、増えるがままにしていたのだ。


室内で飼っていてオスメス別の部屋にするようにしていたが、メス猫の集団脱走やオスが大奥に集団で突撃するなどの事件がありメス猫達はしっかり身ごもってしまっていた。


父親が子猫を川に捨てたり、母猫が子猫を食べてしまったりと猫好き動物好きであった私の精神も崩壊し、イライラが抑えられなくなり物に当たるようになったり大声で怒鳴るようになっていた。


そして、猫50匹の大台に。


膨大な餌代と猫砂代


これだけ増えると大皿にキャットフードをごっそりあげるしかなくなり、出来るだけ安いキャットフードを買ってきて与えるようになっていた。


私が飼っている猫だけで50匹。


妹や母親が面倒をみてる猫も含めると60匹は優に超えていたと思う。


猫も生き物、体調によって食べる量も違っていた。


一日三食与えていた。


そうなると、猫のトイレの砂代もかかってくるわけだ。


鉱物系だとすぐにベタベタになってしまうので、木の猫砂を使っていた。


固まり具合が良く長く使っていても粉にならない優秀な猫砂があって、通販で購入し使っていた。


一時期製造中止になり再販された時に喜んで購入したが、以前よりも固まらなくなり粉になるのが速いので段々と使わなくなってしまった。


ピーク時の餌代と猫砂代は4~5万円。奨学金の返済が1万8千円。


漫画家を目指して、バイト生活。


バイト代が10万円。


インターネット代を払ってカードで購入したローンを払って、バイト先でのご飯代を引くと足りないくらいで常にギリギリの生活をしていた。


ペットの臭い対策なんてできるわけもなく。


どんどん体臭がきつくなり。


洗濯物にも臭いが染みつくようになっていった。


掃除にかかる時間


猫のトイレを一日三回掃除して掃き掃除をして、掃除機をかけて、床は濡れた雑巾で拭いて、それを8畳部屋3つ。


なんて、やっていなかった。


母親がズボラな人でずっとそれを見てきたし、家の掃除は小学生の頃から私がやらされていたので学校での掃除の知識程度しかなかったのだ。


どこをどうすれば、綺麗に保てるかとか効率的な掃除ができるかなんて一ミリも理解していなかった。


だから、猫の足の垢やペット独特の汚れがフローリングを見えなくしていき、固まり、延々と臭いを放つ物質になっていった。


更に、猫は嘔吐をする。


去勢も避妊もしてないからマーキングもする。


稀に去勢避妊してもマーキングする猫もいるにはいるけど、、、その話はまたそのうちに。


一応の掃き掃除はしてたけど、汚れていく部屋を不思議だなと思いながら過ごしていたのだ。


多頭飼育崩壊


知識を持たざる者が軽い気持ちでキャパシティを超えると右も左もなくなる。


自分のキャパシティを知らないから踏めた一線なのかもしれない。


多頭飼育崩壊する人は知識が無くてそうなってしまったけど、優しい人なんだろうなと思う。


私も含めて。


ん?


震災後、掃除を習う為と崩壊した私の精神と体力を救うためにビジネスホテルのメイドのアルバイトを始めた。


お金が無くてインナーボロボロ黄ばみでオフホワイトカラー、体臭は猫のアンモニア。


汗をかくと雑巾臭い私に一生懸命に仕事や掃除の仕方を教えてくれたおばちゃん達に感謝している。


二年ちょっとお世話になった。


掃除が出来れば多頭飼育崩壊しないかと聞かれたら、それはノーだ。


でも、掃除が行き届くかどうかって、自分の生活や仕事が自分に合っているかどうか推し量る判断材料にはなるかなと思っている。


ではでは。


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