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陰謀論者(22):予言

参政党のところで2025年7月の予言について少し触れましたが、ここではより詳しく取り上げたいと思います。というのも、予言そのものはスピリチュアルの領域ではあるが、陰謀論と密接な関係があると思っています。

予言と陰謀論

Wikipediaによると、予言とはある物事についてその実現に先立ち「あらかじめ言明する」ことです。一方、陰謀論は容易に呑み込めない出来事を「何者かの計画によるものだ」として世界を理解しようとする営みといったところです。つまり、予言は将来に起きるのであろう出来事、陰謀論はすでに起きた大きな出来事を対象にしているといった違いはあるものの、正しいかどうか確認できないものを推論として使っているという共通点があります。

例えば、ある反ワクインフルエンサーは「コロナ騒動は茶番であり政治的意図で仕掛けられた人為的集団ヒストリー」と主張していますが、端的に言ってしまうとコロナ禍は何者かの計画によるものだというように捉えられることから陰謀論の要件を満たしているといえます。とはいえ、彼のアンケートに「始まる前から気づいた」という選択肢がないのも気になるけど…。

一方、元漫画家であるたつき諒氏の『私が見た未来 完全版』(飛鳥新社)において、夢の中で2025年7月にフィリピン海の海底火山が噴火して大津波が発生、日本と台湾、フィリピンが陸続きになると描写されているが、陰謀論の世界では2025年7月にフィリピン海の底で人工地震を起こし海底噴火を誘発しようとしているといった具合に何者かの計画によって予言通りに事を進めることだってできると信じてもおかしくないぐらいです。ただ、海底深くで人工地震を起こすことは現在の技術をもっても不可能だし、荒唐無稽な話ではあるが、予言と陰謀論との親和性は高いとみられます。

コロナ禍の予言はあったのか

とはいえ、仮にコロナ騒動は政治的意図で仕掛けられたものなら2019年以前に「何らかの目的で偽りのパンデミックを仕掛けるらしい」という噂が流れてもおかしくなかったと思います。

Event201が行われた当時のポスト

コロナ禍に入る3か月前の2019年10月18日にニューヨークでEvent201というパンデミックを想定した演習が行われましたが、その当時のポストを探しても陰謀論者やスピリチュアル界隈の人たちが騒いだ痕跡を見つけることはできませんでした。そればかりか、コロナ前に投稿したポストを対象にイベント201で検索しても前述のパンデミックを想定した演習に関することは皆無でした。(参照

また、彼らは「PCR検査を発明したキャリー・マリスは『PCRを感染症の検査に使ってはならない』といった」と主張しているが、コロナ前に投稿したポストを対象に検索したところ、それらしきものはありませんでした。したがって、こういった主張はコロナ禍に突入してから言いだしたとみるのが自然だと思います。以上のことから、コロナ前においてプランデミックにつながるような予言やリーク情報はなかったとみられます。

ただ、新型コロナに関する予言がなかったかというとそうでもないみたいで、インドの少年が2019年11月~2020年4月に火星が土星と重なってコンジャクションという状況が生じ不吉なことが起きるらしいというようなことをYouTubeで発信しましたが、これが新型コロナのパンデミックを指していたのではないかとみられています。

また、劉基という明代の軍師が残した予言詩に新型コロナに関するものが含まれていたことが台湾などで話題になったことがあります。ちなみに、その予言詩は1999年に中国・陝西省で発生した地震によって崩れた壁の中から発見した碑文に書かれたもので、その詩の中から「若問瘟疫何時現、但看九冬十月間(訳:疫病は九冬句から10月の間に現れる)」といったような新型コロナに関連しそうな箇所を抜き取り、あたかもパンデミックを予言したと解釈したに過ぎないと思います。

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