加齢する胃腸
気の置けない友人とランチに出かけました。折角だからと、前菜、スープ、魚、肉、デザートと珈琲のコース。なかなか美味しく、ほどよいボリュームで、会話も弾んで楽しいひと時でした。
あれ、っと思ったのは夜の7時過ぎ。全くお腹が空きません。 片付け物をしていて下を向くと、胃になにか上がってきそう。 私、食べすぎたみたいです。 そういえば来週の健康診断に備えて、ここ2週間程食事の量を控えていたのでした・・・・・。
そこで思い出したのが伯父の事です。伯父は大変な食いしん坊で(血筋でしょうか)、伯母が里帰りの時にはビーフシチューを作ったり、美味しいと評判の店には、一度は行ってみる、という人でした。時々連絡をくれて、食事に連れて行ってくれました。そういう時は、行く前か帰りは必ず一駅位歩くのです。「消化のために、少し運動しないとね。」と言って。
今の私の年齢は、あの頃の伯父の年齢に近づいています。消化器官の加齢具合も、似たようなものかもしれません。美味しいものをきちんと食べる為に、歩くという気持ちがわかります。当時は、歩きながら話してくれる美味しいものの話や、珍しいものの話に氣を取られて、歩く理由にまで考えが至りませんでした。
何度か連れて行ってくれた日比谷のアクトレスで、「ここは昔は、ローストする前の牛肉を持ってきて、客に試しに指を刺させて、熟成具合を見せていたんだよ。」と教えてくれました。しっかりと熟成された牛肉で作ったビーフウェリントン(ロースト肉のパイ包み焼)、とても美味しかったものです。
伯父がボトルキープしているウイスキーの、首から下げたマーカーを、ひとつ外し、「これ持ってくると、この酒飲めるから、あげるよ。」と渡されました。ですが、一度も使えませんでした。 まさか、ウイスキーだけという訳にはいかないし、いつも値段は見せて貰っていませんでしたが、このお店で、料理やおつまみを頼んだら、いくらかかるのか、と思ったからでした。天国にいる伯父さん、二十代のOLにはハードル高かったですよ。
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