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映画から学ぶ人生

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映画の感想を通して、監督のメッセージや人生の教訓を読み解きます。あくまで1観客の1つの見解として・・。
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#note映画部

映画レビュー「カモンカモン」

公開 2022年 米 監督 マイクミルズ 出演 フォアキン・フェニックス    ウッディー・ノーマン あらすじ NYでラジオジャーナリストとして1人で暮らすジョニーは、妹から頼まれ、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることに。LAの妹の家で突然始まった共同生活は、戸惑いの連続。好奇心旺盛なジェシーは、ジョニーのぎこちない兄妹関係やいまだ独身でいる理由、自分の父親の病気に関する疑問をストレートに投げかけ、ジョニーを困らせる一方で、ジョニーの仕事や録音機材に興味を示し、二人は次

「フリーソロ」映画感想

製作 2018年 米 監督 エリザベス・チャイ・ザバルヘリィ    ジミー・チン 出演 アレックス・オノルド 作品紹介 ロープや安全装置を使わず、素手で岩壁を登る“フリーソロ”。 本作は、その第一人者として知られるアレックス・オノルドが、カリフォルニア・ヨセミテ国立公園にある970メートルの高さを誇る北米最大の岩壁「エル・キャピタン」に挑む様子を描いたドキュメンタリー作品。 他の誰もが達成したことのないその挑戦は、彼に究極の選択を突き付ける。 成功か死か・・。 幾度の失敗と

映画評「ハーフネルソン」ー相反を見つめる視点ー

製作 2006年 米 監督 ライアン・フレック 出演 ライアン・ゴズリング あらすじ 暗闇の中、僕は一筋の光を見つけた。 ブルックリンの中学校で黒人やヒスパニックの子どもたちに歴史を教える教師、ダン・デューン(ライアン・ゴズリング)。型にはまらない授業で生徒たちの信望を集めているが、一方で自身はドラッグに溺れている。ある日学校のトイレの個室でドラッグを吸っている現場を、女子生徒ドレイ(シャリーカ・エップス)に見つかってしまう。彼女の兄は薬物を売った罪で刑務所におり、近所には

「ドライヴ」映画感想

製作 2011年 米 監督 ニコラス・ウェンデング・レフン 出演 ライアン・ゴズリング    キャリー・マリガン    ブライアン・クランストン あらすじ 天才的なドライビングテクニックを持つ寡黙な“ドライバー”(ライアン・ゴズリング)は、昼間は映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手という2つの顔をもっていた。ある晩、仕事を終えたドライバーは、同じアパートに暮らすアイリーン(キャリー・マリガン)と偶然エレベーターで乗り合わせ、一目で恋に落ちる。次第に親しく

「誰も知らない」映画感想

製作 2004年 監督 是枝裕和 出演 柳楽優弥    YOU     なんの予備知識も入れず、あらすじも見ず、 是枝作品だからというだけで観たら、いやはや衝撃的でした。 「火垂るの墓」を思い出してしまいました。 ‼‼‼完全ネタバレ注意‼‼‼ あらすじ 母親に育児放棄された小6の長男率いる4人の子供たちが 兄弟引き離されたくないという理由で児童相談所にも連絡されないよう 学校にも行かず、家の中に隠れるように閉じこもり 自分たちだけで生きていこうと生活を続け・・・ ついには

「隠し剣 鬼の爪」映画感想

公開 2004年 原作 藤沢周平 監督 山田洋次 出演 永瀬正敏 松たか子 小澤征悦 「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」と続く藤沢周平時代劇三部作の1つです。みんな似たような話、似たようなテーマで、どれが好きかというのは結局、出演している俳優さんの好みではないかという気もしますが・・・。 僕は断トツでこの「隠し剣 鬼の爪」が好きです。 永瀬正敏がイイんです!! 東北のズーズー弁丸出しの、しかし素朴でまっすぐで温かみのある田舎侍、片桐宗蔵を見事に演じています。

~迷うことは決して悪い事じゃない~ 「ハドソン川の奇跡」映画感想

製作 2016年 米  監督 クリント・イーストウッド 主演 トム・ハンクス 名匠クリント・イーストウッド監督がトム・ハンクスを主演に迎え、2009年のアメリカ・ニューヨークで起こり、奇跡的な生還劇として世界に広く報道された航空機事故を、当事者であるチェズレイ・サレンバーガー機長の手記「機長、究極の決断 『ハドソン川』の奇跡」をもとに映画化。09年1月15日、乗客乗員155人を乗せた航空機がマンハッタンの上空850メートルでコントロールを失う。機長のチェズレイ・“サリー”・

「ガタカ」映画感想

製作 1997年 米 監督 アンドリュー・ニコル 出演 イーサン・ホーク    ジュード・ロウ    ユマ・サーマン あらすじ DNA繰作による優秀な遺伝子を持った“適正者”によって、自然な出産で生まれた人間が“不適正者”として支配される近未来。不適正者として生まれたビンセントは宇宙飛行士を夢見ていたが、それは不適正者ではかなわぬ夢だった。しかし、彼は自分の運命を変えるためDNAブローカ一の紹介でジェロームという青年の適正者IDを買い取る。ジェロームになりすまして宇宙局ガタ

「アルプススタンドのはしの方」映画感想

製作 2020年 日本 監督 城定秀夫 あらすじは、タイトルから想像できるまま 甲子園1回戦出場校の応援スタンドのはしの方にたむろする 斜に構えたやつらのワンシュチュエーションもの。 観る側でもなく、観られる側でもなく・・・ 何者にも属さない半端者たち・・。 私もこういうタイプの高校生だったから いやいや懐かしく思い出しちゃった。 私の場合も、部活は何もやってなかったし、勉強もスポーツも落ちこぼれ。 かといって不良でもなく、特別目立ついじめられっ子でもなく 制服もノーマル。

「万引き家族」映画感想 ~社会に生きるという事~

製作 2018年 監督 是枝裕和 出演 リリーフランキー    安藤サクラ    樹木希林 あらすじ 高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。 冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い