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二度と戦争をしないために。検証・考察

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#エッセイ

映画レビュー「地獄の黙示録」~カーツ大佐の理想とは何なのか~

製作 1979年 米 監督 フランシス・フォード・コッポラ 出演 マーティン・シーン    マーロン・ブランド    ロバート・デュバル    デニス・ホッパー    ハリソン・フォード あらすじ 舞台は1960年代末のべトナム。ウィラード大尉(マーティン・シーン)は、ジャングルの奥地で王国を築いたとされるカーツ大佐(マーロン・ブランド)を暗殺する命令を受け、部下4人を引き連れてナング河を溯っていく。その過程でウィラードが遭遇するさまざまな戦争、そして狂気。やがて彼はカーツ

映画レビュー「フルメタルジャケット」

製作 1987年 米 監督 スタンリー・キューブリック 出演 マシュー・モディーン    リー・アーメイ    ビンセント・ドノフリオ あらすじ ジョーカー(マシュー・モディーン)、アニマル・マザー(アダム・ボールドウィン)、<デブ>のレナード(ビンセント・ドノフリオ)、エイトボール(ドレイン・ヘアウッド)、カウボーイ(アーリス・ハワード)他、全員が地獄の新兵訓練所に投げ込まれ、情け容赦ない教官ハートマン(リー・アーメイ)に鍛えられる。 後半は厳しい訓練を終え、ベトナムに出

映画「キリングフィールド」~戦争報道と正義について思う事~

製作 1985年 英 監督 ローランド・ジョフィ 出演 ジョン・ウォーターストーン    ハイン・S・ニョール    ジョン・マルコビッチ 冒頭5分。 主人公の新聞記者の言動で、ちょっと否定的な見方になってしまいました。 「どこに行こうと僕の自由だ!」 「法で認められている」 「妨害は違法行為だ」 「あんたの一言一句を記事に載せるよ」 マスコミの、言論の自由を盾に、自分の正義を疑わない姿・・。 最近,やたらと目につくマスコミや芸能人たちの「正義の言葉」に辟易していて、タイミ

映画「7月4日に生まれて」~ベトナム戦争から今を考える②~

製作 1989年 米 監督 オリバーストーン 出演 トムクルーズ    ウィレム・デフォー    キーラ・セジウィック あらすじ 1946年7月4日、アメリカ独立記念日に誕生したロン・コーヴィック。 愛国心を持つ若者へと成長したロン(トムクルーズ) 高校卒業を控えたある日、志願する若者を集うため訪れた海兵隊の言葉に目を輝かせ海兵隊へ入隊することを決め、意気揚々とベトナム戦争に従軍する。 ロンが送られた先は戦争の最前線。 戦争の過酷な現実を前に懸命に任務をこなすロンだったが

―ベトナム戦争から今を考えてみるー「天と地」映画感想

製作 1993年 米 監督 オリバーストーン 出演 ヘップ・ティー・リー    トミー・リー・ジョーンズ あらすじ O・ストーンが描く、ベトナム戦争をくぐり抜けてきた実在の人物レ・リー・ヘイスリップの真実の物語。1949年、フランス領インドシナ。ベトナム中部の小さな村キーラで、貧しい農民夫婦に女の子が生まれた。彼女の名はレ・リー・ヘイスリップ。物語は、ゲリラから娼婦となり、アメリカ軍人と恋に落ちて渡米。異なる文化圏での新生活を過ぎて再び夢にまで見た祖国の土を踏むまでの、彼女