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「2グラムの光」誕生の縁起3/9NEW田中長徳先生写真展開催日の朝に

田中長徳先生の写真展開催おめでとうございます。

いつもお世話になりありがとうございます。

ウィーンとライカの日々よりの引用です。

ある日、ライカM3にズミクロン90ミリで逆光の雲に向け写真を撮った。その日の夕刻に現像してみたら、そのうちの1枚に予期しない光のシャワーが写っていたのである。
この光のシャワーというのは、以前から大通りの建物の段違いのスペースの意匠になっていたので気になってはいたのだが、そういうグラフィックなデザインが実際に自然界に出現したのが妙であった。こういう次第は、ライカのような一眼レフでない35ミリカメラの独壇場である。つまり、ライカでは意識でコントロールできないもの、表現上のまったく予期しないものが、そこに写るのだ。その光のシャワーを厚手のハンガリー製の印画紙、フォルテにプリントしたので、その光の質量は、およそ2グラム程度であろう、という推論に達した。
これが「2グラムの光」誕生の縁起である。


田中長徳「ウィーンとライカの日々」p80より。
左手親指とスマホの影とともに。202203090501

見えない的をねらう写真表現者でありたい。
そのためには、無意識反応によるオートマチック撮影を基本としたい。

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