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ニンジャスレイヤーTRPGリプレイ【シャドーズ・イン・ザ・ブラック・ゾーン】

ドーモ、nyamotomoです。今回も一人でニンジャをプレイしていきます!シナリオはlizardfolk=サンの「逃亡者を追え!」です。お手軽にソロセッションが出来新しいPCの導入にはピッタリなシナリオです。

今回挑むのはこのニンジャです。

◆ブラックゾーン (種別:ニンジャ)  DKK:0  名声:1   所属:ソウカイヤ
カラテ    3  体力   5
ニューロン  2  精神力  2
ワザマエ   3  脚力   2
ジツ     0  万札   0
攻撃/射撃/機先/電脳  3/3/2/2
回避/精密/側転/発動  3/3/3/0
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇スキル
『◉頑強なる肉体』、『◉知識:旧世紀地下道網』、
◇アイテム
オーガニック・スシ

全ての能力値が3以下の本物のサンシタですね。名前もブラック族で先行きが不安です。ターゲットの出目によっては、ほぼ死にますがまぁナントカなるでしょう。

次にターゲットを決めます。

1d6【2】=2:バイオスモトリ(余暇0、万札5)、「バイオスモトリ」と戦闘。

ナントカなりそうですね。ではいよいよ本編開始です。

◆本編

草木も眠るウシミツ・アワー。貪婪の都ネオサイタマ。欲望と悦楽のネオン光も届かぬ深海めいた暗い路地裏。一人の奇妙な男が歩いていた。太身で寸詰まりの野暮ったいヤクザスーツを着た短髪の男。その男は白目を持たず、ウマめいたのっぺりした黒い眼球を持っていた。

男は暫く歩いていたがやがて薄汚いマンホールの前で足を止め、汚れひとつない革靴でマンホールを叩き音を立てた。暫くしてマンホールの蓋が開き、漆黒のニンジャ装束を着た影が暗い地下から這い出てきた。影は男の前に立た上がると胸の前で手を合わせアイサツした。

「ド…ドーモ、アイアンヴァイス=サン。ブラックゾーンです。」「ドーモ、ブラックゾーン=サン。アイアンヴァイスです。」男もオジギしてアイサツを返す。影の名はブラックゾーン。ネオサイタマを支配するニンジャ組織、ソウカイヤに所属するニュービーニンジャである。

「れ…連絡を受けました。一体俺のようなニュービーに何の御用で?」恐る恐る聞くブラックゾーン。ヤクザスーツの男、アイアンヴァイスは自身よりも高位のソウカイ・ニンジャであり交流は乏しい。突然の訪問は不自然であった。

「仕事の手伝いだ。今朝ヨロシサンの研究施設からバイオスモトリの群が脱走。その駆除をソウカイヤが請け負い、ある程度バイオスモトリ詳しい私がデリバリーされたのだが…何せ数が多い。遠くに逃げられても面倒だ。そこでこの辺りに先日スカウトされたニュービーがいることを思い出しな。こうしてあなたに助けを求めにきたというわけだ。」

それを聞いたブラックゾーンはメンポの下で残忍な笑みを浮かべた。「…なるほど、よーく分かりました。それでそのバイオスモトリは殺してしまって構わないんで?」「あぁ、構わない。もちろん報酬は出す。期待しているぞ。」アイアンヴァイスはバイオスモトリの大まかな生態を記したメモを手渡すと、用件は済ませたとばかりに去っていった。

ブラックゾーンはメモに目を通し再びマンホールの蓋を開け地下へと潜っていった。ニンジャとなって初めての任務。自身のカラテで如何に残忍にバイオスモトリを殺してやろうか。メンポの裏の残忍な笑みをより深くしながらブラックゾーンは夜の闇よりもなお暗い地下水道の中へと消えていった。

事前準備、難易度Normal【535】次の戦闘中、体力と精神+1、回避ダイス+1。

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30分後。ブラックゾーンは薄暗い地下水道の中を進んでいた。下水道を住処とするホームレスだった彼にとって、バイオスモトリの好む環境や食物から潜伏地点を推定することは容易かった。本来なら一般人の歯が立たない猛獣バイオスモトリに対して肉体的にも情報的にも有利に立つという優越感が彼を上機嫌にさせていた。もはや彼は弱者ではない、圧倒的ネオサイタマの強者ニンジャなのだ。

「フーン…フンフン…フーン♪」鼻歌を歌いながら暫く行くと下水道の汚泥の中に巨大な足跡を発見。バイオスモトリの足跡である。(…ビンゴ♪)この辺りの地上にはスルメ工場とコメの直売所が存在しており、絶えずその匂いが地下に送られてくる。バイオスモトリが潜伏するならばまずここだとブラックゾーンは確信していた。

そのまま足跡を追っていくとある程度広い空間に出た。壁は下水道のようにコンクリート壁でなく木製。おそらくホームレスが工具を用いて居住空間として作った部屋だろう。その中にバイオスモトリはいた。「フゴーッ!フゴーッ!」蛍光ピンクのバイオスモトリがホームレスの物と思わしき食料を齧っている。悠に3メートルは越す大物。

予想外の迫力にブラックゾーンは怖気付いた。(や…やってやる…俺はタフなニンジャなんだ!!)ブラックゾーンはカラテと勇気を振る起こし、部屋に突入した!!「ドーモ、ブラックゾーンです!意地汚いスモトリめっ!ズタズタのひき肉にしてやるぜ!!」「ブモーッ!」戦闘開始!!

◆スモトリとの戦闘

特殊ルール:一騎打ち(全キャラ各ターン2回行動)
敵:バイオスモトリ一体

バイオスモトリ(種別:モータル/スモトリ/バイオ生物)
カラテ:4  	体力:4
ニューロン:1	精神力:1
ワザマエ:2 	脚力:2
近接攻撃ダイス:4	遠隔攻撃ダイス:1	回避ダイス:-
◇スキルとジツ
●突撃、『炎への恐怖』
野生化したバイオスモトリは炎を恐れるため、カトン・ジツや火炎放射器などからダメージを受けたとき、追加で「精神力ダメージ1」を受ける。

1ターン目

ブラックゾーンのカラテ【442、成功】バイオスモトリ残り体力3→スモトリのカラテ【2241、成功】ブラックゾーン回避【55、カウンター】スモトリ残り体力2→ブラックゾーンのカラテ【414、成功】スモトリ残り体力1→スモトリ【4434、成功】ブラックゾーン回避【25、成功】

「イヤーッ!」ブラックゾーンはスモトリに急接近!距離を詰め突進攻撃を封じる!「ブモッ!?」そのまま顔面にカラテストレート!「イヤーッ!」「グワーッ!?」のけぞるバイオスモトリ!!頭蓋骨にヒビ!!「これが、カラテだ!これが、ニンジャだ!」ブラックゾーンは興奮!完全にニンジャの暴力に酔う!!

「ブモーッ!」しかしバイオスモトリは持ち前の耐久力で持ち堪え、強烈なハリテを繰り出す。ホームレス程度が受ければ粉砕骨折間違いなし!だが…「見える!イヤーッ!」カウンター!!逆にハリテをパンチで受け止め骨を折る!「グワーッ!」スモトリは折れた手を押さえ「イヤーッ!」「グワーッ!?」ブラックゾーンは更にジャンプして顔面に追撃ストレート!!頭蓋骨のヒビが更に広がる!!「ブモガーッ!!」「イヤーッ!」反撃も難なく回避!!なんたる圧倒的ニンジャ敏捷性!!

2ターン目

ブラックゾーンのカラテ【614、成功】スモトリ残り体力0、死亡。

「イヤーッ!」「アバーッ!?」間髪入れずに飛び上がったブラックゾーンの三度目のカラテストレートがスモトリの顔面に突き刺さる!!ヒビの入った頭蓋骨はもはや耐えきれず!頭蓋骨陥没!死亡!!スモトリの巨体が崩れ落ちた。

戦闘終了

ブラックゾーンは.スモトリの血で染まった両手を見ながら、メンポの奥で残忍な笑みを浮かべた。「俺は…スモトリすら殺せる……!」ブラックゾーンはいまや自身がニンジャとなったことを改めて認識した。自分は伝説のカラテ戦士の一員となったのだ!もうセンタ試験から逃げた自分はいない。ヒョットコにすらなれず燻っていた自分はいない。意気地ないモータルである自分はもういない!!

ブラックゾーンは暫くその場で勝利を噛み締めた後、かがみ込んでスモトリ死体の首をちぎり取った。殺した証拠がいる。そして一匹目を駆除した報告をアイアンヴァイスに送った。それから作成したマップを眺め次のポイントを目指すため一旦地上に出ることにした。

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暫くして。ブラックゾーンは近場のマンホールから這い出し顔を上げ驚愕した。そこにはニンジャ装束に身を包んだアイアンヴァイス。その手には蛍光グリーンやブルーのバイオスモトリの生首が複数吊り下げられていた。しかもいずれも今さっき自分が倒した個体よりも巨大!

「ド…ドーモ、アイアンヴァイス=サン。これから次のポイントに向かうところで…。」「あぁ…その必要はない。既に全て駆除済みだ。」「エッ?」ブラックゾーンは更に驚愕した。自分が一匹駆除する間に、アイアンヴァイスは残りのスモトリを全て見つけ出し殺したというのか?この短時間で?

「お…お早いお仕事で…。」「よせ…褒めるようなことでもない。」賞賛を受けたアイアンヴァイスの声には僅かに喜色が浮かんでいたが、ブラックゾーンに気付く余裕は無かった。「最後の一匹が中々見つからなくて困っていたのだ。お前が既に倒しているとはな…助かった。このことは上にも報告しておく。少ないが報酬だ、受け取ってくれ。」

万札5GET

「ド…ドーモ…。」ブラックゾーンは震える手で恐る恐る報酬を受け取った。「ん?…どうした?……まぁいい。俺はもう戻る。何があったらその連絡先にな、ではさらばだ。」アイアンヴァイスはスモトリの生首を受け取ると連絡先のメモを残してその場を去っていった。取り残されたブラックゾーンは暫く石化したようにその後ろ姿を眺め、やがてマンホールから這い出し路地裏に出た。

地下空間の自身の部屋へと戻るため帰り道を急ぐ。既に先程までの優越感と達成感は消え去っている。ブラックゾーンはただ無力感と恐怖だけを感じていた。「オイ、見ろよ。情けねぇ。」「シケたオッサンだな。オヤジ・ガリする気もおこらん。」「ちげぇねぇ!」闇へ走る彼の背中を、路上に屯するヤンク達が嘲笑う。

(チクショウ…チクショウ!!)嘲りの言葉を背に受けながら、ブラックゾーンは歯噛みする。そして寝ぐらへと続くマンホールを見つけると、巣穴に逃げ込むドブネズミめいて滑り込んだ。取りに足らない矮小なニンジャは一人、自らの弱さを噛み締めたまま闇よりもなお深い地下水道の闇の中へ消えていった。

【シャドーズ・イン・ザ・ブラック・ゾーン】終わり、【ザ・ファースト・デイ・イン・ツチノコ・ストリート】に続く


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