ニンジャスレイヤーTRPGソロリプレイ【ヤングドラゴンズ、グロウ・ライク・ア・タケノコ!】
初めに
ドーモ、みなさんnyamotomoです!ニンジャスレイヤーTRPG書籍化(2023/10/30)に伴い、私もリプレイを投稿してみることにしました。本日遊ぶのはこちらのシナリオです。
ドラゴン・ドージョーのニンジャ達がソウカイヤの襲撃を迎撃するシナリオですね。ソウカイヤPCのイメジが強そうですが、こういう風に比較的善良なニンジャでもプレイできます。ドージョーPCは一人いますが新しいニンジャを幾人か創造してチームアップしていきましょう。
・目次
◆登場ニンジャ
・ニンブルラビット
https://picrew.me/ja/image_maker/614903
◆ニンブルラビット(種別:ニンジャ)所属:ドラゴン・ドージョー見習い 名声1
カラテ4 体力4
ニューロン3 精神力4
ワザマエ5 脚力3
ジツ0 万札18
攻撃/射撃/機先/電脳 4/5/3/3
回避/精密/側転/発動 5/5/5/0
緊急回避ダイス:0 即応ダイス:5
◇装備や特記事項
『◉スリケン乱射』、『◉忠誠心:ドラゴン・ドージョー』
以前のリプレイに登場させたニンジャです。過酷な戦場を生き延びそれなりの実力を有しています。
残りはこの場で創造します。
・グリンブルスティ
◆グリンブルスティ(種別:ニンジャ)所属:ドラゴン・ドージョー見習い 名声1
カラテ5 体力6
ニューロン2 精神力2
ワザマエ2 脚力5
ジツ1 万札−12
攻撃/射撃/機先/電脳 5/2/2/2
回避/精密/側転/発動 5/2/2/3
緊急回避ダイス:0 即応ダイス:5
◇装備や特記事項
『⭐︎巨大化の秘技lv1』『◉常人の三倍の脚力』、『◉知識:カチグミエリア』
○生い立ち:元ヒキャク・パルクール(陸上選手)
カラテ担当のビッグニンジャです。ジツは謎めいたニンジャソウルが出ましたのでせっかくだからまだPCとして保有していいないソウルから選んでみました。高い脚力なので連続側転がなくとも機動力に遅れはとりません。
・ブラックフェザー
◆ブラックフェザー(種別:ニンジャ)所属:ドラゴン・ドージョー見習い 名声1
カラテ3 体力3
ニューロン4 精神力4
ワザマエ4 脚力2
ジツ2 万札0
攻撃/射撃/機先/電脳 3/4/4/4
回避/精密/側転/発動 4/4/4/6
緊急回避ダイス:0 即応ダイス:4
◇装備や特記事項
『⭐︎カラテミサイルlv2』『◉知識:宗教』
カタナ(錫杖)
○生い立ち:信心深い
全体的にバランスの整った典型的サンシタステータスです。強攻撃が少し扱いにくい以外は遠近に対応できます。
・ブルズアイ
◆ブルズアイ(種別:ニンジャ)所属:ストリートニンジャ 名声0
カラテ3 体力3
ニューロン3 精神力4
ワザマエ5 脚力3
ジツ0 万札−12
攻撃/射撃/機先/電脳 3/5/4/5
回避/精密/側転/発動 5/5/5/0
緊急回避ダイス:0 即応ダイス:3
◇装備や特記事項
▶︎生体LAN端子lv1
チャカガン×2
『◉知識:銃器』
家族の写真
○生い立ち:キラーマシーン教育
チャカガン二丁流を操りそれなりの火力を誇ります。全体的にイニシアチブが低いパーティーですが彼女とブラックフェザーに先手を取ってもらいたいですね。ドージョー所属だけでも味気ないので協力関係にあるフリーランスとしました。こういうのもいるでしょう。
つい沢山のPCを生成してしまいました。この数だと少し元シナリオではeasyすぎる気もするのでボスの数やステータスもいじくりましょうか。ではいよいよゲームスタートです!
本編
◆ドージョーにて
ネオサイタマ辺境、山奥深く。深い霧に包まれた広大な竹林地帯。その中の小高い丘の上にドラゴン・ドージョーの支部は存在していた!「「「イヤーッ!イヤーッ!」」」ニュービー達のシャウトが響き渡るは丘の上に築かれた複数の木造建築。ここで彼ら若きニンジャは日々鍛錬を重ね、真なる半神の世界へと近づいていくのだ。
活気ある訓練場の声を聞きながら少し離れた庵に二人の女ニンジャが向かい合って正座していた。鼠色のキモノを着た女が膝の上の水晶玉に手を当てるとどこからともなくネズミめいた愛らしいドローンがチャの乗った盆を運びもう一人の女の前に差し出した。「ドーゾ、粗茶ですか」「ドーモ、いただきます」
チャを差し示したニンジャの名はアウェイクドール。この支部の運営を任されている神秘的な魔術ハッカーニンジャだ。受け取ったのはドラゴン・ユカノ。ドラゴン・ドージョー師範たるドラゴン・ゲンドーソー、その孫娘にしてドージョー本殿からの使いだ。その胸は豊満である。「ドーモ」ユカノは完璧な作法でチャを受け取りすする。
この支部には定期的に本殿からの連絡員が訪れるが未熟なユカノが本来この大役を任される事はない。しかしこの支部は竹林にかけられたジツとアウェイクドールが巡回させるドローン・ミニオンにより高い秘匿率を持つためこうした光景が見られるのだ。「鍛錬の方は盛況ですね。」
アウェイクドールはユカノの言葉ににこやかに答える。「皆張り切っていますよ。特に今はブルズアイ=サンとブラックフェザー=サンが滞在中、さらに昨日は新たな見習いニンジャ、グリンブルティ=サンのご到着などありましたからね。ニュービーの皆さんがお三方に教えを乞おうと張り切っておりまして…」訓練場からは若者達の力強いシャウトが止まない。
◆カワラ割り
庵から少し離れた地点、カワラ割り訓練場では、白いジャーウェアを着たニュービーと、頭部が天井に着きそうなほど大柄な浅黒い女がカワラ割りの修行のため瓦を積み上げていた。女の方の名はグリンブルスティ。ドラゴン・ドージョーの門戸を叩いたビッグニンジャであり、元々陸上選手として鍛え上げられていた筋肉は凄まじい。
少し不器用なところがあるグリンブルスティが手間取っている間にニュービー、ハッカーカルト出身の些か小柄な若者、は一足先に3枚のカワラを積み終わりカラテを構えた。目を閉じて一瞬集中しシャウト共にチョップ!「イヤーッ!」半年の筋トレの成果は如何に!?
◆ニュービーニンジャA (種別:モータル)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 2 脚力 2
ジツ 0 万札 0
スキルなど:
▶︎生体LAN端子lv1
『●スリケン投擲』:ニュービーニンジャはニンジャのようにスリケン投擲を行える。
『●連続側転』:ニュービーニンジャは『連続側転』を行える。
ただし複数のニュービーニンジャが同じ部屋にいる場合、まとめて1回だけ判定する。
成功すればその部屋にいる全員が『連続側転』に成功したとみなすが、
失敗するとその部屋のニュービーニンジャ全員が移動不可と『ウカツ!』を得てしまう。
CRUSH!!見事にカワラが一枚両断!破片が飛び散る!ドージョーに来た頃はカワラ一枚持ち上げることすら苦戦していたニュービーにとっては正にキンボシ!地道な訓練と忍耐が報われた結果だ!「おお!スバラシイ!私も頑張らねば!」グリンブルティが賞賛!そして彼女も一足遅れて5枚の瓦を積み上げてチョップを構え集中する。憑依ニンジャのカラテを見るためにニュービーも固唾を飲んで見守る。そして…「イヤーッ!!」
CRUUUUUUUSH!!4枚のカワラが弾け飛び粉々!もうもうと土煙が上がった!これがニンジャのパワー、モータルとは比べものにならない!「アイエエ…ス…スゴイ!」ニュービーも感激して賞賛!「いやいや…今に君もこれ以上のカラテとなる。…それに…」グリンブルスティはカワラの残骸の山に目を向ける。最後の一枚は無傷のままだ。
グリンブルスティはニカリと笑う。「…一枚残ってしまった。やはり私も未熟だな!ともに修行に励まねばな!」「ハイ!」「では早速次だ!君は3枚、私は6枚を目指そう!」「ハイッ!!」二人は再びカワラを積み上げ修行を再開した。
◆スリケン訓練
そのすぐ隣。ネオサイタマ・ジュニア・スクールなどで見られるスポーツフェスティバル運営テントめいた細長い建築物、スリケン・ユミの射撃訓練場では二人の人影。片方はハチマキを巻いたこれまた白いジュー・ウェアの女ニュービー。彼女は真剣な眼差しで遠く離れたターゲット木人を狙う…。「イヤーッ!」
◆ニュービーニンジャB (種別:モータル)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 4 脚力 2
ジツ 0 万札 0
スキルなど:
『◉スリケン痛打』
『●スリケン投擲』:ニュービーニンジャはニンジャのようにスリケン投擲を行える。
『●連続側転』:ニュービーニンジャは『連続側転』を行える。
ただし複数のニュービーニンジャが同じ部屋にいる場合、まとめて1回だけ判定する。
成功すればその部屋にいる全員が『連続側転』に成功したとみなすが、
失敗するとその部屋のニュービーニンジャ全員が移動不可と『ウカツ!』を得てしまう。
命中!スリケンは木人の眉間に突き刺さり貫通!彼女は元ユミドー部キャプテン、実際素晴らしいウデマエだ。「おみごと」後方で見ていたゴシックめいた様相の女が称賛する。彼女の名はブルズアイ。ドラゴン・ドージョーと関わりある傭兵ニンジャだ。「しかしね…」ブルズアイは懐からいく本かのクナイを取り出し隣の木人を狙う。彼女はスリケンやクナイはあまり使用しないタイプだが幾つかの予備は常に持ち歩いているのだ。
「イヤーッ!!」ブルズアイが放った三本のクナイは木人の眉間・心臓・股間を貫通!いずれも急所だ!「……少しフォームと狙い方がキレイすぎる。頭部を強化しているタイプの重サイバネなら今のでも死なないかも知れない。時には急所を確実に穿つこと、容赦を捨てることも必要だ。先手はとれても反撃の銃撃はやはり怖いものだよ」「…ハイ。」
しょげるニュービーにブルズアイはほんの少し口角を上げた。「気を落とす必要性はないよ、少しずつ進めばいい。下手に力を求めても暴力の闇に囚われることになるしね。でも君たちは巨大組織とも敵対に近い関係だし、いずれ戦わなくてはならない時も来る。覚悟を決めないと実際死ぬ。ちょっとずつ、でも怠慢せず。なんてセンセイの真似事だけど。」
「ハイ!」二人が再び木人を狙おうとした時、別のニュービーが訓練場に入ってきた。「あぁいたいた!ブルズアイ=サンも!これからブラックフェザー=サンが組み手をするそうだ。」「もう!?わかった!すぐ行く!」飛び出して行ったニュービー達を追いかけてブルズアイは表へと出ていく。三人はドージョーの中心広場に据えられたドヒョーへと向かっていった。
◆一騎打ち
途中グリンブルスティ達とも合流し、集まってみると既にドヒョー周りにはドージョーのほぼ全員が揃っていた。いないのは本部で何らかの話を続けているアウェイクドールとユカノ、そして哨戒に出ているもう一人のニンジャ、ニンブルラビットだけだ。
ドヒョーの上には二人、片方は山伏じみた様相のニンジャ、ブラックフェザー。油断なく錫杖を構えている。もう片方は身長2m近い大柄のニュービーニンジャ。元アメフト選手の体力自慢だ。二人の間に審判めいてセンスを持ったニュービー。「ミアッテ…ノコータ!」審判ニュービーの掛け声を合図に二人は同時に動いた!
◆ニュービーニンジャC (種別:モータル)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ 0 万札 0
スキルなど:
『◉ランスキック』
『●スリケン投擲』:ニュービーニンジャはニンジャのようにスリケン投擲を行える。
『●連続側転』:ニュービーニンジャは『連続側転』を行える。
ただし複数のニュービーニンジャが同じ部屋にいる場合、まとめて1回だけ判定する。
成功すればその部屋にいる全員が『連続側転』に成功したとみなすが、
失敗するとその部屋のニュービーニンジャ全員が移動不可と『ウカツ!』を得てしまう。
1ターン目
「イヤーッ!」先手はブラックフェザー!その場で跳躍!突撃してきたニュービーの頭上を通過して周囲を高速で連続側転!なんたるニンジャ敏捷性!「イヤーッ!」そのままニュービーの背後に周り錫杖を叩きつける、がしかし!「ヌゥ!?」空振り!高速移動による視界の混乱が間合いの目測を見誤ったのだ!ウカツ!
「隙あり!イヤーッ!」ニュービーはその隙を逃さず回し蹴り!ドージョーを略奪しにきたサイバネギャングすら一撃で昏倒させたショットガン並みの蹴り!「ヌゥ!!」しかしブラックフェザーはこれを片腕でブロック!彼もまたニンジャ、半神の端くれ!「イヤーッ!」反撃の錫杖刺突!今度は命中!「ヌグー!?」
保護用の綿越しとはいえ凄まじい威力!先ほどのニュービーの渾身のケリ並の威力だ!しかしニュービーは後方に飛び跳ね威力を殺す!昏倒回避!さらに距離をとってから壁を蹴り渡ってのトビゲリ!「イヤーッ!」これは当たればニンジャといえども気絶は不可避!「ヌゥ!?」ブリッジで辛うじて回避!風圧がブラックフェザーの長い髪の毛を巻き上げる!アブナイ!
2ターン目
「おお!」「ドラゴン!」周囲のニュービーが感嘆!実際ドラゴンの名に恥じぬ見事なトビゲリ!!しかしブラックフェザーの背後に着地したニュービーは片膝をついて体勢を崩す!「グゥ…!?」渾身の力だったのだ!「ヌォー!イヤーッ!」ブラックフェザーはその隙を逃さず上半身を回転!ニュービーの背中に錫杖殴打!「グワーッ!?」ニュービーは倒れ込む!イポン!勝負あり!
戦闘終了
「クゥー!クヤシイ!」カンポ・ポーションを飲まされ、意識を取り戻すやいなやニュービーは唸った。「いやいや、素晴らしいウデマエでしたぞ、スモトリや大型ドローンならば素手でも撃ち倒せそうなカラテでした…」「しかし貴方はジツをお使いになられなかったでしょう」
「いやいや、某のジツは制御が難しく…実際最後のトビゲリは喰らえばこちらが負けておりました。しかし…」ブラックフェザーは顔を顰めて話す。「失礼ながら何やら捨て身の戦いぶりのように感じました。貴方はまだ未熟の身、敵方のニンジャ遭遇されれば倒すよりも、逃げることや生き延びることが肝要ですからな。回避に意識を割くべきでは?」「なるほど…ご指導アリガトゴザイマス!」
試合も終わり、お昼頃。アウェイクドールとユカノも庵から出てきて作りおいたオニギリを取り出し、ドヒョーの周りでニンジャやニュービー達が食事をしながら先ほどの模擬戦について意見を交わし始めた。すると突然、皆やユカノと共にオニギリを口にしていたアウェイクドールが怪訝な顔をしたかと思えば、突然立ち上がった!「アウェイクドール=サン!?どうしたのです!?」
そのユカノの声に応えるように、白装束のニンジャが壁を飛び越えドージョーへと大声で喚きながらエントリー!「クセモノ…クセモノダー!」その勢いのままニュービー達の間を走り抜け、アウェイクドールとユカノの前に跪いた体勢で滑り込む!「ニンブルラビット=サン、貴方も感知しましたか!」アウェイクドールもまた巡回させていたドローンや神秘的ナリコトラップにより異変を察知していたのだ。
そして白装束のニンジャの名はニンブルラビット。ドラゴン・ドージョーのニンジャであり本来は本殿に通う正式メンバーたるニンジャである。しかし先日の無断行動を咎められ半ば謹慎扱いとしてこの支部にとどめ置かれているのだ。そして今日の哨戒担当でもある。「ハイ、竹林の外周部にてクロスカタナ紋をつけたソウカイヤの一隊を発見いたしました!モーターヤブと見られる戦闘兵器を用いてバンブーを切り払いこちらに向けて真っ直ぐに進行しております!さらに隙をついて盗み出したマキモノには…」ニンブルラビットが懐から取り出したマキモノには「ドラゴンドージョー、支部襲撃作戦」の文字が!
「ソウカイヤ!?」「ここがバレたの!?」「逃げなきゃ!」「いや戦うんだ!」慌てふためくニュービー達!不安と恐怖が彼らの足を浮立たせる!その時!「イヤー!」グリンブルスティが突如鋭いシャウト!同時に石畳にその丸太めいた美しく強壮な足を叩きつける!その膝半ばより下は金属のサイバネに置換されており、彼女の強烈なシコにも耐え金属音を響かせた!「鎮まられよ、センパイ方!浮き足だっては敵の思う壺ですぞ!」
あたりの喧騒は静まり返り、ドージョー内は一旦冷静さを取り戻した。グリンブルスティはユカノとアウェイクドールに90℃オジギ。「すみません、出過ぎたマネを…」「いいえ、グリンブルスティ=サン。助かりました。」ユカノは礼を言うとアウェイクドールに向き直った。「まずは状況を把握しましょう。相手の目的は?人数は?あとどれくらいでここに到達するのか?わかっていることはありますか?」
「ハイ、彼らの会話を竹林に仕掛けておいたマイクが拾いました。」 アウェイクドールは手元のIRC接続水晶玉より会話を再生する。
『ザリ…ザリザリ…なぁ本当にここにドラゴンドージョーの支部なんてあるのかぁ?』『目撃情報があった。それで十分、我々は探すだけだ』『どうだか、派遣されてるニンジャは俺たちみたいな末端ばかりだろ?当てにされてないのさ』『どのみち極秘強制ジアゲ計画の予定地だ。竹林掃除はムダにならん』
「なるほど…完全に我々が標的ですが、存在を確信しているわけではないと。」「しかし彼らは竹林の広範囲を更地にするつもりのようです。逃げることはできないでしょう。」アウェイクドールは重苦しい表情で応える。ここでニンブルラビットが進み出た。
「直接彼らの本体を目にしたところ、戦力の内訳は存在するであろうニンジャ戦力を除けばニンジャ数人で落とせる規模です。今現在は休憩しテントを設営していますが…スピードを考えるとおそらくここに到着するまでそう長くかはかからない。また逃げても追いつかれるでしょう。つまり…」
「つまり…戦うしかないというわけですね!」ユカノの言葉ニンブルラビットは力強く頷く!「しかしドージョーの跡取りたるユカノ=サンと結界の要たるアウェイクドール=サンを危険晒す訳にはなりません。さしでまがしいことですが、此度はどうか私と…グリンブルスティ=サンに行かせてください!」グリンブルスティも頷く!「センパイのおっしゃる通りでございます!どうか我々に出撃許可を!」
アウェイクドールはしばらく目を閉じて沈思黙考!彼らを説得することの困難さや自体の逼迫度合いを鑑みて状況判断!ニンジャ達に向き直り指令を飛ばした!「わかりました…グリンブルスティ=サンとニンブルラビット=サンは即座に敵キャンプに向かい奇襲の形で戦闘を開始してください!客人のお二方は…」
ブラックフェザーとブルズアイは不敵に笑う。「困っている人を助けないのは腰抜け、哲学剣士マサシの言葉。微力ながらお力にならせていただく!」「同じく、ゲンドーソー=サンには返しきれない恩がある。少しでも報いたいからね。」アウェイクドールは二人に頭を下げる。「…お願いします。そしてできるならこれを…」
アウェイクドールが差し出したのはレンズ型の水晶の埋め込まれ魔術的紋様がショドーされたフロッピー!「こんなこともあろうかと、通信遮断と偽造情報発信を行う遅延プログラムを組んでおきました。遠隔ハッキングの類ではありませんので電子的防御の突破は皆さんにやってもらう必要がありますが増援は防げるでしょう…。その間に私は万一に備えてユカノ=サンとニュービーの皆さんを連れて脱出いたします。」
ニンブルラビットは胸を張って応える。「了解です!後で追いつきます!」「ご武運を!」「「「「イヤーッ!!」」」」四人のニンジャは同時に連続側転!塀を乗り越え丘を下りソウカイヤのキャンプへとダートめいて飛んで行く!アウェイクドールとユカノはそれを見届けると、すぐさまニュービー達と共に重要なマキモノや宝物、個人情報をまとめて脱出の準備を開始した…。
◆ソウカイヤのキャンプ
ソウカイヤのキャンプはドージョーの目と鼻の先に設営されていた。鬱蒼としたバンブーがところどころ切り開かれている。そしてそこでは例外なく地面が焼き焦げ、煙を上げており引き起こされた破壊を思い起こした。そうして作られた空き地に幾つかの仮設テントが建てられている。さらにクロスカタナの旗竿が複数。予想外の進行速度。もう少し打って出るのが遅れていれば…。
テントに襲いかかり返り討ちにあっであろう野生バイオスモトリやバイオパンダの死体を跨ぎながらキャンプに踏み入った四人は少し離れた位置のテントに複数の気配を感じた。竹の影に紛れながら近づくと、簡素なスシをつまむ八つ子めいた黒服の男達!ソウカイヤの尖兵、ヨロシサン製薬の開発したクローンヤクザだ!
・マップ
◆クローンヤクザY-10型×8 (種別:モータル/バイオ生物/ヤクザ)
カラテ 1 体力 1
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ ー 万札 0
◇装備や特記事項
チャカ・ガン:遠隔武器、ダメージ1
「クローンヤクザか、雑魚でも数は侮れない。何より逃せばキャンプ全体に伝令されかねないですね。」ニンブルラビットは細目で敵を観察する。「でもまだこちらには気づいてないみたいだ。」「ならアンブッシュ重点一択ですな!初めは拙僧が行き、ジツをぶつけます!」四人は無言で頷きた合うとそれぞれ得物を構えた。突撃まで3、2、1…。
イクサ開始
1ターン目
0!「イヤーッ!」先陣を切って飛び出したブラックフェザーは竹を蹴り渡りクローンヤクザ達の頭上へ!「キェーッ!ソニック・ツキ!」奇妙なシャウトを絶叫しそれと同時に錫杖で虚空を連続ツキ!緑がかった鎌状真空波が発生しクローンヤクザ達を襲う!ブラックフェザーに宿しソウルのジツ、レッサー・ソニック・カラテ!「アバーッ!?」クローンヤクザ多数斬裂死!
「ダッテメコラー!」「スッゾーコラー!」生き残ったクローンヤクザがブラックフェザーに反撃のチャカガンを向ける!「ヌヌヌ…!」ブラックフェザーは慌てて空中で防御体勢!しかしヤクザ達の弾丸が放たれる前に更なる二人のニンジャが飛び出た!「「イヤーッ!イヤーッ!」」「「アバーッ!?」」ニンブルラビットの小弓とブルズアイの二丁チャカガンが生き残りのヤクザを虐殺!生き残りはもはや一人!
「スッゾコラー!」しかしクローンヤクザは一才怯まない!彼らに恐怖という感情は教育されていないのだ!弾丸発射!しかしその弾丸はニンジャ達に届くことはなかった。遅れて飛び出したもう一人のニンジャが素手でそれを弾き飛ばし、そのままクローンヤクザにトビゲリしたからだ!グリンブルスティ!「アバーッ!?」クローンヤクザは首の骨が折れ死亡!部隊全滅!
戦闘終了
ゴウランガ!恐るべきはニンジャのカラテ!二倍の人数差、相手全員が銃で武装した状態にも関わらず数秒もかからずに敵部隊全滅!ニンジャ達は無傷!息すら上がっていない!「ふむ、やはりみんなで戦うのはいいね。一人なら長引いていたよ。」ブルズアイはニ丁のチャカガンを回転させてホルスターに戻す。
「さぁ!先にすすみましょうぞ!」「まってください、先にUNIXを見つけなければ!」ニンブルラビットがそう言って周囲を見ればヤクザ達の周囲は今回の遠征のためだろうか、様々な物資が山と積まれていた。ヤクザ達の死体を踏み越え、四人は手分けして山とつまれた物資を漁る。しかし幾らかの物資が見つかるのみで情報媒体やマキモノの類は見つからない。
「ここではない…と言うわけだな。」グリンブルスティは使い道もわからぬ謎のテックを放り捨てる。「まだ先は長いよ、UNIXやマキモノみたいな大事な奴は奥の方に隠しておくのが闇社会の常識さ。」四人が探索を打ち切って先に進むと、さらなる巨大テント!ノーレンには「仮説物資置き場」のショドー!
中に入れば、物資の山の前にブッダデーモン像めいて二人のスモトリが立ち塞がっている!その身長2m近く!「フゥー、フゥーッ!」「ドッソイ!」額には太い血管が浮き出、食いしばられた歯の隙間からは泡が漏れている!ナムサン!決死の薬物興奮状態!ニンジャ相手にも怯むまい!
「引き下がられ…てはくれなさそうですな」ブラックフェザーはあごを撫でる。「問題ないよ。どのみちヤクザならクランのために捨て身が基本だ、手加減はシツレイにあたるさ。」ニンジャ達は再びカラテを構えスモトリ達に飛びかかった!
・マップ
◆スモトリヤクザ×2 (種別:モータル/ヤクザ/スモトリ)
カラテ 3 体力 4
ニューロン 1 精神力 2
ワザマエ 2 脚力 2
ジツ ー 万札 2
◇装備や特記事項
装備なし、スキル:『突撃』
『突撃』を行うと脚力の2倍までの距離を移動できる。
ただし曲がることも後戻りもできず、一直線の移動しかできない。
この移動時は一直線でさえあればナナメ方向への移動も可能である。
『突撃』の使用直後に近接攻撃を行う場合、そのダメージは+1となる。
ただし、『突撃』を使用したキャラは次の出番まで一切の回避が行えない。
(スモトリヤクザはもともとモータルなので回避行動は取れないが)
1ターン目
「イヤーッ!」ブラックフェザーはスモトリに対し錫杖の石突を構えて突撃!「グワーッ!?」厚い脂肪に錫杖が突き刺さる!「イヤーッ!」ブラックフェザーは一才の容赦無く石突から暴風のジツ、フージン・ジツを発射!「アバババーッ!?」スモトリは体の各所が避け、内部の空気が抜ける事故飛行船じみて全身から風と血を吹き散らして死亡!コワイ!
「ドッ…ドッソアバーッ!?」もう一人のスモトリは薬物興奮が一時切れ怯みながらもブラックフェザーに突撃せんとしたが、突如その巨体に無数の投擲物、矢、銃弾、スリケンが殺到!その全てが脂肪を貫き内臓に重篤ダメージ!スモトリ即死!全滅!
戦闘終了
「むむっ!ちと汚れてしまった!」ブラックフェザーは慌てて装束についた返り血を拭う。先ほどのニュービーとの試合ではブザマも見せたがイクサにおけるブラックフェザーは容赦なき殺戮者だ。そしてそれは他三人も同じ、精強なるスモトリといえども何の策もなくニンジャに勝てる道理はない。
四人は物資の山を覗いてみるが大半は食料や細々とした装備。どうやらかなりの長期間キャンプを展開するつもりであったようだ。転がる巨大な血まみれ死体を尻目に一行はさらに先に進む。
◆野外電算室
・マップ
次なるテントは椅子や机が置かれ、ある程度寛げる空間となっていた。簡易的な冷蔵庫やトイレが並ぶ中、その最奥に高さ1mほどの中型UNIXと端末、いくつかの冷却ファンが置かれていた。お目当ての品!おそらくここが簡易的な電算室なのであろう!そしてUNIXの前には茶色迷彩の男が座っていた。顔のメンポとクロスカタナの意匠。間違いない、ソウカイヤのニンジャだ。
「なっ!?何だ!?ヤクザ共はどうした!?」男は慌てて立ち上がる。「ドーモ、ドラゴン・ドージョーのニンブルラビットです。」「グリンブルスティです。」「ブルズアイです。」「ブラックフェザーです。」「ド、ドーモ!デッドリーフです!ドラゴン・ドージョー…おのれ原始人めら、もう嗅ぎつけたか!」
「4対1だ。命乞いするなら今のうちをオススメするよ?」ブルズアイは威圧的にチャカガンを煌めかせる。「フ…フン!文明を捨てたニンジャが我々ソウカイヤに敵うかよぉ!カカッテコイ!」デッドリーフは機械化された片腕でカラテを構える!「その意気やヨシ!我らも全力で挑もう!」グリンブルスティの高らかな宣言と共に両者の間で殺意が衝突し周囲の雰囲気が一段と重くなる!イクサ開始!
◆デッドリーフ
◆デッドリーフ(種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 3
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 2 脚力 2
ジツ 0 万札 5
攻撃/射撃/機先/電脳 3/4/4/2
回避/精密/側転/発動 3/3/3/0
◇装備や特記事項
▶︎サイバネアイlv1、▶︎テッコlv1
タクティカルニンジャ装束
光学迷彩コート
1ターン目
BLAM!BLAM!「イヤーッ!」先手を取ったのはドージョー勢!ブルズアイの二丁チャカガンとブラックフェザーのソニック・ツキがデッドリーフめがけて発射された!「ヌゥー!?」ニンジャはモータルとは違う。デッドリーフも単なる銃撃ならば問題なく見て避けられたであろう。しかし二人の射撃の軌道は絶妙な時間差で放たれニンジャにも回避困難な体勢をしいる射撃陣形!「グワーッ!?」弾丸命中!
「クソッ!」だがデッドリーフもニンジャ!デッドリーフ(枯葉)装束で素早く地面に伏せ周囲に紛れレッサー・ステルス状態!そのまま滑るように移動!ブラックフェザーに接近して合金テッコによるカラテストレートを見舞った!しかし手傷が思ったよりも深く距離を見誤って空振り!そしてその隙が見逃されるほどニンジャの世界は甘くない!
「イヤーッ!」ブラックフェザーは瞬時に錫杖を回転させ横向きの竜巻めいた突風が発生!「グワーっ!?」竹の枯葉と共に吹き飛ばされ大きく後退するデッドリーフ!致命的な隙!タイミングを合わせてニンブルラビットの小弓が放たれた!「イヤーッ!」「アバーッ!?」風に加速された矢がデッドリーフの額に直撃!そのまま後方のバンブーに縫い付けられ爆発四散!「サヨナラ!」イクサ決着!
戦闘終了
「孤軍奮闘。中々のイクサ振りだったぞ。」グリンブルスティの呟きと共に四人はそれぞれのザンシンを解く。ニンブルラビットは爆発四散痕に残された装束とサイバネパーツの残骸を一瞬眺める。先ほどまでのモータルとは動きがやはり違う。(やはりニンジャは動きも脅威も段違いだ…)四人の戦闘者は無言で心構えをもう一度引き締めた。
「さっ!兎にも角にもUNIXは確保しましたぞ!ただ拙僧はハッキングは不得手で…」「じゃあ私がやるよ、〝穴〟は一応空いてるんだ」ブルズアイは首筋から生体LANケーブルを取り出すとUNIXに差し込みハッキングを開始した。その間に他のニンジャ達は物資を漁ってさらなる情報を探す。
「だめだな。物理的なものでめぼしい情報は残っていない。」ニンブルラビットが段ボールのボックスをひっくり返しながら呟く。「UNIXの方は大当たりみたいだよ。今出すね。」ブルズアイがそういうと備えられた簡易マキモノ形成機能付きプリンターから吸い出された情報が吐き出されてきた。
ニンブルラビットはそれを手に取り開く。今回の任務内容について書かれた部分に目を走らせて見ると、概ねこうだ。今回来たのはドラゴンドージョー捜索もあるが主な目的はジアゲ用アジトの作成でありニンジャ以外の戦力は最低限、予備部隊も待機していないこと。ただ周囲の組織情報には不明点も多く、万一の戦闘に備えて四人のニンジャが同行しており、いずれも斥候部門の末端ニンジャとある。
「ニンジャが四人…!」ニンブルラビットは思わず息を呑む。末端なれども実力は自分たちとほぼ同等だろう。この数が揃えば相当な戦力だ。「でも今一人殺した。三対四、数の利は得たね。」ブルズアイの言葉にブラックフェザーも頷く。「ウム、それにこの内容が正しければ相手方はそれ以外の戦力自体は乏しく即座の援軍も期待できないご様子。十分な希望ですぞ!」
「…なるほど、確かにそうです。それにどのみち我々には進んで戦う以外の選択肢はありませんしね。」ニンブルラビットは再確認するように呟く。ニュービー達の盾となるのが今回の彼らの役割なのだ。「ハイ、案ずるより産むが易し…というコトワザもありますぞ!」
「そうと決まればフロッピーを差し込んでASAP前進だ!集合される前に各個撃破せねばな!」四人はUNIXにアウェイクドールのフロッピーを差し込む。備え付けられた水晶が鳥獣戯画めいたネズミのアニメーションを写し出し、偽造情報が発信され始めたことを確認すると、次なるテントを目指し出した。その時!
◆奇襲
四人は同時に地面から微かな振動を察知!新手ッ!!互いに警告を発するよりも早く、振動は瞬時にグリンブルスティの足元まで近づくと、地面から人間大の影が勢いよく飛び出してきた!「イヤーッ!!」
影はロケットの如く2m以上の巨体のグリンブルスティの顔面の高さまで上昇!手に持った刃物、重厚な手斧を顔面目掛けて振り下ろす!「イヤーッ!」グリンブルスティはしかし、逞しい両腕でこれを白刃どり!そのまま捻り上げてへし折ろうとする!「イヤーッ!」しかし影はその前に斧をグリンブルスティの掌の間から抜き取り回転着地、反撃を許さぬ速度で再び地面に潜り込んだ!
ゴウランガ!この間、わずか3秒足らず!「グリンブルスティ=サン!ご無事で!?」「…あぁ!問題ない!」「おのれ、ドトン・ジツの類か!?正体を表せ!」ブラックフェザーの声に応えるように四人から少し離れた地点から黒い影が浮き上がり不遜にアイサツした。「ドーモ、タルピダイです。ほぉー、避けたか。少しはできるようだな?」
・タルピダイ
◆タルピダイ(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 5
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 2 脚力 2
ジツ 2 万札 7
攻撃/射撃/機先/電脳 5/2/3/3
回避/精密/側転/発動 5/3/2/6
◇装備や特記事項
『⭐︎ドトン・ジツLV3』『◉ニンジャソウルの闇』
パーソナルメンポ
伝統的ニンジャ装束
手斧:『近接武器』、『戦闘スタイル:強攻撃』、『連続側転難易度+1』
四人もそれぞれアイサツを返す。「ドーモ、ドラゴン・ドージョーのニンブルラビットです!」「グリンブルスティです!」「ブラックフェザーです!」「ブルズアイです。枯葉の次は人間モグラか。ソウカイヤとは存外オーガニック派なんだね。意外と気が合うんじゃない?」ブルズアイは不敵な笑みを浮かべて挑発!
タルピタイはその言葉には応えず鼻を鳴らす。「フン、ゾロゾロと仙人気取りの骨董品がやってきたな。まぁもうそろそろだろうとは思っていたが」「先手を取られたにしては、まるで到来を予期していたかのような物言いだな?」ニンブルラビットの言葉にタルピダイは嘲笑いながら答える。「マキモノが一つ消えていたからな。用心深いものなら相手のスパイを疑う。」
「なるほど、その割にはデッドリーフ=サンは呑気にしておられたが」ブラックフェザーは首を傾げる。タルピダイは鼻を鳴らす。「なるほど、奴は死んだか。マキモノ紛失を重くとらえず油断しているからそうなるのだ。だがアヤツは俺たちの中でももっともサンシタだった男。俺とヤツ一緒にするなよ。貴様らなど俺一人で十分だ。」「それが誇大妄想ではないことを祈ろう」ニンブルラビットは言う。ニンジャ達は会話を終えるとカラテを構えた。キリングオーラの衝突で空気が澱む。イクサ開始!
・マップ
1ターン目
「イヤーッ!」タルピダイは猛然と突進!彼はドラゴン・ドージョーを本格的に見下しており、攻撃に躊躇がない!「油断しすぎだね!」BLAM!BLAM!「グワーッ!?」側面に回ったブルズアイの弾丸がタルピダイの鎖骨に連続命中!さらにその隙を逃さずもう片側の側面に回ったブラックフェザーのハサミ討ちめいた錫杖刺突!「ガラ空きであるぞ!イヤーッ!」「グワーッ!?」さらに命中!
「これでトドメだ!イヤーッ!」さらに前方からニンブルラビットの矢が迫る!「クソッ!イヤーッ!」しかし既に立ち止まって防御姿勢を取っていたタルピダイはこれを斧で叩き落とす!「貴様ー!!仙人モドキの癖に文明利機を使いおって!」「私はドージョーの所属じゃないからね。それに文明に溺れるのがダメであって使うのはセーフなのさ。」「オノレー!!まずは貴様からだ!」
タルピダイは怒りの声と共に地中に潜航!地面にモグラ塚めいた隆起を引き起こしながら超スピードで突進!そのままブルズアイの足元から勢いよく垂直に飛び出した!「イヤーッ!」
ナムサン!土流操作による押し出しじみた加速でそのスピード、まさにミサイルの如し!!凄まじい速度で振るわれた手斧を避けきれずブルズアイの皮膚が切り裂かれる!「ンアー!」さらにタルピダイは射出の勢いそのまま数十メートル上昇!落下加速し全体重を乗せた兜割り追撃を放った!「イヤーッ!」
凄まじい速度!当たれば死!「イヤーッ!」しかしブルズアイはサイバネ強化された神経系をフル回転させ動きを見切り身を翻して半身避け!ワザマエ!「ナニーッ!?」「組織で無理矢理された改造も役に立つねぇ!」「オノレー!仙人気取りの骨董品どもめー!」「隙あり!イヤーッ!」
後方から飛びかかったグリンブルスティの強烈なストンプ!ジツ攻撃の後の致命的な隙を狙った時間差アンブッシュだ!「ヌッ!?イヤーッ!」しかしタルピダイは振り返り咄嗟にオノを盾めいて防御!「受け止めるとはな!」「チィー!厄介なやはり一人一人潰す!」戦意衰えず!
2ターン目
「じゃあ私も忘れないでね!」BLAM!「グワーッ!?」グリンブルスティの攻撃を受け止めたタルピダイに痛みが走った!ナムサン!タルピダイの攻撃を避けたブルズアイは既に体勢を立て直し反撃銃撃を行ったのだ!「グガ…」白目を剥くタルピダイ!今の銃撃に加えて先ほどのコンビネーションダメージが効いているのだ!
「再び隙アリ!」「グワーッ!?」銃撃に怯んだタルピタイをグリンブルスティが丸太のような腕でホールド!捕獲する!「ヌゥー!?ハナセー!!」抜け出せぬ!「サラバ!イヤーッ!」ブラックフェザーが放った横薙ぎの真空波斬撃がグリンブルスティを避けながら回避困難なタルピタイの頸部に命中!「アバーッ!?サヨナラ!」首を刎ねられ爆発四散!
戦闘終了
「フゥー…ナムアミダブツでござる…ブルズアイ=サン!ご無事で!?」「あ、あぁ…咄嗟に後方に下がったからね、傷は浅い。でも二段目を受けていたら死んでたかも。中々強かったよ。」みれば平坦な胸の上にナナメに浅い傷!致命傷ではないが無視できないダメージだ。「困ったね。簡単なメディキットならあるんだが」
「フーム…まぁ問題ないでしょうな!ニンブルラビット=サン、この先のアレは…」「…?あぁ!相手方は価値に気づけないでしょう…おそらく無事かと」「なんだどうしたのだ?」何やら話し始めたニンブルラビットとブラックフェザーについていけず、思わず質問するグリンブルスティ。「あぁ、貴女にはまだ説明していなかったですね。とりあえずついてきてください。」
テントを抜けしばらく歩くと、竹林の中に水が湧き出ているポイントがあった。澄み切った水の中には見事なマスやコイが泳いでいる。「我々のドージョーの秘匿していた、癒しの泉ですよ」
・泉
「これは湧水でしてな。以前伺った時に地脈を辿って私が見つけたのです。エテルや天然のカンポ成分が滲み出ており、回復作用があるのですよ。スシネタ用の生簀にも使ってますな。」ブラックフェザーの説明してある間にニンブルラビットは懐から竹筒を取り出し水を汲む。ソウカイヤの暴虐によりいくつかの銃弾や焦げ葉で汚染されてはいるが湧水部付近のものならば大丈夫だろう。
「まさかこんな便利なものがあるなんてね。ありがたく使わせてもらうよ」竹筒を受け取ったブルズアイは湧水で傷口を洗うと手元のメディキットから塗り薬を取り出し塗り付ける。傷口は強化されたニンジャ回復力で煙をあげ塞がっていく。ニンジャの生命力ならこれに包帯を巻けば十分戦闘できるだろう。「さっ、先に進もうか。多分あと少しだよ」
◆ソウカイヤ本部テント
さらに少し行くと四人は泉付近に一際大きいテントを発見した。入り口には仮設的なセンサートリイゲートが置かれ、「ソウカイヤ本陣」「合言葉な」などと書かれた旗がたなびいている。奥には二つのニンジャソウル反応と…戦闘兵器のものと思わられる唸り声じみたエンジン音。
「おそらくここが本丸…ですかな?」「だろうね。頭数も合っている。一二の三のタイミングでいこうかニンブルラビット=サン!」「ハイ!では行きますよ…」四人が奇襲をかけようとカラテを構えたその時!鋭いカラテシャウトがトリイから飛び出てきた!「イヤーッ!!」
戦闘開始
・コーシャス
◆コーシャス(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ 0 万札 5
攻撃/射撃/機先/電脳 4/5/4/5
回避/精密/側転/発動 4/4/4/0
◇装備や特記事項
『▶︎サイバネアイlv1』『▶︎生体LAN端子lv1』『▶︎テッコlv1』『◉一瞬の勝機』
・ブリガンド
◆ブリガンド (種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 5
ニューロン 4 精神力 6
ワザマエ 5 脚力 4
ジツ 3 万札 7
攻撃/射撃/機先/電脳 5/6/4/4
回避/精密/側転/発動 5/6/5/7
◇装備や特記事項
パーソナルメンポ
トロ粉末
『⭐︎ステルスジツlv2』
『◉滅多蹴り』『◉常人の三倍の脚力』
『◉トライアングルリープ』『◉不屈の精神』
『◉ニンジャソウルの闇』
・改造モーターヤブ
◆改造モーターヤブ
カラテ 6 体力 10
ニューロン 3 精神力 ー
ワザマエ 6 脚力 3
ジツ ー 万札 5
◇装備やスキル
オムラ・ガトリングガン:遠隔武器、連射3、ダメージ2、範囲攻撃2x2、重火器
オムラ・マシンガン:遠隔武器、連射3、ダメージ1、小銃
ショック・サスマタ:近接武器、ダメージ2
戦闘兵器:このルールを持つキャラに「カナシバリ・ジツ」などの精神攻撃は作用しない。
・マップ
1ターン目
飛び出してきたのは草色の影!見事なバンブー・トライアングルリープを決めて四人の頭上を通り過ぎ最後尾のグリンブルスティに急降下連続カラテ!「イヤーッ!イヤーッ!」「敵!?イヤーッ!イヤーッ!」グリンブルスティはこれを巨体に見合わぬコンパクトな動作で捌き切る!
「アンブッシュか!?」「GO!GO!先に突撃だ!」先頭のブルズアイは草色の影を視認すると同時に後方の三人に呼びかけた!先手を取られた以上1秒でも早く突入し、戦闘体勢をとらねばならない!「「「イヤーッ!」」」三人が連続側転してテント内にエントリー!「させるか!」「こっちのセリフだ!」草色の影が追おうとするが殿に残ったグリンブルスティが巨体でブロック!
一方テント内!「ブリガンド=サン!?一体どうした!?」中にはデッドリーフめいた困惑サイバネニンジャと、その隣に恐るべき魔改造モーターヤブ!概ね人型の金属巨体、逆関節の脚。左腕は回転電磁ソー、右腕は薙ぎ払いバンブー抹殺バルカン、そして暴徒鎮圧用か頭部には複数の小型銃口!そして機体には禍々しいクロスカタナのショドー!ニンジャでも突破が難しい鬱蒼とした竹林に対する武装、おそらくこの作戦の要だ!
「な…なんだ貴様らは!」アイサツすることすら忘れているデッドリーフめいたニンジャをよそに三人はアンブッシュ攻撃を敢行!ブラックフェザーは錫杖を振り回して薙ぎ払い真空波斬撃、ブルズアイは無数の弾丸、ニンブルラビットは一度に複数つがえた矢を放つ!『ピガガガガーッ!?』ゴウランガ!金属製の装甲の隙間にニンジャの遠隔攻撃が吸い込まれみるみるうちに巨大多脚戦車が解体されていく!が、しかし!
『ピガーッ!モーターヤブは奇襲攻撃を許さないです!』ニンジャの地獄めいたサンダンウチになおも耐える改造モーターヤブ!『投降は許可されていません!』反撃のガトリングガン掃射を開始!すかさずニンジャ達は咄嗟に屈んで回避!BLATATATATATATATA!頭上を通り過ぎた弾が後方のバンブー林にぶつかり爆発し、消し飛ばす!
ゴウランガ!この竹林には通常のバンブーに紛れて鋼の四倍の強靭さを持つバイオバンブーが生えているがそれすらもへし折るとは!この竹林に作られたいくつもの黒焦げ空き地はほぼこのモーターヤブ1機が作り出したものなのだ!ニンジャでも危険、ドージョー支部に到達すれば間違いなくニュービーはゼンメツだ!
『ゼツメツゼツメツゼツメツゼツメツだ!』さらにモーターヤブはバイオバンブー10本を同時に切断するプラズマ・パズソーを唸らせニンジャ達に迫る!アブナイ!だがそこに飛び出る影あり!「イヤーッ!!」『ピガーッ!?』
ゴウランガ!飛び出てきたのはグリンブルスティ!ガトリング掃射を横目で確認した彼女は草色の影に背を向け反撃を許さぬ速度でクラウチングスタート!ヤブの元まで曲線を描いた突撃をかまし、強烈なタックルラリアートを放ったのだ!戦闘兵器の巨体が吹き飛び後方の竹林へと激突!『ピガー!?』
ゴウランガ!バンブーに叩きつけられた衝撃で、既にサンダンウチで損傷を受けていた数箇所の関節が欠落!轟音を立てて爆発四散した!『サヨナラ!』「結果的にアンブッシュは成功…だな!」グリンブルスティがニカリと笑う!
2ターン目
「あ…あぁモーターヤブが…」デッドリーフめいたニンジャはスクラップと化したヤブの前で頭を抱える。「オモチャ一つで情けないぞ、ソウカイヤ=サン!ドーモ、ドラゴン・ドージョー見習いのグリンブルスティです!」「ドーモ、フリーランスのブルズアイです」「ヤマブシのブラックフェザーです」「ドラゴン・ドージョーのニンブルラビットです!本日はあなた方のキャンプを殲滅しに参りました!」
このアイサツに鳥居ゲートを潜り再度テントにエントリーしてきた草色のニンジャがアイサツ。「ドラゴン・ドージョー、先手を取られた。どうやらタレコミは本当だったようだな…ドーモ、ブリガンドです。」続けて呆然としていたデッドリーフめいたニンジャがアイサツ。「ド、ドーモ、コーシャスです!」
「その様子ではタルピダイとデッドリーフはやられたようだな。独断専行するからそうなるのだ。インガオホーよ。」ブリガンドは無感情に言い捨てる。「随分な言草だな、死んでいった仲間への敬意はないのか?」ニンブルラビットが咎める。「仲間?敬意?我々はソウカイヤだ。有能さだけが全ての価値よ。」ブリガンドはカラテを構える。「そして俺はお前達を倒しドージョーを潰し価値を証明しラオモト=サンからボーナスが貰う。我らの糧となれ!」イクサ再開!
「多少のカラテで調子に乗るなよ、イヤーッ!」真っ先に動いたのはコーシャス!先ほどは油断し本領発揮できていなかったが元来の彼は強化された反射神経や視神経により高い素早さを誇るのだ!ハチガネからモノクルタイプのサイバーサングラスを下ろし連続側転で距離を取ると、鋭いスリケンを投擲!狙いはブラックフェザー!
「イヤーッ!」ブラックフェザーは風を起こしてスリケンを逸らす!「カッカッカーッ!拙僧のジツに飛び道具は無意味ですぞー!!」「お前のジツは少し厄介だな」「えっ?」ナムサン!次の瞬間、声と共に突如としてブラックフェザーの眼前にブリガンドが出現!気配遮断のジツ、ステルス・ジツだ!「イヤーッ!」「グワーッ!?」鋭い前蹴りが命中!「弱敵!」
「グ…イヤーッ!」ブラックフェザーは痛みを堪えつつ反撃の錫杖刺突!「フン…」しかしブリガンドはこれをバックステップで悠々避け、追撃じみて放たれたブルズアイの銃弾をも拳で叩き落とすと再び周囲に溶けこむ!ステルスによる不意打ち攻撃を狙っているのだ!
一方ニンブルラビットとグリンブルスティはコーシャスに狙いを定める!「イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!」相手の動きを限定させる連写矢とビッグトビゲリのコンボ攻撃!「フッ、ホッ!ハッ!」しかしコーシャスはサイバーサングラスでこの連携を看破!サイバネ置換した指先で2本の矢をつまみ取りグリンブルスティに目掛けて投げ返す!グリンブルスティは慌てて体を捻って回避するも狙いから外れた地点へと着地!立ち上がりはソウカイヤ側優勢だ!
3ターン目
「次は貴様だ、半端文明女!イヤーッ!」コーシャスはまたもや連続側転しつつ、今度はブルズアイにスリケン投擲!しかしスリケンは明後日の方向へ!サイバーサングラスによるターゲッティングがあるとはいえこのニンジャ密度で高速移動しつつスリケンを放つのは至難の技だ!
「オミゴト!」ブルズアイは挑発的に賞賛しつつ反撃射撃!BLAM!「グワーッ!?オノレー!」命中!しかしニンジャは銃弾一発では殺せぬ!「何をやっているんだ、バカめ」一方ブリガンドは呆れた言葉共にニンブルラビットの頭上に再出現!落下の勢いを乗せた連続蹴りを放つ!「イヤーッ!イヤーッ!」「また現れたか!イヤーッ!イヤーッ!」ニンブルラビットはこれをコンパクトなジュー・ジツの動きで受け流す!
「チッ」ブリガンドは舌打ちして再び周囲に溶け込もうとする!「逃がすか!イヤーッ!」「助太刀!イヤーッ!」ニンブルラビットはブラックフェザーの放ったジェット・ツキに合わせて反撃のカラテチョップを放つがブリガンドはいずれも体を傾けて回避!そのまま空中に掻き消える!「クソッ、実体が掴めん!」
ステルスによって周囲の空間に溶け込みながら、速度と威力、二つのカラテによって翻弄する!まさにブリガンド(山賊・ゲリラ兵)の襲撃の如し!「イヤーッ!」「イヤーッ!」一方グリンブルスティもコーシャスに駆け寄り丸太めいた腕でカラテパンチを放つが避けられる!「チッ、中々当たらん!」
4ターン目
「イヤーッ!」グリンブルスティの攻撃を避けたコーシャスは連続側転!例の如く距離を取りスリケン攻撃を放つかと思いきや…側面に回り込みグリンブルスティにランスめいたチョップを放った!コーシャスのサイバネ置換された合金製指先がアイスピックめいてグリンブルスティの喉笛に迫る!本来はセンサー類が搭載された探査用のサイバネではあるが、ニンジャの速度が合わさり十二分な殺傷性!「イヤーッ!!」
「イヤーッ!」グリンブルスティはヒキャクを起動させてバックステップめいてギリギリの回避!「ノーカラテだと思ったかぁ?へへっ俺はコーシャス(注意深い)。名の通りの性格でなぁ。このサイバーサングラスで運動パターンを掴んでからじゃないとカラテできないのさぁ!」嘲笑うコーシャス!「そして後ろだ。」グリンブルスティの後方に今度はブリガンドが出現!
「イヤーッ!」「グワーッ!?」トビゲリが後頭部にクリーンヒット!グリンブルスティの巨体が揺らめく!回転着地したブリガンドはせせら笑う!「弱敵ばかりだな…戦闘兵器の相手がせいぜいか?」「そうはいっても油断してはダメだぜ、ブリガンド=サン、おれもようやく冷静になったところだ。まぁ勝ちの目が見えてきたのは同意するが」
「言われたい放題だね、まだやれるかい?グリンブルスティ=サン、ブラックフェザー=サン」ブルズアイはニヒルに笑いながら手傷を負った二人に発破をかける!「なんの!これしきの傷!」「当然!まだまだ安泰よ!竜のカラテを見せてやるぞ!」二人はカラテを張らして応える!さらにニンブルラビットも手の弓を背負うとカラテの構え!「ドラゴン・ドージョーを…舐めるなよ。イヤーッ!」
四人のカラテと銃撃がソウカイヤに殺到!しかしソウカイニンジャ達はこれを全て危うくも回避!「負け犬の遠吠えか!コーシャス=サン!一気に片付けるぞ!」「おうよ!」イクサのアトモスフィアが一段と深まる!
5ターン目
「イヤーッ!一番ヒョロそうなお前から死にな!」四人の猛攻をいち早く抜け出したコーシャスはブラックフェザー目掛けて振り下ろしチョップ!「なんのー!イヤーッ!」ブラックフェザーは風を竜巻めいて纏った渾身のミキサー的錫杖殴打で迎え撃つ!両者交錯!だが着地した二人は無傷だ!何故!?互いに距離を見誤った空振りだ。互いに気まずく着地!
ブルズアイのブラックフェザーとの連携を見越した銃撃も空を切り当たらない!「すまない!」「いいさ、次は当てるよ!」二人はコーシャスを包囲する動き!手早く一人確実に殺すのだ!!「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」一方ブリガンドはニンブルラビットに急接近してカラテ乱打!ジュージュツ防御にも限界、一発喰らう!「グワーッ!?」打ち合う両者はテントを飛び出て泉近くまで!
「イ…イヤーッ!」ニンブルラビットは反撃!大振りの回し蹴りを繰り出す!「何だ?そんなもの当たるわけが…」「イヤーッ!」「グワーッ!?」ブリガンドの背後から飛び出たグリンブルスティのトビゲリがブリガンドの頭部にヒット!大振りの蹴りは目眩し!「ハッハー!ようやく当たったな!さっきのお返しだ!」そのままニンブルラビットとともにブリガンド包囲!テント外に三人のニンジャが飛び出た形だ!
6ターン目
「チッ!調子付くなよ!」コーシャスは身を翻して今度はブルズアイに接近!サイバネ指先を用いた鉤爪じみたフック!恐るべき速度のキドニーを狙った確殺攻撃!ドクン…。ブルズアイの主観時間が泥めいて澱み、全てがスローモーションとなる。その時間の中でブルズアイは二丁拳銃を同時発射し、その勢いに乗って高速ブリッジ。コーシャスの致命フックを避ける!なんたるピストルカラテ亜種めいた異次元回避!
「バカナー!?」ブルズアイはそのままマカーコを繰り返して距離を取りながら叫ぶ!「今だ!ブラックフェザー=サン!」コーシャスは反射的に背後を振り返る!ブラックフェザーは風を衣めいて纏い、ヒサツの構えを既に完成させていた!「お覚悟!イヤーッ!」ゴウランガ!フージンの風を纏ったブラックフェザーは弾かれたように刺突突撃!
コーシャスはブラックフェザーの竜巻めいたヒサツの突進を、そのサイバーサングラスで捉えていた。捉えていた、捉えていたが、体が動かぬ!カラテがついてゆかぬ!(見えている。)錫杖の石突が迫る。(見えている。)自身の顔面に吸い寄せられていく。(見えている!)サイバーサングラスに先端が触れる。(見えているのに!!)
次の瞬間、到達した錫杖刺突がサングラスを砕きコーシャスの目玉に深々と刺さった!「アバーッ!?」悶絶!「イヤーッ!」さらにブラックフェザーの無慈悲なダメ押し!錫杖から発生したカラテ暴風の爆発で頭部が消し飛ぶ!「アバーッ!?」コーシャスの首なし死体は揺らめいて倒れ込み、爆発四散!「サヨナラ!」
「なに…!?」カラテ直撃のショックから回復しグリンブルスティとカラテを打ち合っていたブリガンドは相棒の死に動揺を隠せぬ!ナムアミダブツ!複数対複数ニンジャのイクサにおいて背中を預ける味方の存在は非常に大きい!互いの隙をカバーし合うことでその防御力、生存能力は3倍近く上昇する!逆に言えば孤立はほぼ死!コーシャス亡き今やブリガンドは孤立無縁、非常にデッドリーな状況なのだ!
そしてその動揺の隙が見逃されるなど、ニンジャのイクサではありえない!「隙あり!イヤーッ!」BLAM!BLAM!「グワッ!?グワワーッ!?」テントから放たれた弾丸とニンブルラビットの矢がブリガンドの全身に命中!一瞬で死に体だ!「イヤーッ!!」カイシャクじみて放たれたグリンブルスティのタックルは何とかいなすが相当な深手!ナムサン!戦局は一気にドージョー側へと傾いた!
7ターン目
絶対絶命のピンチ!しかしブリガンドは即座に状況判断!(逃走重点!)その場から跳び見事な竹を蹴って三回転ジャンプ!さらに竹を蹴って加速してニンジャ達を振り切り大ジャンプ!ドージョー勢が侵入してきた方向、ニンブルラビット目掛けて駆け抜けんとする!「なっ…逃走だと!?」困惑するニンジャ達にニンブルラビットが叫ぶ!「奴は斥候だ!情報を持ち帰るつもりだ!逃がさないでください!」
「了解ですぞ!イヤー…あっと!?」ブラックフェザーは慌てて追いかけんとするが倒れ込む!コーシャスのカイシャクにカラテを使いすぎたか!ブルズアイが銃弾を放つがステルスで輪郭を自在にゆらめかせながらジグザグ走行するブリガンドには当たらない!グリンブルスティはクラウチングスタートでタックル確保に向かったが相手の方が早い!ナムサン!ドージョーのニンジャ達は歴戦の斥候ニンジャの執念を見誤ったのだ!
「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!ここまでやられるとはッ…!…思っても見なかったッ!せめて、こいつらと支部の位置の情報だけでも…!」駆け抜けるブリガンド!向かう泉エリアの出口で立ち塞がるはニンブルラビット!最後の砦だ!「スゥーッ!ハァーッ!」見真似チャドー呼吸を数瞬行ったニンブルラビットはカラテを構えて立ち塞がろうと…「イヤーッ!」「グワーッ!?」ブリガンドのキックが炸裂!ニンブルラビットがのけ反る間にブリガンドはその後ろへと駆け抜けんとする!
ナムサン!このままブリガンドは逃げおおせ、無慈悲な追撃部隊を派遣されてしまうのか!?否!!「待…て!」ドクン。ニンブルラビットが声を上げると共に周囲の速度が泥めいて澱んだかと思うと、ニンブルラビットの意識は竹林の中のドージョー、すなわち自身の精神世界へと飛んだ!その外れ、シメナワで大岩に縛り付けられているのは漆黒の影!荒野でのイクサにて肉体を奪い操ったニンブルラビットに憑依せしニンジャソウルである!
ニンブルラビットは影に命ずる!「力を貸せ」『俺の力を使うというのか?拒絶しておいて!?無礼!無礼すぎてヤンナルネ!』ざらついた不快な声!「悪いが私はお前だ、それはお前の力というだけだはなく俺の力でもある。」ニンブルラビットは手から綱めいた光の繊維を取り出すと影の一部に繋いだ…。『こわっぱめ!ヤメロー!!』視界が現実へと戻る!
「イヤーッ!!」ニンブルラビットは渾身の力を込めてその場で竜巻じみて回転!強烈な回し蹴りをブリガンドの背に放つ!ゴウランガ!その速度は先ほどまでの比ではなく、その輪郭には黒い煙のようなオーラすら纏わりついている!しかし!「イヤーッ!」ゴウランガ!鏡写しめいてブリガンドも回転!迎撃回し蹴りを放った!アトモスフィアの変化を過敏に感じ取った反撃!両者のキックがカタナ同士の打ち合いめいてクロス!互角!?否!!
「スゥー、ハァー!スゥー、ハァー!」ニンブルラビットは打ち合った瞬間より未熟なチャドーの力を後付けめいて脚に注ぎ込んでいた!その度にニンブルラビットの全身からは黒い煙が吹き出て脚にまとわりつく!均衡状態が徐々に、確実にニンブルラビットへと傾く!「ナニーッ!?イ…イヤ…」「イヤァァァァー!ッ!」ブリガンドが危機を察知し後方に飛び跳ねるよりもなお早く!ニンブルラビットの時間差強化回し蹴りがブリガンドの脚をへし折った!「アバーッ!?」
「イヤーッ!」さらにニンブルラビットの容赦なき追撃!回し蹴りの回転の勢いのままに、伸び上がるような螺旋アッパーをブリガンドの心臓に叩き込む!「アバーッ!?」ブリガンドの心臓が破裂!「コボッ…む…虚しい勝利/実際安い/インガオホー!こ…これで勝ったと思わぬことだ、ドラゴン・ドージョー=サン…!サヨナラ!」ブリガンドは最後の力でハイクを詠み、壮絶に爆発四散!イクサ決着!
戦闘終了
「スゥー…ハァー…スゥー…ハァー…」ニンブルラビットが息を整えるたび、黒い煙が晴れていく。再びソウルの力は封じられたのだ。「ニンブルラビット=サン…今のは一体…?」グリンブルスティが困惑した顔で見る。「何らかのジツ…にしては少し禍々しいような…?」「これについては…聞かないでくれ。いずれ話すし、センセイもご存じだ。」グリンブルスティはしばし沈黙し頷く。「…わかった、深くは聞かないでおこう!」ブルズアイとブラックフェザーも続いて頷く。
ニンジャに秘密はつきもの。特にジツの類にあっては親しいものや兄弟弟子にも秘することが多いのだ。「ありがたい…」ニンブルラビットはオジギする。そしてブリガンドの爆発四散痕を眺めた。最後のカラテ、あの荒野で自覚し務めて制御してきた闇の衝動に頼ってしまった。場合によっては暴走していたかもしれない。実際あの荒野ではニンジャソウルの闇に飲まれていたのだ。ソウカイヤのニンジャと自分達の境はあまりにも薄い。「ナムアミダブツ…」静かに呟く。仲間達に向き直る。
「アウェイクドール=サンの偽造情報があるとはいえ、油断はできない。手早く片付けて撤収しましょう!」「おう!」「承知した!」「了解!」ニンブルラビットの号令と共に、四人のニンジャは傷の応急手当て、簡易的なニンジャやヤクザの埋葬と弔い、情報や物資の回収などを行い主を失ったテント群を離れた。
◆エピローグ
夕暮れ時、ドージョーのある丘まで来るとすでにもぬけの空。本殿の場所やメンバーや協力者の情報を含め全てが回収され尽くしていた。「手早い撤退だね。あらかじめ訓練でもしてたのかい?」「ええ時折…何にせよ、追いかけなければ。ドローンかアニマルに文を持たせてもらう手筈ですが…」「ロウオォォーン!!」突如反対方向の竹林から巨大な唸り声!
「何だ!?敵の増援か!?」グリンブルスティがカラテを構える!「いや、この鳴き声、以前耳にした気が…もしや!」ブラックフェザーの声に応えるように竹林か飛び出したのはマンモスの如き巨大バッファロー!その後ろには小屋の如き巨大な牛車!「これは…ドージョー本殿の牛車!?」御者席の小柄な影がアイサツする!「ドーモ、ドラゴン・ゲンドーソーです。どうやら良いタイミングだったようだな」
ゴウランガ!この小さな老人こそ、ローシ・ニンジャのカイデン・ネームを賜った日本最後のリアルニンジャにして現ドラゴン・ドージョー師範、ドラゴン・ゲンドーソーその人である!その目は油断なく、非力そうに見える肉体からは仄かに絶大なカラテの気配。ゲンドーソーは興奮状態のバッファローを威圧だけで鎮めると見事な三回転ジャンプを決め、牛車からニンブルラビット達の眼前へと着地した!
「センセイ!」「なぜここに!?」「ニンジャがいると聞いてな。オヌシ達が敗北していた場合、始末をつける必要があった。さて」ゲンドーソーはそれだけ言うとニンブルラビットとグリンブルスティを睨みつける。「オヌシ達は未熟。ニンジャとはなるべく戦うなと言ったはずだが?」
「ハイ!しかしユカノ=サンと結界の要であるアウェイクドール=サンを除外すればあの場で戦えるものは我々が主だったため、行動させてもらいました!」「なるほど、増上慢!」ゲンドーソー、一喝!「勝てたから良いものの敗北したら?良くて爆発四散、捕縛され拷問などされたらどうする!?なぜワシ達に任せユカノ達と共に避難せんかった!」
しょげかえる二人の門下に対して、しかしゲンドーソーは鼻を鳴らして続けた。「しかしこの場では打って出るのが適解であったことは事実、四人ものニンジャを撃破するとはアッパレだ。此度のイクサはしかしと糧とせよ、我が弟子達よ」「ハッ…!」「ありがたきお言葉…!」二人は同時にオジギ!((弟子と認めていただいた…!))二人は感激に震える。互いに見習いと謹慎の身、半ば正式な弟子とはいえぬ立場であったのだ。それが今、認められ報われたのだ。
ゲンドーソーは今度はブラックフェザーとブルズアイに向き直る。「ブラックフェザー=サン、ブルズアイ=サン。客人の身であられながら愚かな弟子どもにご助力くださり、師匠として深く感謝したい。アリガトウゴザイマス。」ゲンドーソーは深く頭を下げる。「いえいえいえ!あの場で助太刀せぬはそれこそ腰抜け!普段からお世話になっているからこそですぞ!」「頭を上げてくださいよ。自分はまだまだアンタ達に恩を返しきれてないんだから。」
ゲンドーソーは顔を上げて困惑する二人に言う。「わかりました。ではせめてものお礼です。我々は支部が不安定となりましたので、しばし別の隠れ家にてニュービーや弟子達を隠します。そちらでしばし傷を癒してくだされ」「そうですか?ではお言葉に甘えて…」「結構ダメージを受けたからね。正直ありがたいよ。こちらこそお礼を言わなくちゃ」「では乗られよ、お前達も早く乗れ。ソウカイヤの追っ手が来るやも知らぬぞ」
「お…お師匠様、運転なら私が…!」ニンブルラビットが進み出るが制される。「構わぬ、傷を負った身で運転される方がむしろアブナイだ。オヌシも傷を癒して次なる鍛錬に備えよ」ゲンドーソーに急かされ、四人は次々に牛車に乗り込んだ。中には質素な笹のスシパックやオーガニックのフートンが置かれている。「乗ったな?では行くぞ!ハイヤーッ!」「ロウオーン!」
牛車は丘を駆け降り、竹林へと飛び込んだ。後ろの籠からはしばし話し声が聞こえたが、やがて牛車の中は静寂に包まれた。みな疲れて眠り果ててしまったのだ。ゲンドーソーは四人を起こさぬよう、バッファローの声を鎮めさせ、巧みなテクニックで極力の静音走行、斥候部隊に連絡しに来た別の部隊のソウカイニンジャをも声も立たさせず轢き殺した。(サヨナラッ!)
(しかし、まさかソウカイヤを退けるとはな…)リアルニンジャ、ゲンドーソーは弟子の成長とユウジョウに、未来への喜びと自らのありし日の過去のノスタルジアによる笑みを浮かべた。厳格なゲンドーソーには珍しい柔らかな笑みだった。いつのまにか登った月が竹林と牛車を照らす。バンブーはオーガニックでも日に1mは伸びるという。破壊しつくされた竹林もすでにタケノコが再生し伸び上がっていた。あたかも駆け上がる若竜の如く。
【ヤングドラゴンズ・グロウ・アップ・ライク・タケノコ】終わり
◆リザルト
余暇スロットは4。報酬は以下のページを参考にします。
今回は評価報酬テンプレート2:威信に関わるビズを少し調整して採用しました。
万札プール62 一人あたり15 あまりの万札2はローンのあるグリンブルスティとブルズアイにそれぞれ分配します。
・ニンブルラビット
・余暇後ステータス
◆ニンブルラビット(種別:ニンジャ)所属:ドラゴン・ドージョー見習い 名声2
カラテ5 体力7
ニューロン3 精神力4
ワザマエ6 脚力3
ジツ0 万札1
攻撃/射撃/機先/電脳 6/7/3/3
回避/精密/側転/発動 6/7/6/0
緊急回避ダイス:0 即応ダイス:5
◇装備や特記事項
『◉スリケン乱射』『◉トライアングルリープ』『ニンジャソウルの闇』『◉忠誠心:ドラゴン・ドージョー』
ルールブックを眺めていたところ忠誠心に体力+1補正が追加されていましたのでこのタイミングでその分の修正をしておきます。高い耐久力と機動力を持つニンジャとなりました。反面知性的な面で柔軟性に欠け、シノギや調査が苦手なのはなんというか…らしいですね。
・グリンブルスティ
◆グリンブルスティ(種別:ニンジャ)所属:ドラゴン・ドージョー見習い 名声2
カラテ5 体力6
ニューロン3 精神力3
ワザマエ3 脚力5
ジツ1 万札1
攻撃/射撃/機先/電脳 5/3/3/3
回避/精密/側転/発動 5/3/3/4
緊急回避ダイス:0 即応ダイス:5
◇装備や特記事項
『⭐︎巨大化の秘技lv1』『◉常人の三倍の脚力』、『◉知識:カチグミエリア』
○生い立ち:元ヒキャク・パルクール(陸上選手)
カラテは十分なのでそれ以外の部分を埋めていきましょう。ジツ値は今下手に上がるのはリスキーなのでしばらくこのままでしょうか?シノギではビッグの力を利用して近隣の村々で肉体労働していたのでしょうか。
・ブラックフェザー
◆ブラックフェザー(種別:ニンジャ)所属:ドラゴン・ドージョー見習い 名声2
カラテ4 体力4
ニューロン4 精神力4
ワザマエ5 脚力3
ジツ3 万札1
攻撃/射撃/機先/電脳 4/5/4/4
回避/精密/側転/発動 5/5/5/7
緊急回避ダイス:0 即応ダイス:4
◇装備や特記事項
『⭐︎カラテミサイルlv3』『◉知識:宗教』
カタナ(錫杖)
○生い立ち:信心深い
色々なステータスが上がりました。カタナでの攻撃が安定し、脚力も上がったので前衛もこなせます。本業のヤマブシ業も順調なようです。
・ブルズアイ
◆ブルズアイ(種別:ニンジャ)所属:フリーランス 名声2
カラテ3 体力3
ニューロン3 精神力4
ワザマエ5 脚力3
ジツ0 万札1
攻撃/射撃/機先/電脳 3/6/4/5
回避/精密/側転/発動 5/5/5/0
緊急回避ダイス:1 即応ダイス:3
◇装備や特記事項
▶︎生体LAN端子lv1
テックガントレット
チャカガン×2
『◉知識:銃器』
家族の写真
○生い立ち:キラーマシーン教育
あまりダイスが振るわずさほど変化はありません。装備面の方は中々充実しつつあります。今後はウィークポイント射撃などをとっていきましょう。シノギではヨージンボなどの些細な仕事でもしているのでしょうか?中々儲かっているようです。
終わりに
いかがだったでしょうか?拙い文章ですが楽しんでいただければ幸いです。
ニンジャスレイヤーTRPGはソウカイヤPCでのプレイが初期キャンペイングとして収録されていますが、読み替え次第でこのようなプレイも可能です。邪悪なニンジャ組織としてだけでなく、ニンジャスレイヤーと共闘したり、市民を悪の手から守ったりといったヒロイックな活躍もできますし、実際そういったキャンペイングリプレイも開催されています。シナリオのタイプやMAPの有無など意外といろんなプレイスタイルが楽しめるシステムです。書籍版を手にした方も是非色々な遊び方をしてみてください!ではまた次のリプレイで!
◆おまけ◆
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?