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台風の影響で誰も居なくなった終末の秋葉原を「唯一生存した人類最後のオタク」ぶって歩いてみよう

 タイトル通りです。せっかく秋葉原に住んでいるので、広告のサイネージだけが妖しく光るディストピア感を味わってみようと散歩してきました。

 なお、自分は下記の理由で本当に傘が苦手なので、何も持たずに堂々と歩き、まるで台風なんか来ていない通常の日常かのように歩いていたら、通行人たちが漏れなくビビっていました。

 どのみち、そのへんに壊れた傘が転がっている上に、もはや小傘程度ではどうにもならないので、あまり関係なかったです。

 まずは、秋葉原に行く前に、台風のお約束である川を見に行きましょう。とぼとぼと反対方向にある隅田川へ。いつもカップルがイチャついていたり、アニメみたいな露出度の外人女性が日焼けしたりしている場所です。最悪交尾中のカップルを見かけることもあるので、レアキャラの遭遇率が高い序盤のダンジョンのような印象が。

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 直近でプレイしたゲームが「ゼルダの伝説夢をみる島」だったこともあり、道が浅く浸水している光景のゲームっぽさに驚く。奥が海につながっていて浅い水場からだんだんと水中戦闘に慣れていく構成のステージっぽい。

 立入禁止だったので、これ以上は進めませんでした。それも合わせてゲームらしさが。イベント後に開放されるヤツ。

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 昭和通り付近のセブンイレブン。ぱっと見ると、これが一番終末感ありますね。奥で民衆が立て籠もって、どのタイミングで外へ飛び出すか話し合ってそうな雰囲気。「こんな状況で、なんで人間同士で争っているんだ!!!」的な。右側に消防車のランプが反射しているのもらしい。

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 誰も居ない秋葉原駅。シャッターが半端に空いているのも、異生物が緊急事態っぽくて良い。「イリヤの空 UFOの夏」の序盤を連想させますね。僕はよく深夜の秋葉原を散歩したり、それを記事にもしてきたのですが、

 土曜の夜に人っ子一人居ない様子は初めてで、心躍ります。駅構内を抜けて奥に進みましょう。

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 人気がないのに関わらず、サイネージや看板の光が足元を照らすラジ館前。終わった世界でもブシロードの宣伝は止まらないのでしょうね。よくよく考えると、オタクの欲望が凝縮された器のようなラジ館の隣にアコムがあるの象徴的ですね。

 いつもはイヤになる程オタクで溢れかえっている、あのラジ館の喧騒が一夜にして無に。あの日起きた戦争によって、サブカルチャーは全て過去のものとなったのでしょう。

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 LAOXの上部にあるモニタは放送休止に。この画面初めて見ました。もう電気街なんて機能しなくなり、流れる映像を眺める通行人すら居ない街に。星空と大木という組み合わせが絶妙。

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 「安全・安心 元気なアキバ」と書いてある幟に対して、静まり返った秋葉原。実は右手にあるアドアーズは営業中です。どんなにプライズフィギュアが好きだとしても、この雨の中でまでUFOキャッチャーしにくるのは間違いなく狂人。当然のようにお客さんはおりません。

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 無人の交差点でライトアップされるラビットハウスの面々。全員がこちらに手を伸ばし微笑みかけているので、「オタクが死ぬ前に直前に見る光景」かと思いました。

 ちなみに真下にある大黒屋で鞄を持ち寄ったら、だいぶ下に見られてしまったので、数十メートル先のモードオフへダメ元で査定してみると6倍の値段で引き取ってくれました。

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 外に設置されるモニタは「信号なし」に。国の偉い人が「もう秋葉原は助かりようがありません! みなさん急いで避難してください!」と叫ぶ映像が止まり、砂嵐が流れたと思ったら、気づくとコレになっているのでしょう。

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 どうせ誰も居ないので、試しに道のど真ん中で自撮りしてみましたが、妙に光が反射したことも相まって、いい塩梅の終末感に。「生きてる人、いますか?」状態。

 ある程度は写真に収めて、そしてなにより寒いので帰ろうとしたところ……

このようなエモい出来事が。バッドエンドだと思って歩いていた世界観から、一気にトゥルーエンドへ。大雨の背景であることからplanetarianのようなストーリーが始まるのでしょう。

 こんな日に働かせるのもどうかと思いますが、静寂に包まれた電気街にメイド喫茶だけは不変として在る安心感は凄い。しかし、ずぶ濡れの僕が入店するのはどう考えても迷惑なので、そのまま帰ります。もし、秋葉原に平和な日常が戻ったら、……その時は勇気をだして入店しようと思います。

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 これはポケットをガチャガチャしていたら、いつの間にか撮影されていた「闇」です。この台風が何ヶ月も続けば、いずれは真の暗闇が訪れるのでしょう……。

 さよなら。


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