見出し画像

選り抜き一口エッセイ: 霊夢と魔理沙

 やっぱり自分には、東方の二次創作としてゆっくり解説を観ている側面がある。ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙が話す様子を通して、本物の霊夢と魔理沙を幻視しているのです。
 まず、魔理沙が幻想郷を快活に飛び回り、いろんな情報……生活に密接な豆知識から、そんなこと人生のどこで役立つんだというトリビアまで、分け隔てなく。そして、魔理沙はそれを嬉しそうに霊夢へ話にいく。専門的な知識を披露し、それに戸惑う霊夢を小馬鹿にしつつ、彼女の素朴な意見も大切に尊重しながら。
 霊夢も魔理沙の奔放ぶりに口では呆れているが、自分を毎回訪ねてくることにきっと喜びも感じていると思う。なんだかんだ言いながらも、魔理沙が遊びに来ない日は、心配したり暇を持て余して不貞腐れているのかもしれない。
 そして、また懲りずに遊びに来た魔理沙が仕入れた情報を聞き、それに一喜一憂する日々を繰り返す。僕らは、その様子をゆっくり動画を通して覗き込んでおり、そんな視聴者に対して二人は「ゆっくりしていってね!」と暖かく出迎えてくれている。こんなに嬉しく、優しいことがあるでしょうか。
 霊夢も魔理沙も、そんな日常を大事にしているに違いない。ゆっくりの姿でふざけてはいるが、互いのことを想いあっている筈だ。だから、ゆっくり霊夢は動画の最後に言うのだ、「今日も面白い話が聞けたわ。ありがとう魔理沙」と。その瞬間のゆっくり霊夢に、本物の霊夢が魔理沙へ笑顔を向けている姿が重なってならない。

 毎日のエッセイをまとめた同人誌を販売中です。最近、新刊が出たばかりですので、よければこれを読んでゆっくりしていってね!

 商業エッセイ集の方も、よろしくお願いします。まだ若くて忙しい内容ですので、あまりゆっくりはできません。

サポートされるとうれしい。