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一口エッセイ:延期した当時の心境とプロデューサーの判断

 マスターアップして、もう心配することは何も無いので、ゲームが延期した時の話をします。延期直前は本当に怖かったです。出来上がったものに対し、「もっと面白くできるんじゃないか?」とチームみんなが思っていた筈。やりたかったことは沢山残るものの、期間と予算の都合があるので仕方ない。不安は感じるが、それは初めてゲームを作ったからで、こんなものさと言い聞かせていました。
 これに対して、身内褒めになってしまい恐縮ですが、プロデューサーの判断力とチームへの信頼が凄かった。なんと、発売直前にして延期を認めたのだ。こんなこと通常なら、あり得ないでしょう。
 各所に迷惑がかかる上に、ファンも裏切る。スタッフたちを拘束する費用も倍になるわけで、並の経営者ならそんなこと許さない。「アプデで対応するから」「まず費用を回収しなきゃ」となるのが当然。数ヶ月前ならまだいいが、あの時は本当にリリース直前だったのに。でも、延期してくれた。僕らがもっと最高のゲームに仕上げ、延期に費やすお金以上のリターンをもたらすと信じてくれたわけです。これは嬉しい。完全に素人な僕の「こだわり」を買ったんだ。余程の度胸がないとできない。
 結果的に、今回は胸張って全てを注ぎ込めたと断言できる。もし僕がユーザー側だったとしたら、ツボを押さえられすぎて逆にブチギレながら全クリするね。確かな手応えを感じた時は、ちゃんと自信が湧くものなんだなぁと勉強になりました。チームとプロデューサーには頭が上がらない……カッコいい人たちです。ま、シナリオ全部書いた僕もめちゃくちゃ凄いけど! そこは自慢させてもらいます。


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