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上海サイン会

上海のインディーイベントにてサイン会を行いました。明日はトークショーもサイン会もある! 


 さて、無事にイベント一日目を終えたわけですが、実はサイン会に参加できる人数が急遽半分になりました。公安によって規制がかかったのです。すごいことだぜ。

 このインディーイベントはどんどん規模が大きくなり、去年のサイン会はZUNさんだったのですが、あまりの大熱狂っぷりに会場は混乱して列がたいへんなことになった。中国の公安は大規模イベントをだいたい把握しているので、今回の僕の番も目をつけていたわけですね。

 で。元より先月から情調不安定だった僕が、無理やり中国に連れてこられたことで大人の人間関係に限界がきてパニックへ陥り上海で逃げ出したのですが、プロデューサーは失踪を向こうのSNSに書き込んでニュースになったのです。まあ数時間以上も同行人が連絡不能になったらそうするだろうし、僕も僕で異国で独りですから精神はさらに乱れに乱れましたが。

 どうにかそれ自体はエンタメに見えなくもない形で折り合いをつけたものの、この件含めたSNSでのニディガ人気はヤバいなと判断して公安はイベント会場へ連絡。 


 当日は保安を担当する警備員がぞろぞろ集まり、僕が登壇するまでの道を作ってくれました。僕の歩行に連動してたくさんの逞しい男たちが動くのすごすぎる! 誰もまったくオタクイベントに興味無さそうなこともポイント高し。

 それはそれとして人数無制限だと去年と同じく混乱するので、サイン会も抽選式へ変更を余儀なくされる。自分で蒔いた種でもあるし、参加者が多すぎるのは誰も悪くない。というか一時間もサインし続けるとヘトヘトになったので、これが人数無制限だとただでさえ痛みで震えていた足が完全に持たない。今日もすでに昨日の歩行で足が耐えきれず会場で項垂れていたらファンから声をかけられ続けるので、近くの商業施設へ逃げた。

 屋上遊園地は癒される。中国の建物やアトラクションはどれも大きく広々としていて素晴らしいですね。あと店員さんがだいたいテンション高くてフレンドリー。サーキットを独り占めしている子供の自由さが羨ましいよ。

 話はサイン会に戻り、ファンたちへサインを書いている際、がんばって日本語で「あなたの作品がどれだけ好きか」を伝えてくれた方も多く、たくさん差し入れも頂いた。僕が来ることが直前まで確定されなかったのに関わらず、抽選に漏れた方々も柵の向こうへ集まって様子を見ていたりするのも嬉しい。本当はサインくらい全員に書きたいですけどね。申し訳ないです。明日も頑張ります。脚のマッサージ屋さんにも行ったよ。おかげでわりと楽になりました。

 プロデューサーが強制的に仕事を入れたり、社会的な人間関係を強いる(今回のイベント含め)ことは、ついに実際に逃げ出しちゃったくらいには限界を感じているのですが、ファンに会える、しかも海外のファンに会える機会自体は貴重なうえに楽しく、応援されるたび、ブースの展示を楽しんでくれるたび、何事にも代え難い喜びを感じています。ありがと。この光景のために無理やりにでも連れてきたのも頷ける。

 なので、明日も保安の人に囲まれながら充実したひとときを過ごせると思いますし(こんな人間を見捨てずに居てくれるみなさんには頭が上がりません)、仕事は仕事なので誰も悪くないのは承知しておりますが、それはそれとしてこのままだと僕の精神は近いうちに壊れる。人気の裏には、多大な負荷や苦労、あとシンプルに作業量が積み重なっているのです。これは綺麗事や社交辞令でなく、今日明日はみんながイベントに喜んでくれている様子が見られるから僕はまだ立って歩くことができている。もうすでに夜遅く、明日のトークショーは寝不足確定ですが、おやすみなさい。

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