一口エッセイ:テキストサイトの灯火
今週末にて開催の文学フリマに、いつも通り毎日のエッセイまとめを出します。今回は5巻目。
さて、こうして毎日日記を書いて投稿し続けて、2年が経ちました。700回以上のエッセイを投稿し続けてきたわけで、恐らく合計100万文字くらいは書いているのではないでしょうか。えらすぎるだろ……。思わず自画自賛ですよ。
さらに、今年からは今までスクショ一枚に抑える縛りも解いて、文字数が2倍3倍になっていますから、これまで一冊140ページだった同人誌も、今回は190ページへ! そのぶん、印刷代が増えてしまっているわけで、それに伴い値段も上げようかなと悩みましたが、やっぱりいつもと同じ1500円のままにすることにしました。
所詮はnoteを遡れば全て読める内容ですし、日記のまとめというニッチな本なので、印刷代や諸々を引いてトントンになれば御の字。では、何のために同人誌を出し続けているかと言うと、本という媒体で「自分の生きた証」を残しておきたいからです。
僕は、ある作家さんがテキストサイト時代に書いた日記に心を救われました。今では、人気ライターとなっている作家ですが、まだ何者でもなかった時代の鬱々とした文章が一番輝いて見えた。こんなにも自意識を直接ネットに出力していいんだと感動し、あの時の気持ちをフォロワーに伝えるため、こうして黒背景をスクショするという方法を使ってまで、毎日テキストサイトらしさを感じさせる文章を投稿しているのだ。
体裁や体面なんて関係ない。ネットで忌み嫌われてきた自分語りや感情の吐露を繰り返していく。ドストエフスキーの『地下室の手記』のように、悲しみも喜びも、すべての感情を孤独に記していく。そうすることしかできない人間がいる。
そんな自分の活動の証を、いつか誰かに受け取って欲しい。データはいずれ消えるかもしれないが、本なら残る。例え、ごくごく一部の変わった人間しか読まなくとも、そのごくごく一部の糧になるならそれでいい。沙耶の言う「その砂漠に、たった一人でもその花を愛してくれる人がいるって知ったとき」と同じ心情なのですね。
いずれ僕が活動を辞めてしまっても、テキストサイトの灯火を誰かが継いでくれるかもしれない。そう願って、時間やお金に囚われず、ただただ文を書いて同人誌を製作し続けていくのです。
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