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ANIMEつくるよ

 アニメ、アニメ、アニメを作るぞ。
 ということで、みんなに黙って一年前から執筆を進めていたアニメ脚本全13話分が完成しました。やったね!


 会社の会議室で缶詰になり、深夜2時すぎにようやく提出。こんな時間まで残ってくれた数人のプロデューサーたちと「うおおおお」になってそのままのテンションで呟く。まあ完成と言いつつ、細かい部分は限界まで書き直しますけどね。あと最初の1話は大きく書き直したい。はじめに書いた分、ラストに比べてアニメ脚本の要領が掴めておらず納得がいっていない。と、まだやれるだけやりますが、少なくとも毎週の締め切りに苦しんで徹夜を続けて死にそうになる期間は一旦終わったのです。おめでとう!
 なぜ、このタイミングでツイートすることを許可してもらえたか。これはシンプルに自信があるからです。書いた通り、僕は誇張抜きにこれまでの全てを脚本へぶつけたし、億を越えるお金を出す各社の酔狂なプロデューサー陣もその賭けに乗ったのだ。性格上、僕は自分の文章を一文字たりとも他人に委ねたくないので、アニメの企画時(これはまだ詳しく書かない)の条件として「僕が全部脚本を書く」ことは譲れなかった。結果、当前のようにそれを許してくれるスタッフたちに恵まれ、そして理解のある彼らは僕が好きなように書き連ねた13話分の台本を楽しみに毎回読み合わせ、これはいけるぞとノリノリで合わせてくれるのです。
 僕も、彼らの期待やアシストには全力で応えたい。途中で倒れぬよう週3でジムに通い、プロットから含めて約一年、ひたすらに脚本へのめり込んだ。体力作り程度にしか考えてなかった筋トレも、半年以上経った今では100キロのバーベルでスクワットが可能となり、服のサイズが一回り大きくなった。脚本が進むたびに精神は削れていくものの、肉体がムキムキになっていく過程は、何か間違っているんじゃないかと不安になる。おかげで、少なくとも以降は僕が徹夜で苦しむ回数は大幅で減るので耐え抜いたのだ。拍手。
 自分で言うのもなんですが、これは間違いなく面白い。ニディガ完成時、プロデューサーから「感性は人それぞれだから自分の作品を面白いと書くのはやめてね」と釘を刺されたものの、僕は自分にとってめちゃくちゃ最高な作品ができたと自信があったので「面白いゲームができました!」と全然書いた。今回も「面白い脚本を書いた!!!」と胸を張って言える。少なくとも、もう一人僕が存在したとして、この脚本を読んだら絶対に喜ぶ。だから、良いのだ。
 僕の立ち位置は特異点だ。クリエイターとも作家ともインフルエンサーとも言えるし、何でもないアニメアイコンそのものから始まった事実もある。この立場で自由に書いていいと言われたのだから、そりゃ変な作品ができる。先々月に刊行した小説『蜘蛛』も変な本だと思う。変なものって面白いのだ。変だから。今回の脚本もアニメの常識からは外れているだろう。それを望まれて、その特異性にベットしてもらえたのだから、僕は十二分に働いた。脚本を上げるたび、プロデューサーたちが感動して褒めちぎってくれることが何より心躍る。早くお前らにもお披露目したいよ。
 さて、真面目な話、脚本があがったとて2年はかかる。これから絵コンテに一年。作画に一年をざっくり費やす。僕は背景に拘りがあるので、まずはオランダにも行く。モンドリアンの本場を浴びて、たくさんの写真を撮る。そして次は絵コンテ、アニメの設計図を何度も何度も打ち合わせを重ねて進める。設計図があれば、あとは地獄の作画作業。お久しぶり先生デザインの魅力を余すことなく発揮するため、アニメーターたちに必死に頭を下げながらキャラクターたちへアニメイト(命を吹き込む)する。
 言葉は無粋。アニメーションが組み上がっていくのだから、あとは観てくれればいい。ニディガ企画時は25歳までの感性。今回はニディガ後に感じた、様々な感情を含めた30歳までの感性をすべて注ぎ込む。アニメーターなどは気軽に話しかけてください。ぜひ、たくさんのお話を聞かせてくれたら嬉しい。僕には原案・脚本・総監修として少しでも満足いく作品にする義務がある。
 生きる目標があるのは、とても幸福なことです。以前は理想のゲーム、今回は理想のアニメ。夢のような場を用意してくれたスタッフ陣には感謝してもしきれない。恩は必ず作品で返す。それしか価値のない人間なのだからやるしかない。ANIME、泣いても笑っても2年頑張るよ。今日はとにかくたくさん眠るね……おやすみなさい。

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