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『わんだふるぷりきゅあ!』第21話 まゆとユキのスクールライフ

 『わんだふるぷりきゅあ!』第21話 、この回は卑怯だ。

 女の子同士の距離感の近いプリキュアの中でも、「飼い主を守るため擬人化した一途な美少女と引っ込み思案な飼い主の美少女」という関係性は特段ヤバい。ここまでヤバいぜ……と画面に張り付いてしまったのは、もはや擬似夫婦レベルであったまほプリ以来である。
 中身は猫なのだから、教室でいくらでも顔を近づけていい。授業中に飼い主へ甘えに来たって当然。猫なのだから。同じ机に座ったっていい。猫に人間の常識なぞ必要ない。あまりにズルすぎる。それでいて猫(ユキ)の一挙手一投足に「美人」の記号を散りばめている。こんな白い美人が同じ教室で美少女に堂々と愛情を向けている様子を見せられたら、クラスメイトの脳みそもも元に戻れなくなるだろ。

 僕らはどうすればいい?
 画面に映る彼女たちは、いついかなる時もキラキラと輝き、視聴者たちを魅了し続ける。あまりの光景に呆然としているうちに、ガッチャードとブンブンジャーが終わっちゃうんだけど。
 先生も生徒も、「この二人の時間を邪魔してはいけない」以外の思考を奪われちゃうだろ。僕だったら怖くて話しかけられないよ。「あなたたちの分も授業や掃除をしておきますから、どうかそのまま二人で座っていてください」と遠くから祈り続ける他ない。そして、それは幸福なことである。


 どうする? あなたの教室にまゆとユキが居たら。皆が見ている前でいっしょにご飯を食べ始め、片方がすごく穏やかに優しい顔で相手を愛で、もう片方はその仕草に慌てつつもたしかに温もりを感じていたら。勉強とか進路とかどうでもいいだろ。高校や大学にプリキュアは居るか? じゃあ行く意味ない。人生で最も美しい瞬間は今なんだよ。
 学費ってこの光景を眺めるために支払っているのだろうか。じゃあまゆとユキの居ない中学なんか行かなくて正解だった。クラスの生徒たちは同じ席に座ってイチャつかないし、なんなら美術部が作った球体の石膏でボーリングして窓を割っていた。


 完敗だ。
 ニチアサ追い続けて20年。何度も「負け、だな」と思わされてきた。直近だと、仮面ライダービルドの最終回とか。戦隊ならヨドンナ様全般。プリキュアはナルシストルーの徹底した悪の美学に、二人組ならえみるとルールーに「負け、だな」と感じてきた。

 うーん、これは令和で一番負けたかもな。言い訳できないね。変身ポーズなんか「勘弁してくれ」と思いましたもん。「これ以上、僕の頭をおかしくしないでくれませんか?」とお手上げだった。これがあと半年続く。劇場版もある。来年以降もオールスターとして登場していくのでしょう。助けてくれ。

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