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にゃるらが良いと思った曲2023年10月

↑先月の。


・JUNGLE FIRE feat. MOTSU/芹澤 優

 『頭文字D』後継作、『MFゴースト』主題歌。サムネの時点で車体に刻まれている「86」の数字が憎い!
 聴けばわかるし、わからなければわからない。これはもうマジで凄い。タイトルの『JUNGLE FIRE』の時点でもう満点。イントロから完璧。ラップパートで大バンザイ。サビの盛り上がりで拍手喝采。当時ですら古臭さかったユーロビートを復活させた『頭文字D』の音楽面での素晴らしさが、そっくりそのまま令和の世に再現されている。前作のファンで、この曲に文句をつけられる人間が居るのだろうか。
 最近の芹澤優さんが、妙にノリノリなラップありの曲を歌っていたのが伏線だったとは。


 この時の興奮そのまま。
 ザ・頭文字D。ザ・AVEX。人気作の続編で、ここまでファンが望んでいるものを「外さない」強度から、製作陣への敬意と信頼を感じさせる。僕だって車を持っていたら今すぐこの曲流しながら峠を攻めに行きてえよ。

・ハロウィーンタウンへようこそ/マリリン・マンソン

 ハロウィンだったので。すっかりマリリン・マンソンの曲かと思っていたら、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のカバーだったことを後から知った。
 マンソンの曲にしては曲名が妙にかわいいうえに何故か最初から日本語訳されている! と違和感があったものの、なるほどどうりで。
 そういえば、今年はハロウィーンで盛り上がった子供たちのカボチャのランタンを神父が破壊したニュースがありましたね。

 あまりに馴染みすぎて気づかなかったけれども、たしかに悪魔を祀るような行事を、キリスト教の敷地内でやられたら怒るわな。それにしたってランタン破壊は思いっきたなと思いますが。宗教的なトラブルはなかなか日本人の感覚では想像できなくて興味深いですね。
 そう考えるとアンチクライストのマンソンにはピッタリの一曲だぜ。
 この曲を参照しようとYou Tubeで検索したら、曲に合わせてAIでMVを生成した動画が出てきた。おそらくAIを駆使した再生数稼ぎだと思われますが、凄い時代に突入したのものだ。悪魔崇拝すらAIで行われる。

・砂の果実/中谷美紀

 何度か紹介した、坂本龍一作曲の名曲『The Other Side of Love』に日本語歌詞をつけたバージョン……なのですが、天才作詞家・売野雅勇の癖と主張が強い作詞が加わったことで、原曲とまた全然違った噛みごたえとなっている。
 突然「生まれて来なければ 本当はよかったのに」とか「弱虫の偽善者は僕の方だったよね」など、原曲からは想像しきれない迫力の語彙が並ぶ。『天国より野蛮』もそうですが、中谷美紀の曲へ作詞する際の売野雅勇は、人間の善悪、高潔さをストレートに歌詞へ入れる。こればかりは聴いてもらわないとわからいので、ぜひ上記リンクからどうぞ。
 一応、無理やり分類すればラブソングとも言えるのだけれど、歌詞の清さがそんな領域から完全にはみ出しているという、唯一無二な聴き心地を体験させられる。

・Gertrauda/Mili

 曲をランダムしていたときに急に流れてきて、イントロで『旧支配者たちのキャロル』!? とビックリしたら、Miliのアルバムに収録された一曲でした。
 「唐突に聴いたら『旧支配者たちのキャロル』と勘違いしそうな曲ランキング」暫定一位。つまり、それだけふわっとした妖しさ、神々しさが同居している良い曲ですね。そもそも旧支配者たちの~自体が替え歌なので、原曲である『鐘のキャロル』を意識しての作曲の可能性はあるんじゃないかと睨んでいる(特に調べてはいない)。

・いとこ同士/ムーンライダーズ

 ムーン・ライダーズ好き……。
 これまでに紹介してきた曲はテクノポップらしいストーリー性を感じさせない歌詞でしたが、こちらは珍しく『いとこ同士』という曲名らしく人間関係の切なさ・儚さが言葉に載せられている。
 それでいてムーン・ライダーズ特有の静けさで溢れているので、熱っぽさを感じさせず、そのモノ哀しさが初期のテクノサウンドと相まって泣けるんだ。

・Kristina She Don't Know I Exist/Streetlight Manifesto

 guraの方で知っていたので、原曲ってあんなしっとりした失恋ソングじゃなくて、こんな陽気な青春の1ページみたいな感じなのか! とビックリした。

 同じ曲でも歌い方や曲調で印象がまるっきり変わる。というかguraの方は二次創作にありがちなドシリアスに振られているので、FanMVによるイメージも大きいか。
 通じない人には何言っているのかわからない謎の文章になった。こういう紹介の仕方もあるさ。

・MIND CIRCUS/中谷美紀

 作詞:売野雅勇、作曲:坂本龍一。
 これも上の方で紹介した『砂の果実』と同じ3人なので、坂本龍一の優しいサウンドと中谷美紀のボーカル、そこへ売野雅勇の個性バリバリの妙にギョッとするような歌詞が脳裏に焼き付く。

悲しい世界を清めるように 街角で笑って
君の誇りを汚すものから 君を守るから

 すごい迫力の歌詞。この頃の売野雅勇は「世界」を嫌いすぎていてカッコいい。結果的に、90年代終盤らしい閉塞感もどことなく感じられて曲の厚みが増しているように感じますね。

・Shout To Die/石野卓球

 電気グルーヴでなく『石野卓球』名義だとゴリゴリなテクノインストだらけになるので、作業のおともにいいです。ちょっぴり激しめだけど。
 PS版の『攻殻機動隊』のサントラが一番好きなんですけどね。あれはテクノ愛が詰まったうえで本編の世界観とベストマッチしすぎていて怖いくらいです。川井憲次や菅野よう子もいいけど、原作寄りの攻殻機動隊ならあっちのイメージですね。

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