こち亀で辿る秋葉原の変遷
・6月29日
こち亀で辿る秋葉原の変遷
・こち亀に秋葉原初メイン回
こち亀で初めて秋葉原がメインとなった回は、24巻「サムライ!の巻」。
1982年の秋葉原。日本の電気製品がナンバーワンだと考えている外人の兵隊たちに、電気屋ばかりの街である秋葉原を案内します。当然、漫画内でも背景は電気屋だらけ。
初期のこち亀では、名前はでてくるかも知れませんが、これ以降はほぼ秋葉原の出番はありません。そして時は過ぎて十数年後、こち亀に第一次アキバブームがやってきます。
・100巻目にして秋葉原が再登場
96年発売のこち亀98巻「電脳ラブストーリー」では、本田が恋愛シミュレーションゲームのためにパソコンを購入。ついにギャルゲーを購入し、本田の作中内でのオタク友達ポジションが確立。
そして99巻「C・Cカタ屋!!の巻」では、左近寺とともに怪しい安物ゲームに挑戦するという流れで、両津のゲームソフトの仕入先として秋葉原が登場。更にルビがアキバに!
この回は非常に迫力合ってオススメです。
電脳ラブストーリー、CGカタ屋と続いて、どんどんアキバっぽさが両津や周辺に染み付いてきた時期。両津がサブカルチャーに妙にうるさく、オタク仲間とウキウキ語り合う様子が愉快です。
そして満を持して、記念すべき100巻では、ついに両津が再び秋葉原へ。
この頃の秋本先生は、すっかりインターネットやコンピューターに夢中でして、100巻目の表題作も「インターネットで逢いましょう」に。素晴らしいタイトル。
そして、こちらが96年の秋葉原。2度目の秋葉原メイン回「両さんの秋葉原案内の巻」です。両津の解説通り、パソコンを中心に再び活性化したのがわかる街並み。「電気街から電子街になって来たよ」というセリフが良い。
まだブラウン管ですし、24巻と似たような構図ながら、すっかり変わった街並み。
中央通りではなく、超専門店街(マニアックゾーン)へ。ルビも良いですよね。店内の書き込みは流石の一言につきる。
パソコンブームと秋葉原の関係を描いた秋本先生。オタクネタやインターネットネタは急増したものの、しばらく秋葉原自体は登場しなくなりました。
・ようこそアキバへご主人さま
151巻。06年の秋葉原、3度目のメイン回。もはや言葉で説明するのは無粋なほどの変わりよう。「モエモエ大作戦」に「モエ恋」。完全に萌えに支配されている。ちなみに上の背景地点で後ろを振り返ってもアキハバラデパートは見えませんね。そしてアキハバラデパートも今や……。
ちなみに右上の「モエ恋」ですが……
本田がバイクのステッカーに貼られています。このイキった痛車からリーゼントの男が登場するのは威圧感があるでしょう。
159巻では、中野ブロードウェイが登場。
両津による中野と秋葉原のちがいの解説。今や秋葉原はすっかり観光客の街ですが、まんだらけソフビ館などが誕生し、若干レトロ要素が足されたりもしております。
170巻「アキバ新商売の巻」では、なんと背景が使いまわし! 萌えから秋葉原が変わってないのがわかります。
171巻「すれ違い奮闘記」では、アキヨド前にすれ違い通信などで溜まるおじさん視点での秋葉原が描かれました。
175巻でも殆ど秋葉原が登場しますが、あまり変化なし。
そして2014年、191巻「がんばれ秋葉原店の巻」では、こち亀最後の秋葉原が登場。
14年で、ここまで萌えが推されているかというと微妙ですが、それはともかくビジネス街から派生してのグルメの街としての秋葉原が描かれました。
というわけで、電気街から電子の街、萌えの街、そしてビジネス街兼飲食街へ。そして、こち亀で描かれなかった今は観光客の街に。
できれば、またこち亀で秋葉原が観てみたいものですね。