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一口エッセイ:ギャラクシーエンジェルの話

 僕の人生で5本の指に入るほど大好きなアニメ、『ギャラクシーエンジェル』がdアニメストアにきたので、懐かさに涙を溢れさせながらひたすら視聴しております。今でも殆ど覚えていて自分にビックリ。
 GAは、これまた複雑な事情でできた奇跡の作品なので、ちょっとだけ解説していきますね。



 まずアニメ一期。こちらは「カードキャプターさくらのスタッフが贈る美少女アニメ」の触れ込みでアニマックス内で放送。地上波でないので影が薄く、まだドタバタ感にアクセルがかかりきっていない印象でもありますが、セル画特有のノスタルジーや、まだ新人扱いであった田村ゆかり・沢城みゆきの成長の速さを体感できます。
 元々は、ザ・ギャルゲーなゲーム版のストーリーで進行する予定でしたが、製作の都合でゲーム版の設定が届かず、代わりにスタッフたちが原作無視して暴れ回ったことからアニメGAの伝説は始まる。あまりに暴れすぎたアニメ版からゲームに入ったオタクたちは、そのあまりのギャップで高熱がでること必至でしょう。スタッフたちに「思いっきり好きにやれ!」と決断した井上敏樹……いったい何者なんだ!? その暴れっぷりがドンブラザーズに受け継がれているの良いよね……。GAでも見たようなノリがドンブラで出ると、ギャグシーンなのに涙がでるよね。
 そして、ひょんなことから日曜朝に放送されることになった二期『ギャラクシーエンジェルZ』。デジタル作画に移行。
 朝になって各キャラクターの露出が減り、ギャグが子供向けになった分、毎週ドタバタ騒いで混沌として終わる激薬なアニメーションへと進化。ギャグのテンポもパロのセンスも尖りまくり、第4話Bパート『ウェンデングケーキ合体スペシャル』は、正に朝アニメならではのぶっ飛び具合を発揮しております。メインキャラクター5人中3人が、金のためなら仲間を殺すレベルの人格に成長(?)し、残り二人も天然ゆえに最も邪悪な主人公と、カルト宗教にハマった不思議っ子という塩梅に。ちなみに僕は4話Aパートが地味ながら一番好きだったりする。



 そして最も長く続いた3期『ギャラクシーエンジェルA/AA』。どの回にも脂が乗りまくっており、どこを切り取っても脚本と演出の暴走具合を楽しめる。『サインはブイヨン』『数珠繋ぎ打ちそばつなぎなし』あたりは、「メインキャラクターの半分以上の性格がカス」だからこそ実現できたGAらしい迫力のギャグが展開されます。個人的には14話『ピュルリク マジカルステーキ/気になるバウムクーヘン』に心を掴まれ、一生忘られない作品となりました。悩んだらまず3期をランダムに再生してみると、GAの面白さを堪能できることでしょう。

 4期『ギャラクシーエンジェルX』。深夜に移行したGA最後のクールであり、最終作だけあって最も混沌としております。深夜枠ならではの大人向けなパロディがふんだんに詰め込まれており(例えば上の画像はときメモパロ回)、僕は一番観返すのは4期ですが、ここから観るとあまりの「濃さ」に胸焼けする可能性があります。1〜3期までついてきたオタクへのご褒美的なイメージ。追加された新ヒロイン・烏丸ちとせがまた良いキャラしているんだ……。不憫キャラなのに可哀想過ぎずに笑って見られる塩梅に仕上げるバランス感覚が素晴らしい。
 『哀しみ憎しみ凍み豆腐』『成りアガリクスダケ』『ラブ米』……名エピソードがてんこ盛りで、不条理ギャグながらもきちんと可愛い時は可愛いギャップが百点満点。叶うなら一生エンジェル隊の活躍を観ていたかった……。令和のデ・ジ・キャラットがあるなら、令和のギャラクシーエンジェルも見せてくれ。井上敏樹もまだまだ絶好調なんだ! と毎晩祈り続ける日々です。



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