エッセイ:部屋にこもり続けていると鬱々と培養されていく陰なきもち
自分のような適当に生きているだけの人間が何か言うのもおこがましいなぁと、ここ最近の時勢については殆ど言及しないでいました。
そもそも部屋にこもってアニメ観て漫画読んで眠ってを繰り返す日々ですから、自粛ムードに対しても実際のところ殆ど影響がありません。世の中は大変なんだなぁとはぼんやり考えたり。
と思っていたら、出版業界やアニメ業界にもどんどん被害が。ジャンプは延期し、アニメも放送休止。特に楽しみだったReゼロやプリキュア、デジモンが延期するのは悲しい。
Reゼロは前クールの新編集版のラストに追加パートを挿入し、2期への期待感を煽ってくれたし、今年のプリキュアに至っては病気がテーマなのにその影響をモロに被るという、何とも不幸な事態に。
まあ漫画やアニメなんて遡れば無限にありますし暇を潰せることには変わりないですが、それはそれとして悲しいものがある。
と言っても、基本的に社会性もなくゴミのような人生なわけですから、言葉を選ばずに言えば、社会がメチャクチャになると相対的に得ではあるんですよね。それすらどっちでも良いので、また落ち着いて外を散歩できるようになるのに越したことはないと思っています。
それはともかく、引きこもり続けると大抵はフラストレーションが溜まります。僕のようにカーテンすら開けない生活だと、セロトニンも生成されず、いまが昼か夜かも判断つかなくなり、どんどん世間から置き去りにされていく。
孤独は思考をマイナスにします。以前にも書きましたが、僕は大学中退からTwitterアカウントを開設までの半年間、殆ど誰とも会話をせず、ネット上ですら他人とコミュニケーションすることが無い期間がありました。
何をしていたかと言われると、実はあまり今と変わっておらず、漫画やアニメに夢中でした。ただ、今はこうして曲がりなりにも文章を書いてアウトプットしているだけマシで、ツイートすら行わない本当の無です。世界に自分しか存在していない状態。
こうなると前向きな事なんて何も浮かびません。負の方向で活動的になるかもしれませんが、明るい未来や将来のために行動しようなんて考えは欠片もでてこない。たまに危機感が発生して何かをしなきゃと思い至るも、そんな感情は須臾にして消え去る。
脳内ではDARKER THAN BLACK-流星の双子のOPがエンドレスで反芻する。「答えのない毎日がただ過ぎていく時間がこれから先どうなるのだろう? わからない…」。
でも、その環境って慣れると楽しいんです。こういう時にダラダラまったく人生において無価値な情報を掘り続け、一切人生の役に立たないムダ知識を得ていくのが最もインターネットで好きな瞬間です。
脳内の片隅で絶えず発信される「将来のこと考えたほうがいいんじゃないか?」という不安をガン無視して、不毛で無意味な時間を消費し続ける。知らないアーティストの全く興味ない創作論を読んだり、ウルトラ怪獣の名前を一から暗記してみたり、一昔前に好きだった作家の今を追ったり。そして深謀遠慮している人間を自分を棚に上げてに見下す。
それからしばらくしてやってくる、後悔と孤独からくる鬱々と培養された陰なきもちに全てを委ね、破滅的な作品に陶酔して自分の厭世観を撫でてやる。
夜目がきいてくるように、薄暗い靄のかかった思考が心地よくなってくる。心の中に飼われた名前のない怪物が膨らんでいき、鬱屈していく精神に安心すら覚える。
僕はその状態に至ったときの、ただ自分がドロドロと腐っていくだけの感覚が大好きです。僕はよく「Twitter2(だれも社会や政治の話をせず、毎日みんなでアニメを観たりゲームをしたりして1日がおわるマジで楽しいSNS)」なんてツイートするので、優しい世界を望む優しい人だと誤解されることもあるのですが、そのような立派な考えなんて露程もなく、全員が真面目で社会的な事を考えず終わっていく様子が見たい、が近いです。
せっかく引きこもっているのですから、難しいことは何も考えずに、貴重な人生を無意味に貪られていく快感を楽しむのも一興じゃないかと思います。みんなで肥えていくだけの芋虫になりましょう。
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