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一口エッセイ: Slay the Spireと加齢

 『Slay the Spire』なるゲームにハマっており、下手すると一日が潰れる勢いでプレイしてしまうので最近困っていた。ローグライク、中毒性が高すぎる!
 が、どうにかクリアしました。
 クリアと言っても、やりこみプレイから言えばまだ序章に過ぎませんが、まずはラスボスである心臓を倒した。あまり自信のないデッキ構成であったものの、意外とそれが良かったりして、乱数とは不思議なものだ。



 どういうゲームかと説明すると難しい。ランダムに構成されたダンジョンを進み、その場その場

でカードを集めてボスへ挑む。不思議のダンジョンのカードゲーム版とでも言えばいいでしょうか? もっと適した表現があるかもしれませんが、とにかく重要なのはそのランダム性。プレイするたびに0からカードを集めていくので、「今回はどんなデッキにしようかな♪」と少しずつ脳内で完成図を描いていくのが面白い。
 シャドバやハースストーンでもあった、「一枚ずつカードをピックしてその場で作ったデッキで対戦するやつ」、ドラフト戦の一人バージョンが感覚として近い。僕は、あのドラフトでの対戦システムが大好きだ。デッキをじっくり一から突き詰める楽しさの代わりに、応用力が試されまくる。正しく「配られたカードで戦うしかない」のですね。
 悲しいかな、プレイのたびにデッキがリセットされるので、集めたカードたちは一期一会だ。どんなに最強のコンボが揃ったとて、次の回では全く別の絵を描く必要がある。手に入るカードがランダムなので、それに合わせて「どのカードを軸にするか」を判断していく。コツとしては、必殺のカードを引くためにデッキを圧縮することでしょうか。ドローとデッキ枚数。「強いカードが多いよりも弱いカードが少ない」方が効率的であると体感でわかる。
 僕が好んで使用していたサイレントは、手数で勝負するキャラクターで、いっぱい引いてチマチマ攻撃するタイプ。豊富な選択肢から如何に最大ダメージを取れるか組み立てるのが楽しい。僕は遊戯王なら『除去ガジェ』を使っていたのですが、使用感が似ている。「手札が切れない」ので、そもそも行動が限られているターンが少ないのです。


 ちなみに、このゲームをプレイした理由は「ハンチョウたちが楽しく遊んでいたから」。いやはや、自分の加齢を感じた。「おっさんたちがハマるのだから自分も楽しんじゃうだろう」といったロジックが脳内で組まれたわけである。そして、その通りになった。変に刺激的な最新コンテンツに触れていくより、もうハンチョウたちに従った方がワクワクする年齢になったのだ。


 もちろん、不思議のダンジョンやハースストーンは10代の頃から寝る間も惜しんで遊んでいたので(トルネコに至ってはお母さんも狂ったようにプレイしていた)、年齢に関わらず好きではあったでしょうけどね。きっかけがハンチョウというのは、僕の中での変化だなぁと思ったのです。
 もう、若者たちで大冒険を繰り広げる妄想よりも、黒服や債務者たちとゲームをしながら酒を飲んだりする方がワクワクしてしまうのか。悔しいけれども、それを受け入れて生きていくのはわりと楽しいでしょうね。
 
 

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