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一口エッセイ:『きんいろモザイク』の好きなところ

 『きんいろモザイク』が、本日のみ全巻無料らしいです。急げ!!! さて、長らくごちうさと共に、きららMAXを支え続けてきたきんモザですが、例に漏れず、一見優しいようで尖りつつ、でもやっぱりみんな暖かい世界観が大好きでした。


 僕がこの作品を真に好きになったのは2巻で、みんなが山へ遊びに行く回でのシノが、めちゃくちゃ暑い中でもロリータ服で登場し、「女の子はオシャレの為ならちょっとの我慢はいとわないのですよ!」とファッションへの信念を語るシーンから。初期から一癖も二癖もある女の子たちでしたが、それだけに立派な芯があるのだなあと一気に引き込まれました。シノの発汗なんて気にせず絶賛するアリスというバランスも良い。
 が、きんモザの魅力の真髄は、「巻を重ねるごとに重くなっていく愛情」と、「それを絶対にシリアスにせず笑いに昇華するギャグへの拘り」だと認識しており、その絶妙な匙加減のおかげで、『松原穂乃花』ちゃんという愛が重すぎてサイコの領域に達しそうなキャラクターの描写も、ちゃんと毎回しっかり笑えるオチがつくので可愛らしく見えるのですね。穂乃花ちゃん以外もどんどん関係が重くなっていくのですが、その分ギャグの切れ味も増すため、終盤は全員がサイコな迫力ある漫画になります。


 ちなみに、僕のイチオシは、「シノが恋しくて幼馴染に偽りのシノを演じさせるアリス」と、「自分が所詮シノの代わりである事を受け入れつつ、大好きな幼馴染が喜ぶなら心を殺して従うカレン」なる歪な関係が一コマに凝縮されている回。この静かな狂気こそ、きんモザの真骨頂でしょう。

 毎日の日記をまとめた同人誌をboothにて販売中です。僕の毎日は、金色どころか錆塗れで薄暗いです。

 商業エッセイ集もよろしくね。僕の人生に反して、ド派手な表紙がキラキラ綺麗です。

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