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150万本

 遂に2周年記念放送が発表されました。
 このための準備で死ぬほど頑張ってきつつ、全然今も収録があり、なんならこの日記すら移動しながら時間の隙間で書いている。
 まあ2周年の内容に関しては、その時に書けばいいわけで、今回は見えている情報として「150万本」の話をしましょう。


 150万本の話をしましょう……というかお前のゲームだろうが! と思われるかもしれないが、僕はもう数字に関しては本当にどっちでもいい。100万本以降は僕個人のアカウントではゲームの方の宣伝も控えめで、元より「伝わる人だけには伝わる」状態で良いと思っているのだから、ゲームで遊んでくれた人たちの中から一割でも何かを感じてもらえたら最上である。それ以上は特に望んでいないし、その一割は宣伝しなくとも辿り着くタイプの人たちであろう。
 100万本は一区切りとしてとても嬉しかったけれど。というか「超てんちゃんのゲーム内の目標である100万」の数字に届くのは意義があるし、そこで僕的にはニディガは緩やかに着地させていくつもりだったのだ。
 しかし、原作側とユーザー側の意識はまったく違う。むしろ世間では逆。「100万本を達成したゲームの原作者に声をかけよう」「100万本かつSteamの評価も一番いいから遊んでみよう」と大きな数字を機に認知度や受容のされ方が広がっていく。よく考えたらそうだわ。「100万が一区切り」はゲーム内の超てんちゃんの目標であり、僕もそれに引っ張られただけで、人生にちょうどいい区切りなんてある筈もない。
 注目して欲しいのは「150万本」という10の桁の方。要するにあれから単純計算で50万人のユーザーが購入している。さすがに一年目の勢いには届かないが、今でも全然伸びているのだ。なんなら英語圏では認知が遅れてきた分、今の熱気もものすごい。アメリカ以外のオタクたちも英語を勉強して英訳版を遊んでいる。
 基本的にだいたいのコンテンツは英訳はされるので、海外のオタクは母国語で翻訳されなくとも英語を学んでいく。よって、僕の方にも言語対応していない国のファンからメッセージが届く。彼らは日・英・中・韓とは違い、「自分が二次元コンテンツに熱中している」と知られたら村八分の可能性するあるし、何より現実で同士が見つかることなんてほぼあり得ない人たちだ。それゆえに情熱がすごい。とにかく僕へ感謝と愛情をあの手この手で伝えてくれる。断じてリリース前の僕は勤勉でもなければ善性のカケラもない男であったが、こうまで素直に応援されると、自分自身に磨きをかけてより良い作品を生み出すことに、生まれてきた価値を感じてしまう。たとえば、スペイン人のオタクは「へい、アミーゴ!」と僕へ話しかけてくる。まさか自分が「アミーゴ(友達)」と敬愛の念を持って話しかけられるなんて予想だにしていなかった。
 彼ら彼女らは、まだオタク的なカルチャーが浸透していない地域でもオタクとして生き、海を越えて原作者を支えよう、一緒に作品を盛り上げようとする。それが50万という増加した数字であり、それには応える義務がある。才能ある娘がここまで応援されているのだから、親としてはできる限りの下準備や舞台を与えてやりたくなる。
 要するに、まだまだ、というかこれからニディガを知って、愛してしまった変人たちが存在し、事実として未だ勢いが衰えてもないのだから、年内には200万本でも夢ではない。僕としてはもう新しい作品へ着手しつつ手を動かしていたのだが、まだまだ超てんちゃんにも手が掛かるわけだ。新しいことをやりつつ、勝手に規模が広がっていくニディガのことも考える。シンプルに想定の倍動かなければいけない。なので最近の僕は日々死にそうになっているのですが、「この作品が刺さって胸から抜けなくなってしまったスペイン人」、つまり僕が望んだ「一割」の人たちが居るのだから、彼ら彼女らが喜ぶなら、何かを得られるならいいか……と身を粉にしている。
 もちろんご褒美もたくさんあるわけで、なんならカウントダウンイラストは今回も僕が好きなイラストレーターにお願いした。こういうことは単純に嬉しい。さて、そろそろ車がスタジオへ着くので収録をせねばならない。ホント大変だ。マジで折れそうな時はそっと助けてくれアミーゴ。


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