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一口エッセイ:健康健康言い張ってくたばっていく感じ


 もうそろそろ自慢しても申し分ないほど筋力がついてきました。こうして記録したりすることでモチベーションになるなら良いことです。

 さて、鍛えた理由は先日書いた通り、あまりに挑戦したいことが多く、その全てをこなすには根本的な体力がさすがに必要であったこともありますが、やはり「不健康だからうだうだ言っている」と知らない人から笑われることがイヤになってきた。僕は別に生来このような性格であり、体調や生活サイクルである程度は影響されるものの、人格の基になった苦悩がそう簡単に抜けることはない。それを証明したかったし、もし筋トレで改善されるとしたら別にそれでもいいでしょう。

 結論から言えばどうだろう。世間で言うほど「筋トレで全てが解決する!」という実感はない。現在、体脂肪率は14%であり、明らかに腹が割れて二の腕が膨らんでいる。だんだん筋肉痛の期間も短くなり、そもそも各トレーニング用の重りをどんどん増やしていることから、確実に筋肉量は上がっている。元からガリガリなので、本来ならあと10キロ増やしたほうが効率良いまであるらしいが、暴食はあまり気が進まない。
 生活リズムは崩壊したままなことも大きいかもしれない。眠る時間はまったくもってランダムだし、鼻の病気の関係上、きちんと運動した後とて数時間で起きる。眠れないことにはやはり安心は得られない。体力はついたと思う。代わりに原稿に向かう時間が増えたため、心労は嵩むのだが。
 ただ、「いざ戦うことになれば何もない人間よりは自分が勝つ可能性が高い」という自信がでたのは心強い。もし、ネット上でうっさいきっしょい不粋な揚げ足取り野郎がなにか言ってきたとしよう。それこそ「不健康な呟きのパフォーマンスいつまでやってるんですか?」とか。そんな時、僕が「うるさい!なら拳で決めるか!?」と返信したらどうだろう。そりゃ別に格闘技の経験はないので、向こうが空手や柔道を習っていたらわからないが(こちらだって『ホーリーランド』の知識があるぞ!)、だいたいのアニメアイコンなんて過去の僕と同じくもやしっ子なはず。ならば筋肉量で言えば僕の方へ分がある。そう考えると少し精神が楽になる。
 以前、格ゲーマー同士が格ゲーについて言い争いになった際、生配信で試合をして決着をきめようという運びになり、多数の野次馬たちが集まる一大イベントとなった。みんな喧嘩が好きなのだ。そのうえあくまで「試合」なのだから合法であるし。まあ、格ゲーについてのスタンスの話を「議論」でなく「強さ」で決めるのは冷静に考えると意味不明だが。それだと、最も強いやつが最も正しい世界になる。とはいえ、どうせネット上のレスバトルで両者納得するわけもなし。ある意味、これは合理的である。結果、個人的には正しいことを言ってるんじゃないかって方が負け、その人の理屈の方がおかしいってことになったのでちょっと笑った。正直、みんな主張の正しさなんてどうでもよくて、ただ急に始まった喧嘩の行方で盛り上がりたかっただけなのだ。
 どうせインターネットでの「正しさ」なんて無価値なのだから、いざという時のための「暴」があったって良いだろう。そういう精神の変化がありました。
 まあ、真面目な話、筋トレとはどこまでいっても「己との戦い」なので、かなり自閉的だ。結局、自分の閉じた世界で修練をしているだけなので、他者を必要としない。なので、よく言われることですがいわゆるアスペルガー寄りな人間と筋トレは相性が良い。数値の管理も好きだしね。例に漏れず、僕も運動量と食事量、自分に厳しく追い込む時間自体はわりと好きだった。これで僕の発言が「不健康サブカル野郎の発言」という雑な枠に入れられた場合に、相手の無理解を嘆くことができる。僕はカテゴリーでなく不確定な「人間」なのだ。つまり、僕はいま日々人間の証明をしている。
 僕が思うまま発言することは、不健康やサブカルや自閉症などステータスによるものではない。もちろん、それらも僕を構成する一つ一つではあるが、肉体的には常人より健康かつ筋肉がついた状態だ。あらゆる情報が複雑なグラデーションでできている。それが人間なのである。なので、僕は僕を「人間」として見ない者を信用しない選択もできる。内心で軽蔑してもいい。別にそんなもんだと納得も自由だ。新たな選択肢が広かったことはたしかに意味があるでしょう。
 

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