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時間感覚の喪失

 だいたいの場合において、あらゆるタイミングでは苦しみや不調の最中にあるのだから、多忙時の負荷はむしろ正常とも言える。
 ……が、それでも限度があるわけで、一定の負荷を越えると判断能力やパフォーマンスが著しく落ちるので、さすがに一旦休んだほうがいい。けれども忙しさで思考が鈍っていると休むタイミングすら掴めない。ここ一週間くらいは、ずっと休む機会を見失ったまましょうもない状態で動いており、単純に良くない。
 そこで、自分のなかで本当にこれは危ないと認識するラインが今日ようやく分かった。ランダムな睡眠サイクルと寝不足を繰り返した先で、気づけばまとまな時間感覚を失う。今回、自分がついに日記投稿が遅れて20時過ぎになったことも含め、僕の神経ではいつが一日の始まりで終わりか分からなくなっており、日の区切りが曖昧になって記憶と感覚が崩れる。
 「昨日のこと、今日のこと、明日のこと」がごっちゃになっていく。きちんとした睡眠でその日の活動を保存してないから当然でしょう。夢の中で記憶が整理されず、優先順位や規定の行動タイミングがわからない。例えば、一日2回の歯磨き、一日2〜3回の食事などは、起きてから寝るまでの間から逆算して実行する。睡眠がズレて短時間をランダムに行うようになると、起床と就寝という明確な起点を失い、24時間が1セットである認識が狂う。いつ食事をしたか、するべきか、ひいてはあらゆる行動が昨日・今日・明日のどれにしたことか、すべきことかが掴めない。これはとても恐ろしい。
 たとえば、自分の中ですぐ返事したつもりのメッセージが、時刻を見直すと30時間空いていた。別に返事に困っていたとかどうでもよかったとかでなく、「少し後で返した」と感じた認識が実際は一日ズレていたのです。
 「昨日の昼にきたメッセージを昨日の夕方に返した」と僕の脳味噌は記憶していたものの、実際には「昨日の昼に来たメッセージを今日の夕方に返していた」。いつの昼でいつの夕方なのかが頭で整理されておらず、他者との顔の見えないやり取りに齟齬が起きていく。ふとした瞬間に24時間経っていたような恐怖が連続する。いますぐに眠らないと「時間」がわからなくなって狂うと肉体が危険信号を送る。これには素直に従おう。
 まあ、こうなる前に眠ればいいのだけれど、あらゆる要因でそう簡単にいかないものですね。こうなってから眠るにも強制的な手段と覚悟が必要だし。人間、昼夜逆転してでもいいから決まった時間に6〜8時間眠ることが全てにおいて優先される。体調というより、「記憶の整理」が行われない負荷に常人は耐えられない。驚くことに、この状態でたっぷり眠ると、夢の中で直近の出来事の順序と取捨選択がデフラグのように脳で処理される感覚がどことなく分かる。起きて、「これまでのことが昨日またはそれ以前」と判断できるようになっているのですね。ありがたい……。
 若干スッキリしつつも、多忙自体は変化がない。というか正常な今に重なった締め切りを直視するのにも拒否感が凄まじい。現実を真っ直ぐ見ないように感覚を曖昧にして誤魔化していた面もあったのでしょう。あらゆる意味で未熟です。
 

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