見出し画像

一口エッセイ:夜が来る!

 岩倉文也とお互い25本ずつ美少女ゲームを選び、計50本の作品をひたすらどこが好きか書いていくだけの同人誌を出しました。自分で言うのもなんですが、こんなニッチな本を刷った事実が誇らしいよ。みんな読んでね。

 さて、せっかくなので、今回は50選には収録しなかったものの大好きな作品の話をします。アリスソフトで初めてボーカルつきOPを採用し、どこまでも「カッコよさ」だけを追求した作品、「夜が来る!」です。
 どれくらい「カッコいいか」と言うと、もうあらすじだけで震えるほどカッコいい。
 夜空にもうひとつの青い月「真月」が出現するとき、「光狩(ひかり)」と呼ばれる異形の魔物が人々を欲望に誘い、その心を蝕んでいく……つまり、特殊能力を持った生徒たちが夜な夜な深夜の学校に忍び込み、そこに現れる魔物を人知れず狩り、そして翌朝には何も知らない学生として過ごすパートを繰り返す。こんなワクワクしかしない設定を、「ペルソナ3」より先に完成させたのですね。

 中でも僕が目を奪われたのは、ヒロインの一人・七荻 鏡花と羽根が舞う夜の屋上でダンスするCG。
 昼はモデル業を行う容姿端麗なシュっとした金髪美少女から、めったに見せない穏やかな表情で「月夜の晩に好きな人とダンスって、ステキなコトだと思わない?」なんて言われる体験……素晴らしいシチュエーションだと思う。文化祭のラスト、屋上で開催された二人だけのダンスステージ。この一枚の美しさは、夜の美に全てを注いだ本作だからこそ生まれた完璧な一瞬でしょう。


 毎日のエッセイ集をまとめた同人誌などもboothにて販売中です。夜な夜なオタクが紡ぐしょうもない言葉を読んであげてね。

 先月に発売した商業エッセイ集もよろしくお願いします。鬱屈としたエピソードの連続から、一瞬だけ煌めく綺麗な瞬間を感じてもらえると嬉しい。

サポートされるとうれしい。