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エッセイ:沖縄のヤンキーの知性の限界の話

 ※数年前にブログで書いた記事のリメイクです。

沖縄のヤンキーの知性の限界の話 

 何も考えていなかったので、「の」が非情に多いタイトルになってしまいました。エロゲなら「のののの」とか略称がつきますね。

 今回は僕が学生時代を過ごした沖縄での想い出話をします。

 僕が生まれた地域「辻」は、ウシジマくんでも治安最悪扱いされている風俗街です。

画像1 ウシジマくん沖縄編では、老婆や頭がイカれた人間など、売春婦が最後に行き着く果て扱いされた治安最悪の辻ですが、ここから徒歩数分程度で、僕とお母さんが住んでいたアパートがありました。


 辻は、少し身長の高い男子小学生くらいなら、平然とキャッチがキャバクラへ誘うような無法地帯。もう何年も帰省していないので、現地の現状はウシジマくんを通してでしか分かりませんが、友人の情報では特に良くなってないそうですし、数年でどうこう変化する場所でもありません。

 沖縄旅行で「美ら海水族館」や「首里城」(今では首里城はもう……)へ行くより、何倍も刺激的ではあるオススメスポットです。有名な観光スポットの一つである「国際通り」も、目立った店以外は悪の巣窟で、中学生の頃通ったアミューズ用のパチスロで増やしたメダルを換金してくれるゲーセンなど(僕が高校生の頃に摘発されました)、探せばわりとアレな場所ではあったり。

  ここから歩いて数分の場所にある「波の上ビーチ」という、海の目の前にラブホが乱立しているような、色々と分かりやすいビーチがあります。当然、このビーチも辻に近い分治安の悪さはピカイチ。今回は、その近くに住んでいた友人と体験した話を書きます。

 男子小学生といえばロケット花火が全てと言っても過言ではないくらい、ロケット花火が大好きです。過言でした。確かにロケット花火も大好きですが、ジャンプの事とかガンプラの事も考えています。

 僕の友人たちも、例に漏れずロケット花火が好きだったようで、その日も波の上ビーチでロケット花火を飛ばし合い遊んでいました。恐らく僕らが小3くらいの頃。

 ロケット花火を飛ばしあう小学生たち。何も考えていない小学生のロケット花火は、どんどんあらぬ方向へと飛んでいきます。それが選りに選って、現地のヤンキーの方へ放たれていきました。と言っても、ビーチなんて観光客かヤンキーしかいないので、確率としては順当です。

 案の定ブチ切れたヤンキーに呼び出される男子小学生の群れ。カンカンに怒っているヤンキーも、流石に男子小学生を本気で殴ったりはできませんし、謝罪の要求するに足る程の金銭を小学生が所持しているとも思えません。

 そうなると、きっちり謝罪させ許してあげれば良い大人なのですが、それは敗北だと考えてしまうのが不良魂。どう落とし前をつけさせるか必死に考えた結果、彼らは砂浜を指差し「砂食え!」と命令しだします。

 そこで、散々迷った結果「砂なんて食えません」と、常識的過ぎる返答をする友人たち。小学生の方が一回り歳上のヤンキーより思慮深いのが分かります。

 ここで一般的なイメージなら、率直な返事に逆上したヤンキーが暴れ回りそうですが、そこは沖縄のヤンキー。恐らく「砂食え→食べれない→オレの勝ち」と結びつけたのでしょう。なんと彼らは満足して引き返していきました。

 そういう地域ですから、話せば文字数制限を越える程にヤンキー関連の思い出話があるのですが、分かりやすい馬鹿っぽさという点では、このエピソードが最もお気に入りです。僕は沖縄のそんなところが大好きです。

 他にもカードショップから遊戯王カードを万引きし、クラスのオタクに安価で売りつけ裏で「グールズ」と呼ばれてた彼や、壊れたママチャリを拾って修理し売る、最早ヤンキーよりリサイクル業者に近かった友人も、Facebookを見る限り今も元気そう。

 と、(記事執筆当時)ウシジマくんに地元が出てきて、なんだか帰省した気分になり、思わず昔を懐かしんだりした一日でした。オワリ。

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