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一口エッセイ:10万本記念と真善美

 自分が製作したゲームが、リリース一週間で10万本を超えました。買ってくれたり、応援してくれた皆さんには頭が上がりません。嬉しいよ。
 折角なので、今回はインディーゲームについての考えを書く。あんまり偉そうに創作論を語るのは好きではありませんが、10万人記念ということで許して欲しいぜ。内容のネタバレなし。
 「真善美」という哲学と仏教で使用される用語がありまして、真・善・美の三つの概念がそれぞれ存在している状態こそ理想という意味の言葉ですが、創作物においては、この三つのどこに重点を置くかを考える必要があると思っております。
 ざっくり日本人は真(正しい認識)と善(正しい倫理観)が好きで、海外は美(美しさ)寄りという印象がありまして、北野武映画なんかは完全に美へ極振りされているため、日本よりも海外の方で評価されているのだという評論に納得している。
 今回の自分のゲームも何より「美」を優先しました。ゲームに真善美なんて無いですが、あえて言うならゲーム性が真で、スッキリするストーリーが善だと無理やり当て嵌めます。ゲーム的な面白さ以上に芸術点を高めることを意識したのですね。そこがウケて海外で流行ってくれたのかもしれません。
 というか、極小数で製作するインディーゲームにおいて、真っ当なゲーム性で勝負するのは難しい。正当な面白さで大手に敵うわけなく、基本的に芸術性で戦うことになるし、それが価格や規模的に許される土壌こそインディーであるように感じます。
 真・善よりも美を選んだクリエイターの戦場と考えると、steamはなんとも特異な場所ですね。

  boothにて、毎日のエッセイをまとめた同人誌を販売中です。美少女ゲームの話している本もあるよ。

 先月末に発売した商業エッセイ集もよろしくね。ゲームが気に入ってくれたら、こちらも手に取ってもらえると嬉しい。

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