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にゃるらが良いと思った曲2023年9月

↑先月の。

・ヘヴンリーユー /  LonePi feat.りむる

 よくわかっていないので細部は違うかもしれませんが、電音部のキャラクターの『りむる』の歌声を抽出したものが、ボーカロイドのようにAIソングボイスとして発売されたようで、その『分散型自立ゴーレムりむる』を使用した曲。公式デモソングのようです。
 せっかくなので『分散型自立ゴーレムりむる』による楽曲を何曲か聴いてみたところ、こちらの『ヘブンリーユー』が一番好みでした。ルージュノワールに統一された画面と女の子のイラストの仄暗さがいいね。
 元の『りむる』は、少女性がとても目立つキャラクターですので、『分散型自立ゴーレムりむる』を使用するということは、主に少女性が裏のテーマになると勝手に感じているのですが、中でもヘヴンリーユーはそんな少女の内面を楽曲として世界観が構築されていて素晴らしい! 次点でフロクロさんの曲が好きでした。


・【ENGLISH COVER】INTERNET YAMERO /Mori Calliope

 いやはや。すごすぎる。
 『INTERNET YAMERO』自体がたいへん変わった構成の曲かつ歌詞のキャラクター性も強く、なにより激しいセリフパートの連続が歌い手の負担も大きい。……ので、踊ってみたなどはたくさん投稿されてきたものの、歌ってみたは再生回数のわりに少なかったと認識している。それでも歌ってくれた方の意欲は嬉しいし、簡単に歌うことがきない曲を仕上げたことに、僕もAiobahnもひそかな誇りを感じていた。
 そこで満を持して登場したのがホロライブEnglish、森カリオペによる『【ENGLISH COVER】INTERNET YAMERO』である。
 無論、あまり界隈に明るくない僕でも彼女の美声は知っている。そもそも彼女の漢字表記は森美声。それくらいに音楽に対して本気の人であることも存じておりましたが、まさか楽曲まるごと自身が英訳して、さらにはMVまるごとホロENで再現する気合の入りよう。英訳されたのだ、僕の書いた歌詞が。カリオペさん本人の手によって。一つ一つ、ネットスラングまで含めて、「一番カッコよく英語で歌うならこの英文だろう」と。それはもう原作側として恥ずかしいくらいに嬉しいことなのです。何度も何度も絶賛し、このように自慢のような長文を弄してしまうくらいに喜んでいるのです。

 素晴らしい。「ほんとうは幸せを知っているのに 不幸なフリやめられないね」が、𝑇𝑂 𝐵𝐸 𝐻𝑂𝑁𝐸𝑆𝑇 𝐼 𝐵𝐸𝑇 𝐼 𝐶𝐿𝑂𝑈𝐷 𝐵𝐸 𝐻𝐴𝑃𝑃𝑌 𝐼𝐹 𝐼 𝑅𝐸𝐴𝐿𝐿𝑌 𝑇𝑅𝐼𝐸𝐷になる。そして肝心のインターネット最高は、「INTERNET IS FUCKING AWESOME」。このセンスと大胆さは並の翻訳家ではけっして出てこない。彼女ならではの感性から生まれたインターネットへの本心なのでしょう。

 あまりにカオスな画面で解像度が低くなってしまいましたが、奇しくもこの曲はラストの盛り上がりにこれまでのGIFアニメーションがぶちこまれるので、原作では超てんちゃん/あめちゃん一人であったものが、ホロライブEN全体のアニメーションとなっている。おかげで、僕らではキャラ数的に表現できない「オールスター感」すら生まれており、これは向こうのファンはとても嬉しいでしょう。深く追っていない僕ですら一抹の感動を覚えたのだから。
 総じて、要はめちゃくちゃ嬉しかったのだ。
 この曲をきっかけにいろいろと興味を持って、少し英文の勉強もしている。今後どうなるかはわかりませんが、できるだけ人間が発する言葉のニュアンスを、本人の意図通りに読み取っていけるようになりたい。



・You're Not Special/Mori Calliope

 せっかくですので、最近のカリオペさんのオリジナル曲で好きなものを。6曲入っているアルバムの中にある一曲。
 カリオペさんの魅力といえば、やはり流暢なラップパートだと思いますが、この曲はラップ寄りではなくサビの単語一つ一つの力強さに比重を置いている迫力優先で彼女のたくましさを感じさせる。もちろん、サビの韻を踏む聴き心地の良さもさすがですが。ジャケットの表情がめちゃくちゃに力強いことも相まって、再生するたびに「森カリオペ……強いな」と、ぐっと気持ちが引き締まり緊張感が走ります。

・PLAY DICE! /HAKOS BAELZ

 ついでなので、他のホロENで好きな曲を。
 あまり詳しくはないのですが、HAKOS BAELZさんが去年にリリースしたオリジナル曲ですね。
 シンプルに歌がうまい。上記のカリオペさんにも当てはまることですが。
 英語のラップ的なリズム感と時折挟まる日本語の一文のバランスがカッコよく、海外と日本の美少女文化の融合を感じさせます。いやはや、言葉にすると安直で浅くとも「歌が上手い」ってとんでもなく強大な武器ですね。音楽の力はこうも簡単に海を越えて人々の心に届くのだから、もはや言語よりも大切な、原初のコミュニケーションであることがわかります。

・さらばシベリア鉄道/太田裕美

 寝台列車に乗っていたときにずっと聴いていた曲ですが

 この時は大瀧詠一のボーカルで聴いていたので、こちらが原曲だと思って紹介していたのですね。

 が、作曲した大瀧詠一は自分が女言葉で歌うことに違和感を覚え、ボーカルで太田裕美さんへの提供を思いついたそうです。つまり、上記に貼ったほうがオリジナルで、僕が聴いていたボーカル大瀧詠一バージョンは、なにかのタイミングで作曲者自体がカバーしたものだったのですね。本人作曲なのでしっくりきすぎて全く気づかなかった。
 もちろん両者ともにすばらしい。女性視点の曲であるわけで、太田裕美さんの歌声のほうが情景が想像し易いかもしれない。けれども、やはり寝台列車に揺られて聴いた大瀧詠一の歌声が自分には慣れてしまった。そういうことってあるよね。たまに原曲の方を聴いている。

・美術館で会った人だろ/P-MODEL

美術館で会った人だろ
そうさあんたまちがいないさ
美術館で会った人だろ
そうさあんたまちがいないさ
きれいな額をゆびさして
子供が泣いていると言ってただろ


・めぐりあい/森口博子

 こちらの記事でも紹介した『評伝シャア・アズナブル』を読み進める間にずっと聴いていた曲。説明不要の名曲のカバーですね。

 原曲の井上大輔バージョンの方がやはり耳に馴染んでいることもあり、物悲しさやイントロの切なさが好きなのですが、森口博子さんが宇宙世紀の楽曲たちをカバーすることには大いなる意義を感じます。
 それにしても、『めぐりあい』なるシンプルな残酷さが哀しい。
 シャアはララァに出会わなければ死人に囚われることもなく、自分よりも圧倒的なニュータイプ能力のある少年へコンプレックスを抱くこともなかった。そしてアムロもララァに出会わなければ彼女を殺した呪いにかけられることもなかった。ましてやアムロとシャアが出会ってしまった結末は……。この三者に関しては偶然でしかなく、それはめぐりあいだった。めぐりあいを偶然と捉えるか運命と解釈するかは受け手次第である。

・Sleep Talk Metropolis/Mili

 曲名がいいですよね。『Sleep Talk Metropolis』。
 ゆったりとしたテンポで単語を呟き、サビでそれらが繋がって物語を形成する感じは、Miliの本領を感じます。優しくささやきかけるようにシンプルな言葉を紡ぐ歌詞が好きなんです。
 みなさんも夢の中で優しくそっと生きていけるといいですね。
 おやすみなさい。

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