見出し画像

あめちゃん誕生日とグッズ班

 どこまでいっても自らが生み出した娘とも呼べる存在は可愛がってしまうらしい。


 5月5日は、あめちゃんの誕生日。今年も多くの方に黒髪一般女性の誕生を祝福して頂きました。
 ところで、僕はアニメ製作や本にエッセイ、作詞などの創作活動以外にも多くの役割があり、主に企画や監修がある。ニディガのグッズのクオリティを担保する重要な仕事であり、インディーゆえの各アイテムへの拘りを発揮できる機会なのでなかなか他人に任せられない。
 僕はイラストが描けないコンプレックスゆえにイラストレーションが、美術が好きだ。なのでファングッズやアパレルなる小さな芸術品を大切にしたい。というわけでプロデューサーは企業でなく融通の効くグッズ班と組んでいただいた。
 初期の頃は僕もグッズ班も不慣れかつ、リリース以後のニディガ自体の在り方も手探りであった。それでも超てんちゃんの煌びやかなデザイン、あめちゃんのメランコリーなゴス精神は多くの方から愛され、今なお数字が増加中である。つまりは僕もまだまだ彼女から離れられない。
 グッズ班が組まれたからには、もう僕一人の問題ではない。グッズの売り上げは当然彼ら彼女らの収入や実績になる。しかし、利益優先でファンを困らせたくもない(そもそも僕はグッズ業者でないので売り上げが必要ないし)。


 図らずとも「自身の美的感覚によるグッズへの拘り」「ファンの満足度」「グッズ班のための収益」のトライアングルをバランスよく支える責任を背負ってしまった。とはいえ最大公約数的に三者の落とし所を見つけグッズへGoを出す作業は、シミュレーションゲーム的な感覚で実はそれなりに楽しかったりする。どこまでいっても幼き日にプレイしたモンスターファーム2とシムシティのせいで、ちまちましたステータス管理に快感を覚える身体へ調教されたままだ。
 おかげでグッズ班の努力、デザイナーのセンスもあり、アパレルなどは大好評でファンアイテムでなくファッションとしても取り入れてもらえることすらあり、中野や秋葉原ではちらほらニディガ関連のアパレルを着た方々が散見されて嬉しい。苦労は実る。
 大企業じゃないから値段は少し高めになってしまう。申し訳ないけどそこは許してね。代わりに、よりカッコよく、かわいいモノを届けるよう試行錯誤していきますから。次作以降はグッズはお任せで投げるようにしないと身が持たない……と言いつつ、可愛がってしまって企画から入る自分が想像できてしまう。
 とはいえグッズ班にも新陳代謝があり、このたび新人がどっと増えた。新卒なら僕の5.6歳下であり、経験不足な青さと若さの勢いが同居していて羨ましい。いよいよ僕もおっさん側。


 で。(ニディガが好きな)新入りの子たちが用意してくれたグッズの宣材写真が左二つだったので、ここまでのっぺりと白背景だとアイテムの想像がつかず勿体無いとあーだこーだ写真についての話をした。
 僕はニチアサ脳であり、変身アイテムは本編で使用しないと子供達が欲しがらないと確信している。そんなこんかで右の写真が誕生。痛バッグとして使用できて現代的な痛さを堪能できることが分かる、新商品の特性を活かした良い一枚。
 人に何かを注文つける作業は心苦しく、とはいえ拘りも捨てたくないし、そもそも宣材写真が良ければ良いほど利益に繋がりグッズ班の経験値にもなる。申し訳ないけれども言う時は言うようにしていたところ……


 今回のアクスタの写真めちゃくちゃいい!
 色味こそ少しこちらで調整させてもらったものの(それは僕の趣味だし)、アクスタらしい立体感や艶のある小物に背景。これには文句のつけようがない! 自信を持って世に送り出せる写真とアイテムへ。現物がこちらに無いため写真は頼るしかないが、これならファンも「カッコいい!」と一目で喜んでくれるはず。
 素晴らしい……。工程的には一手間ですが、人はその一手間に愛情と情熱を感じる。厄介なことに彼女の需要はまだまだ伸びていく。みんなで謎の黒い一般女性へ振り回されていこう。

サポートされるとうれしい。