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えっちイラストいいねプレイヤー

 忙しさが増し、SNSを軽く眺める時間すらなくなってきたものの、流れてくるイラストだけは見たい。一部では批判の声もあるみたいですが、今の僕のおすすめ欄は主にイラストが流れてくるので便利に利用している。
 とはいえ、えっちなイラストも見逃したくない。pixivなりでチェックすればいいのかもしれないが、そういった場所に投稿される気合い入ってイラストでなく、ササッとリビドーのみで描いてちゃちゃっとTwitterだけに貼ったような、本人にとっての落書きや習作扱いのえっちなイラストこそが見たい! なのでSNSはたまに開く必要があるのです。
 効率化の一つとして、「エロい友人のいいね欄」があった。
 友人はもう10年以上欠かさず流れてきたえっちなイラストのみをいいねし続けており、彼のいいね欄は実質「最新えっちピクチャー保管庫」なのである。10年続けているだけに非常に精度が高く、新しく参入してきた絵描きも見逃さない。彼のいいね欄を通して知る作家も少なくない。
 そのような「いいね欄のえっちなイラストの趣味がいいやつ」を数人セレクトし巡回する。こうすることでその日のえっちなイラストをできる限り見逃さず、そして自分のアカウントでのおすすめ欄は健全ピクチャーを集まるに特化させる。こうすることでネットの喧騒と離れながらイラスト収集が可能となる。僕自身も10年Twitterを続けてきたうえで到達した結論がこれだ。情けないが、これが現実。えっちなイラストを集めるためのSNSとしてTwitterは非常に頼もしい場所である。
 で。僕の中で信頼していた「えっちイラストいいねプレイヤー」の一人(正直全然知らない人だがいいね欄のみ見ている)が、あるタイミングから徐々に政治・オタク叩き的な呟きをいいねするようになった。初めは彼だってエロ画像のために生きている訳じゃないし(よく知らないがコンテンツ業界の人らしい)仕事上のストレスとかもあるよねと納得していた。が、日が経つにつれ、えっちピクチャーと政治・オタク叩きの比率が逆転していき、今では遂に彼のいいね欄は見事に何かを攻撃・主張している内容のみとなった。ごく稀に正気に戻ったかのようにブルアカのエロ絵がいいねされる。それがまたなんとも悲しい。
 気になって彼のホームも見に行った。数年前、なにかの集まりで挨拶して相互フォローになったくらいの関係で、現実でもネットでも全然喋っていない。なので彼の人生のことは知らないし、たとえ友人であってもどう生きるかは本人の自由なので口出すこともない。けれども、気づけばネットの揉め事のみをRTし、それに対して言及の繰り返しを行っており、数年前はあんなに積極的に繰り返していたえっちピクチャーのRTも全くないのだ。人は変わる。
 別にそれが悪いわけでは決して無いものの、僕が(勝手に)信頼していた「えっちイラストいいねプレイヤー」の一人を(勝手に)失った悲しみはそれなりに辛い。えっちなイラストの収集基準が似通う知り合いを発掘するのは、好みの絵師を見つけるよりも奇跡的なのだから。
 それはともかく、先週一週間はオランダ・ドイツにいたので殆どSNSを見なかった。日記投稿時くらいかな。なので一週間分のネットニュース・流行は完全にすっぽ抜けている。若い頃なら一週間分もネットの話題に乗れなかった焦りで発狂していたことでしょう。それだけネット世界で生きるのに必死であったと思うと、それはそれで一周して努力家な気もする。
 今はその一週間で僕が好みそうな話題は、仕事で関わる若者たちが「こんなことがあったよ」と話してくれる。かつての僕がおっさんに教えていたように。今度は僕が彼らから最新の話題と、そして彼らがそんな出来事を通して何を思ったか、のんびりと聞いてあげる番になったのだ。
 まさか、こんな話題からARIAの最終回のような気持ちになるとはね。

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