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一口エッセイ:幻影旅団(クモ)

 ハンターハンターの連載が、幻影旅団の過去編に入った衝撃で頭がいっぱいです。どのくらいかと言うと……

コノくらイ‼︎イ‼︎イ‼︎ーーーーー!(シャルナークに操られているマフィア)
 まずジャンプが更新された瞬間にハンターハンターを読み、あまりに良すぎて急いでヨークシン編を読み返していたら朝になり、昼からあった打ち合わせへ完全に寝坊。さらには、パクノダの感情について考えていたら自然と涙が流れたので、待ち合わせ先の近くで涙が乾くのを待っていたわけです。ごめんなさい。でも、打ち合わせ相手の編集さんも大興奮でヨークシン編の話をしてたので良かったです。
 もう、旅団の少年時代の全てがいい。思ったより秩序があるが治安は最悪の流星街、昔から武器使いなファイタンと仲良しなフィンクス。ゾルディック家と戦った後のような無邪気さを見せる素のクロロ、回想の語り手なのに未登場なノブナガ、そして……パクノダ。

 クロロって、恐らく流星街の子供たちの中でも特に頭と器量が桁違いすぎることや、何かを演じて脚本を書ける能力から、街の治安やルールのために「団長を演じることにした」のでしょうね。
 旅団結成時に、マチが「あれ……クロロ?」と驚いていたのは、見た目だけの話でなく、性格が急に冷酷なリーダー気質になったからではないでしょうか? 冨樫義博……恐ろしすぎる。
 あくまで「仲間のために演じた団長」であると考えると、旅団が冷酷に見せかけて身内には甘すぎるところ、結局はメンバー全員が団長に依存している点(クロロは団長より団そのものを優先すると思っているが)など、幻影旅団がいわゆるヤンキー組織な部分が腑に落ちるのですね。こんな掟を作っておいて、結局は仲間を殺されるとクロロは静かに激怒するわけです。良すぎ……。

 スラムでアニメやゲームをどうにか楽しんでいた子供の集まりでしかないから、根っこの部分はただの悪ガキで、フェイタンですら「マルチタップ」なんてゲームデバイスを使いこなしているのですね。マフィアですらない身内の集まり、だからこそ最強。政治のコマとして組織に属するしかないマフィアたちの憧れになるのも頷ける。

 それ以上にパクノダです。2人きりでは「クーちゃん」と呼ぶところや、切り取った箇所の最後のコマから読み取れるクロロへの感情。冨樫義博……天才? この一話があっただけで、ヨークシン編でのパクノダは、最後まで心の中では「弟分のようなかわいいクーちゃん」のことを想いながら死んだ事実ができるんですよ。なんて残酷で美しいことなんだ。冨樫義博……漫画の神?
 こんな凄すぎる漫画がまた連載休止になったと想像するだけで気が狂いそうだ助けてくれ。ハンターハンター面白すぎる。面白すぎてつらい。というか、描き込みの量が異常すぎる! 連載自体は少ないけれど、その僅かな期間で全力を尽くしているのが伝わる背景の緻密さ、ここにきてなお上がり続ける画力に、冨樫先生の漫画への拘りが込められてすぎて尊さがある。僕の命を犠牲にしてもいい。だから永久に掲載され続けてくれ。頭がおかしくなる!!!


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