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僕がネットと一線引くようになったアレコレとか

 最近の主な変化としては、「いまネットでそういう話題があったんだね」と聞く側になったことでしょうか。ゲーム製作前は四六時中ネットに張り付いていたので、僕が「今こういうことがあって〜」と大人へ話す側であった。
 もはやSNSだけでも10年以上見続けてきたので、すべての話題が2周目3周目に突入し、人も増えてネット自体に社会性が必要となってきたことから、自然と離れるようになった。人が増えすぎてどんなことにも揚げ足取りや難癖がつけられる。さすがに辟易するが、ネットはそんなもんなので僕の方から離れていくのが正解でしょう。
 決定的な出来事はある。
 もう半年も経った上で、書いた本人からも裏で何度か謝られ名前も出していいと言われているので書きますが、僕は一度「こいつは他人の腕時計を盗んだ上で女とキメセクをヤリまくりの最低野郎だ!」という記事を書かれたことがあった。もちろん、そんな暴露記事へ人々が反応しないわけがなく、しばらくは知らない人たちから殴る蹴るの日々でした。
 で。それを書いたのは実は「まくるめさん」という知り合いであり、本人からも「90年代の鬼畜系カストリ雑誌の怪しいアングラ記事な雰囲気を出したかったが、匙加減を間違えて迷惑をかけてしまった」と謝罪を受けている。現代で90年代のアングラ・鬼畜ノリが廃れたのは、ネットの拡散力でシャレにならないからという証左そのものになった。交友関係的にも、悪気がないのは理解しているし、まくるめさんもこういった加減の間違えでトラブルを起こした前例が何度もあると言っており、一応誤解であると記事で説明したし当事者間は解決したという出来事があった。
 僕自体まったくクリーンな存在でなく、いろんな人間にめちゃくちゃ迷惑をかけ続けてきたので、それは謝らないといけないし、できるだけ謝罪はしてきたつもりです。が、異性に対して殴ったり、不当に金を取ったり、気持ちを利用して酷い扱いをしたり……などはしていない。あとキメセクもね。僕は静かに幻覚が見たいタイプのヤク中で、セックスを楽しむアッパーな薬物なんてむしろ毛嫌いしているんだ。そんな細かいことはどうでもいい。それでも男女のトラブル自体はままあったけれども。まあそれも若い男と女はこういうことあるよねの範疇だとは思っている。この文章含めて嘘だと言う人間に証明することはできないので、信じない方はそのままの認識で構いません。悪者の話を信じちゃいけないよな。
 ということなのですが、燃やしたがりのネット民が真実や正確性なんて気にするわけもなく、キメセクなどの単語に反応して「コイツは叩いてもいい」と認識し、一週間くらいは攻撃的なことが起きた。しかし、それだけである。人間、無関係の存在を本気で憎んだり攻撃したりしない。ごく一部の粘着質な激ヤバマンのみだ。それ以上のことなんて無いし、特に新たな問題もないのだから、飽きられたら即消えていく。それは皆さんも日々ネットを眺めているだけでなんとなく分かると思いますが、これを自身で体験できたことは、精神的にも経験値的にも、振り返ると活動の糧になった気もする。なので、僕はネットで叩かれている人間に偏見は無い。まあ生きていたらミスることもあるさと、許容度と理解度が上がったのは素直に良いことだ。
 この時、とにかくゴシップが好きで群がっては次に移る人たちや、不確定な情報で好き勝手言ってくる人間がイヤになってしまった。ハエみたいだと思ってしまった。
 前述した通り、ネットなんてそんなものである。大半の人間にとっては暇つぶしで、学校や会社の帰りの息抜き。疲れた身体でのんびりタイムラインをスワイプしていると誰かのやらかしが必ず目に入るので、それに言及して叩いて笑ってストレス解消。それ以上の事なんてないし、僕だって若い頃はそんなもんである。気持ちは痛いほど分かる。
 それでも「汚い人たち」と認識してしまった以上、僕はもうネット民と同じ目線ではなく、ゲーム製作を経てファンと責任も芽生え、立場が変わってしまった。ネットなんてこんなもんなのに、自分はこんな大衆でありたくないと強く感じてしまったのです。けれども人間は息抜きやストレス発散の場所も必要だ。匿名・半匿名の掲示板やSNSの治安が悪いことは当然だろう。なら、僕の居場所じゃないだけであって、僕が静かに卒業すればいい。
 今こうしてネットをやってるじゃないかと言われると耳が痛い。もはやネットはインフラで生活の一部なのだから、完全には断ち切れない。それでも今は毎日のエッセイ・活動の報告、あとは仕事の連絡で、気まぐれに深夜のタイムラインを見る程度なのは本当です。だからネットニュースもあんまり目に入らず、「教えてもらう側」なんだ。
 別にネットにどっぷりな人たちを否定するつもりは毛頭ない。なんなら一昔前の自分がそうだったんだから、そんな時期もあるでしょう。ここでしか生まれないものも無限にある。けれど、立場や責任がある人間が、若者の遊び場に長く居るものじゃない。それだけの話です。ただ、もはや人が増えすぎて逆にネットの方が息苦しく不自由とも思っていますがね。まあ、どこも地獄でどこも住めば都なのだから、迷うだけ迷ってのんびり居場所を探していこう。


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