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一口エッセイ: いつも大人が喧嘩ばかりしている謎のSNS

 「若者から見たらTwitterは、いつも大人が喧嘩ばかりしている謎のSNSに見える」という話について、ずっと考えております。
 先日、60歳の書評家の方が、TikTokで本を紹介することで人気の若者に対して、「TikTokのような場所で杜撰に本を紹介して意味あるのか。この人、書評書けるの?」など、攻撃的な発言をしたことが話題になりました。僕は、これを「大人が喧嘩ばかりしている謎のSNS」である事実の縮図だなと感じたのですね。
 TikTokの若者たちが楽しく交流しているところに、Twitterで大人が「書評が書けるか?」と水を差す。どちらが正しいかはともかく、これではTwitterを「大人が喧嘩する場所」と認識しても不思議ではないでしょう。
 自分がDiscordでコミュニティを運営した際に、気になった点もそこでした。みんな好きなコンテンツを語ってワイワイしているものの、彼ら彼女らのTwitterアカウントに飛ぶと、殆ど情報収集用だったり、数日に一度呟く程度の規模であることが多かった。好きなコンテンツや配信者を追いかける用が一番目に入った気がする。つまり、Twitterは眺めるために使用し、趣味の合う仲間と和気藹々するのは狭いコミュニティで行う。何故なら急に「書評が書けるの?」なんて大人に怒られることもないから。
 だからと言って、みんなでTwitterの意識を変えようなんて高尚な気持ちがあるわけではないですが、いつか自分もこの大人が喧嘩するためのSNSに染まり、若者の文化に水を差す可能性があることを想像すると、とにかくつらくなってくる。


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