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一口エッセイ:試し行為について

 また、届いた質問に答えて気持ちよくなるやつをやりますか。アドバイスは楽しいからね。
 「自分を痛めつけて恋人に心配してもらう感覚が気持ちよくてやめられません。どうしたらいいですか」、とのこと。
 いわゆる『試し行為』ですね。自分がどれだけ愛されているか確認して快楽を得るため、わざと恋人や友人に迷惑をかけ、それでも自分を助ける/構うか試すような行動を指します。ひどい場合は、「今すぐ死んでやる!」と送ったり、「もう別れるから」と切り出したりする。もちろん、両方ともに引き止められるのを待っているわけです。
 気持ちは分からなくもないですけどね。自分がどれだけ必要とされているか、つねに心配を抱えて生きてますから。ぶっちゃけ誰でもいいんじゃないかって脳裏をよぎるんですよ。そしたらもう不安の濁流が押し寄せてきて、あの友達も、あの知り合いも、実は僕なんかどうでもいいんだ、もっと大切な友人がたくさんいるんだって怖くなる。そういう夜がある。
 とはいえ、ここで試し行為を実行したら、それこそ本当に嫌われますから。むしろ、試し行為をしなければ実際は良好な関係のままの方が殆どです。冷静に考えて、一度でも「試された」時点で嫌な気持ちになりますからね。やるだけ損。それでもやりたいのであれば、いつしか本気で向こうから切られる覚悟は必要です。その際の後悔、とんでもないと思いますよ。「グリズリーに襲われているから、今すぐパジャマで助けにきてね」なんて頼めるのは、可愛いアイドルグループの歌の中だけなんですね。



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